プロローグ
その者【悪の武人】の異名を聞く度に、高揚感に包まれる
決して罵られている考えには至らず
『誰のために戦い』『誰のための安寧』かと聞かれれば、その者は必ずこう答える
俺の為。武神オール・アハルバの名のもとに
「ミュージカル【悪の権化】 悪の化身より」
――――
安寧は、誰の為にあるの?
そもそも安寧などと言うのは存在するのだろうか。
そんな疑問を持ち始めた今、肌で感じるのはこの時代が盛衰へと言う目的地に舵取りをした事。
その根拠として僕の読み解いた伝承された青い表紙が特徴的な本。
[始まりが終わりの日、砂時計が元の位置に戻る。その前兆として複数の現象が起きる]
と記されている事。
その現象───
・稀有な出来事の頻発
・地が隆起し、やがて沈む天地揺るがす地鳴り
・他の生物の生態が大きな変化をする兆し
・10に及ぶ国で起こる自然災害の連続
・ノギロ桜国の異変
・人の減少
・青き両目が開かれる
その前兆に真摯に耳を傾けられる者だけが、滅びから逃れられる。
そなたがそなたの目の前で大切な者が死者の国へ向かう姿が見たいのであれば別なのだが……
この書を受け継ぐことは、いずれ誰かの不幸に繋がる。
だからこそこの書を遺すことは己にとっては不本意だ。
― そう結ばれていた。
そしてもう1つ。
疑問とは別に、僕の歩んで来た人生もまた不可思議に感じていた。
行く先で最期の繁栄そして安定。
時を経てその地を離れる。
忘れた頃、その場所は盛衰。
僕は、疫病神なのか……?
生まれ持った才能と不安を押し殺そうと、胸元のホーエルライトからクジラの姿に削った石のアクセサリーを触りながら、鼻から空気を使い不安を口から吐き出す。
空気に消える呟きと不安を見つめながら、「白き一冊の本」と胸元のアクセサリーと共に、遠くノギロ桜国へと足を進めた。
― 人知れず覚悟を決めた日の夜 ―
夜に微笑む青い月を見かける。
クレーターはまるで海のような深い青色。
例の噂を聞いた矢先のただならぬ綺麗さに心が動く。
……まずいな。
部屋に飛び込むと机から紙とペンを奪い取り、紙の上をペンが走り出す。
手を差し出した机上の砂時計を、反転させることを躊躇う。
― 人知れず終わる日の夜 ―
ホー… キュー… ホー……
最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。
次回は、【2026年1月14日 2時00分】 に投稿いたします。
まだまだ魅力に欠けていると思っております。
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