俺の最期ってこんなあっけないの?
「ったく…課長のやつ、面倒な仕事を全部俺に押しつけやがって。」
「まぁ…いいじゃねぇか。今日中に終わらせられたんだから。明日は休みだし今日はパァーとやろうぜ。」
「まぁ…そうだな。ビール2つ。あとこれと…これと…これを2人前!」
「わかりましたぁ。少々お待ち下さい。」
俺は佐藤康。どこにでもいるサラリーマンだ。学生の頃から器用貧乏っていうのかな。何でもできるけど凄くない。
努力家なわけでもないし、熱血系でもないからプロを目指そうとも思わなかった。
人生もどうせなんとかなるだろって簡単に考えた結果、給料はいいけど仕事量がアホみたいにたくさんあるブラック企業に就職してしまった。
毎週毎週、仕事仕事。金曜日の同僚との打ち上げと休日だけが人生の楽しみだ。
「いや〜。今日もめちゃくちゃ飲んだな。」
「この後どうする?」
「どうするって…終電過ぎてんだろ?」
「別に歩いてだって帰れるだろ?」
「まぁ…そうだけど。」
そうだな…歩いて帰るか。
俺達はいつものようにいつもの道を歩き、帰っていた。
ただ、今日は少しだけ違うことが起きた。
結論…俺は轢かれた。
信号無視だった。急いでいたと言っていたが、酔っぱらってたんだろう。一切ブレーキを踏んでいない状態で横断歩道に侵入してきた。俺は咄嗟に同僚を突き飛ばした。
結果、同僚は軽症ですんだが、俺は即死だった。
幽体離脱ってほんとにあんだな。
俺は自分の死体の上に泣き崩れている同僚を見下ろしている。
あいつにとって虎ぅにならなきゃいいけど。
とはいえ…
「俺の最期ってこんなあっけないの?」
パイロットの話と同時並行で進めていきます。今はこちらの夢をみています。