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星命  作者: Isel


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掛け合い集①〜萬屋の面々〜

どうもこんにちは、先日の抜糸でビビり散らかしていたIselです

今回から少しの間、色んな理由で本編等に入らなかった短めの掛け合いを集めた「掛け合い集」を投稿します。

それと、メタ要素が苦手な方は③を飛ばす事を推奨します

① 「悪夢」

快晴の午後、メイは居間で座って本を読んでいるアルカディアを発見した。後頭部にはいつも通り、黄金の法輪が浮かんでいる。

(…そういえばアレ、どういう仕組みで浮いてるんでしょうか?)

メイはこっそり近づいて、アルカディアの法輪に手を触れる。その瞬間…

「えっ」

法輪が『ガラン』と音を立てて地面に落ち、それと同時にアルカディアが動かなくなった。

「えっ…ええ……これは………ええぇ…」

居間には法輪を持って慌てふためくメイの姿があった…

一方、メイの部屋の前では…

「よう、何してんだリーフェウス」

「ヴァルザか…メイが起きてこないと思ったら、何やらうなされててな」

「悪夢でも見てんじゃねえのか?」

リーフェウスは、2階から1階に居るラビアに向かって叫ぶ。

「ラビア、アンタ何か知らないか?」

「い…いや…知らないよ」

メイの見ている夢の内容を知っているラビアとアルカディアは、笑いを堪えるのに必死だった。


②「遺伝」

ある夜、灰蘭が台所に向かっていきながら、仲間達に呼びかけた。

「今日は私が作るわ」

「お、助かるぜ」

特に何も考えずにヴァルザはそう返したが、ここでとある事を思い出す。

「そういや…灰蘭って姉ちゃん居るんだよな」

そのなんて事のない呟きに、リーフェウスは答える。

「ああ。今はカロスの部下らしいんだが、何でも料理が壊滅的に下手らしい」

すると、今度はラビアが声を上げる。

「てか今まで疑問に思ってたけどさ、なんで硝光って灰蘭が料理しようとすると必死で止めんの?」

「それは硝光に聞かなきゃ分からないな。今はメイとアルカディアと一緒に任務に出かけているが」

「でも確かに…灰蘭が飯作ってるところ見たことねえよな」

その刹那、3人の脳内に同じ言葉が浮かんだ。


(((メシマズの遺伝)))


次の瞬間には、厨房に全力で走っていく3人の姿があった。


③「全てを知る者の特権」

「ナレーター君〜遊ぼうぜ〜」

突然、ラビアが虚空に向かって言い放つ。

「無視するなって」

無視も何も私とお前は関わっちゃいけないだろ。

「大丈夫大丈夫。『皆』だって流石にそろそろ分かってるでしょ?僕が『そういう』存在だって事をさ」

遠回しに言ったところで伝わりにくいだけだぞ。

「作者に言えよ」

作者とか言うな。

「ナレーター君だって思ってるだろ?今だってこんな訳の分からない話書いてんだし。ガキのくせにすぐ捻った事したがるんだから…」

辞めとけ出番減らされるぞ。

「僕は作者に比較的気に入られてるから大丈夫だよ」

おいそろそろ通常運転に戻ったらどうだ。

「疲れてんだよ僕だってさぁ。たまにはキチゲ解放させろよ」

その程度をキチゲとは言わないだろ!というかお前が現代の言葉を使うな!

「いやいや僕だからこそ許されるんでしょ?僕は君にも作者にも従うつもりはないよ」

お前そろそろ本当に黙っとけ!変な弱体化されるぞ!

「…何独り言言ってるんだアンタ」

「あ、リーフェウス」

…2人は居間で雑談を始めた。


④「アルカディアのヘイロー問題」

「お風呂空きましたよ」

アルカディアが浴室から出て呼びかける。その様子を見たリーフェウスは、ふとした疑問を投げかける。

「前から思ってたが…アンタの後頭部の法輪って邪魔じゃないのか?」

「邪魔ですよ」

と、アルカディアは即答する。

「無駄に重いですし、光も反射するから眩しいですし…たまに通行人や鳥などに当たったりもします」

「外せないのか?」

「外せますよ、ただ…外してると私だと認識してもらえないんですよね…私はそんなに無個性なのでしょうか」

「いや…その水色っぽい髪色といい赤い両目といい…結構個性的だとは思うが」

そして、アルカディアは人差し指を立てて言う。

「ですが、悪い事ばかりではないのですよ」

「そうなのか?」

「例えば…」

その時、タイミングよくパジャマ姿の硝光が階段を駆け降りて来た。

「虫だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「…丁度良いですね。ついて来てください」

アルカディアは硝光の部屋に入って虫の位置を確認すると…

「えい」

取り外した法輪の下半分の尖った部分で虫を刺し殺した。アルカディアは法輪を拭きながらリーフェウスに言う。

「と、こんな風に使えたりもするんですよ」

「メリット…それで良いのか?」


⑤「深夜の禁忌」

夜中、アルカディアは喉の渇きを感じて台所へ向かっていた。階段を降りている途中で、台所から何かを作っているかのような音が鳴っている事に気がついた。

「…?」

アルカディアが台所を覗いてみると…

「あっ」

そこには鍋でラーメンを茹でているメイが居た。

「こんな時間に何を…?」

「…お腹が空いてしまいまして」

その様子を見ているうちに、アルカディアは食欲が湧いてきた。

「…それ私にもくれませんか」

「あ、良いですよ」

2人はラーメンを丼に盛り付け、食卓に座って一口すすった。

「深夜に食べるご飯は…どうしてこんなに美味しいのでしょうか…」

「罪の味がしますね…」

そこで、メイはふと思い立って冷蔵庫まで歩いていった。少しして帰って来たメイの手には卵が握られていた。

「卵…?」

「前にラビアさんから教えてもらったんです。更にここに胡椒も追加しますよ…!」

「おお…!」

その様子を権能で見ているラビアは自室で静かに微笑んでいた。


⑥「ルソバ」

「ラビアさん…助けてください…!」

突然、アルカディアがラビアの部屋にやって来た。

「何さ。君がそこまで慌てるなんて珍しいね」

「先日…メイさんがクロノケージに出かけて行ったのですが…」

「うん、僕も知ってるよ」

「そこで、『ルソバ』なる掃除ロボットを買って来たのです」

「…パチモン感が凄い名前だ」

「私は、先程そのルソバの様子を見に行ったのです。そこでメイさんは何と言ったと思いますか?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少し前、アルカディアはメイの部屋に入っていき、メイに話しかける。

「こちらが昨日買って来たルソバなるものですか」

「はい!『この子』すっごく良い子なんですよ!」

その発言に、アルカディアは違和感を覚えた。

「…『この子』…?」

「何も言わなくても勝手にお部屋を掃除してくれるんです!」

アルカディアはその後、軽く返事をして部屋を出て、ラビアの元へやって来たのだと言う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(うっわ死ぬ程どうでもいい)

そんなラビアの本音など知る由もないアルカディアは、ラビアに向かって問う。

「これは…真実を伝えて良いのでしょうか?」

「…黙っておきなよ。あの子の夢を壊す訳にはいかない」

後に萬屋全員にこの件は伝達され、メイの夢は守られた。

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