表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星命  作者: Isel
54/108

第四十六話 辛勝の後、悠拓の神人は

豆知識

この世界は国境がありません

ついでにカレアス以外は国王的な存在もいません

ラビアとの決戦から1週間。拠点にある焚き火の前には、深刻そうな顔で俯くリーフェウスの姿があった。

「アイツ…やっぱ気にしてんのかな」

「…言いたかねえけど…手を下したのはアイツだしな」

「…ここは仲間として、寄り添ってやるか」

硝光はリーフェウスに近寄り、背中に手を当てて優しそうな口調で話しかける。

「何を暗い顔してんだ?アタシに話してみろよ」

「硝光か…」

リーフェウスは、比較的元気の無さそうな声で答える。

「実は…」

「おう」

「深淵に…財布落としたんだ…」

その瞬間、ヴァルザと灰蘭と硝光の拳がリーフェウスに飛んでいった。

「おい何をするんだ」

「そんな事かよ!アタシの心配返せ!」

「ああそうだな…コイツはそういう奴だったな…」

「無用の心配だったわね」

「まぁ、何も悩みがない訳じゃない」

リーフェウスは真面目な表情になって続ける。

「ラビアは死ぬ間際に言い残した。『この星を頼む』と。だが…その方法が思いつかない」

「あなた…『任せろ』とか言ってたわよね?」

「誰に似たんだろうな」

全員で頭を捻っていたが、スケールが大きすぎて案が出にくい。

「…急いで考える事でもない。俺は辺りを散歩してくる」

リーフェウスは森の中へと足を踏み入れた。気分転換の為に来た場所だったが、特に何かが変わる訳でもなかった。リーフェウスはため息と共に、恩人の顔を思い浮かべる。

「団長…アンタならどうする?」

そう呟いても、具体的な案は出てこない。

「…いや、悩むなんて俺らしくないな。いつも通り、直感でいこう」

そして、リーフェウスは仲間達の元へと戻った。

「お、何か思いついたのか?」

「ああ。だが、その準備の為に数日ほど必要なんだ。待っていてくれ」

「ええ、分かったわ」

リーフェウスは頭上に『瞬』の文字を浮かべてどこかへ走っていったが、すぐに帰って来た。

「忘れ物か?」

「ああそうだ!メイ、悪いが一緒に来てくれ」

「へ?私ですか?」

「多分アンタにしか出来ないんだ」

「分かりました…」

2人は街のある方角へと向かった。

「…何するつもりだろうな」

そして4日後…

「あ、帰って来た」

「やっと準備が整った…」

「何してたんだ?」

「それは見てからのお楽しみだな」

メイの顔がやたら疲れていそうな事が気がかりだったが、全員はリーフェウスの案内に従って歩いていく。

「よし、着いたぞ」

「これは…」

全員の目の前には、何の変哲もない一軒家があった。

「家?何で家なんか…」

「家になるのは2階だな」

「1階は何に使うのよ」

リーフェウスはニヤリと笑って答える。

「団長…俺の恩人に倣ってだ。『萬屋(よろずや)』を開こう」

「「「萬屋?」」」

3人が声を揃えて言う。

「ああ。俺の直感に従って…だ。初めから世界の全てを守るなんてはっきり言って俺には無理だ。だから、まずは手の届くところから守っていく…そうすれば、日銭も稼げて一石二鳥だろう?」

「なるほどな…異論はねえけど…なんでメイはこんなに疲れてんだ?」

「ハァ…この人…建物を買う為の手続きとか全く知らなかったんですよ!それ全部私がやったんですからね!」

「…あなた、メイに一生かけて感謝しなさいよ」

「そんなにか?感謝はしてるが…」

「てか、資金はどうしたんだよ?」

その時、一行の脳内に少し昔の記憶が浮かび上がった。

「…あの時メイの兄貴に貰った金か!」

「ああ。家を一軒買っても尚お釣りが来るほどの金を貰ったからな」

雑談はこれくらいにして、全員はひとまず中に入ってみる。

「感動が込み上げてくるな…」

「もう野宿しなくて良いと思うと…確かに気が楽になるわね」

それぞれがベッドで寝れる喜びを口にする中、リーフェウスは1人別の事を考えていた。

(ラビア…俺は俺のやり方で、この星を守っていく。だから…数千年分、ゆっくり眠れ)

なんか最終回みてぇなノリですが、全然まだ続くのでご安心ください

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ