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星命  作者: Isel
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第五話 おっ金ぇ無

話数を重ねるごとに総文字数が少なくなっている

リーフェウス達がカレアスを目指し始めて数日、特に急ぐ理由もないのでゆっくりと目的地へ向かっていた一行は、宿の一室でとある問題に直面していた。

「なんだよリーフェウス、話って」

「単刀直入に言おう。所持金が底をついた」

「マジかよ…一体誰が…」

「アンタ達の食費とかを全部俺が負担してるからだよ!なんで揃いも揃って一文無しなんだ!今までどうしてたんだ!」

「君ってそんな大声だせたんだね…」

「特にラビア!アンタ1番貯金ありそうなのになんで1番金持ってないんだ!」

「それを人は偏見と言うんだよ?」

それを聞いたリーフェウスは剣の柄を掴み、

「俺は理由を聞いてるんだ…!返答次第では叩き斬るぞ…!」

「待て待て待て!僕はまだ死にたかないよ!」

「…硝光よお」

「なんだいヴァルザ君」

「金っておっかねえな」

「おっダジャレか?」

「違えよバカ」

どうにかリーフェウスを宥め、この現状をどうするかを話し合うこととなった。

「さて、この金銭問題をどうするか...何か案がある者は?」

ここで、硝光が手を挙げた。

「適当な魔物を狩ってその素材を売るってのは?」

「簡単だが時間がかかりすぎるな...」

説明しよう。硝光の言った方法で生計を立てる者は俗に「戦士」などと呼ばれており、この世界においてはほぼどの職業よりも人数が多い。理由としては、大体誰にでもできる故に就職に失敗した人間がことごとく戦士となるからである。そのため、魔物を2、3体狩ったところでせいぜい一日分のおやつが買える程度の金しか手に入らないのだ。ところで、その苦行を3年間続けて、数日とはいえ5人分の宿代と食費を賄えるだけの金を稼いだリーフェウスはどれだけ暇だったのだろうか。

「時間がかかるっつってもそれ以外の方法思いつかねえんだよな...」

「...これだ」

不意にラビアが呟き、そして続けた。

「この前会ったベルとか言う奴って体が機械だったよね。だったら今度僕たちの前に出てきたときに、体をバラして売り飛ばせばいいんじゃないか...?」

「それだ...」

「それだわ...」

硝光と灰蘭がほぼ同時に言うと、すかさずヴァルザがツッコミを入れた。

「それだ...じゃねえよ!人道を踏み外してんじゃねえか!リーフェウスもなんか言えよ!」

「妙案だな...」

「お前らに倫理観は無えのかよ...」

「倫理で飯が食えるならあのディザイアってやつもアンタの故郷を襲ったりしなかっただろう」

「ぐうの音も出ねえ...」

「キレないんだな。その話題出されても」

「ああ。別に許したわけじゃねえけど、あいつにもあいつの理由があるのかもしれないから、聞けたら話でも聞いてやろうって思い始めてな」

「大人になったな、ヴァルザ」

「ガキ扱いかよ」

そんな会話をしている一行の部屋の外に、見たことのある機械の身体があった。誰あろう、ベルである。彼は今までの会話を全て聞いていた。

(今出ていったら確実に殺される…こりゃ今日も話は出来そうにないか)

そう思い、その場を離れようとしたその時、室内の灰蘭が何かに気づいた。

「皆、部屋の外に誰かいる。しかも金属みたいな匂いがする」

「五感鋭いんだね…ん?機械?」

室外のベルを含めて全員の間に数秒の沈黙が流れる。その後ヴァルザ以外の全員は声を揃えて叫んだ。

「「「「捕えろぉぉぉぉぉ!」」」」

「は!?おい!待てって!」

「結局あの方法で行くのかよ…」

その後しばらく鬼ごっこが続いたが結局ベルは逃げきったようだ。全員が疲労を癒やす為に座り込んでいる中、ふと硝光が言った。

「てか、野宿すればいいんじゃないか?」

「「「天才か?」」」

硝光を褒め称える3人と、

(なんでそれが最後に出てくるんだよ)

呆れるヴァルザの姿がそこにはあった。

それから更に数日して、リーフェウス達の上空に浮遊する都市が見えてきた。

「あの上に見えるのがカレアスってところか?」

「そうだよ、長い道のりだったね」

「え?あれどうやって行くんだよ。灰蘭わかるか?」

「私は知らない。ヴァルザ、貴方は?」

「俺も知らねえ。ラビア?」

「知らないよ。リーフェウス、君は?」

「聞くまでもないだろう」

一行が唸りながら考えていると、突如として灰蘭が言った。

「待って皆、何か聞こえない?こう…悲鳴みたいな」

すると明らかに震えた声で硝光が答えた。

「ややややややめろよ灰蘭…アアアアタシが幽霊苦手なの知ってるだろ…」

「安心しなよ硝光、僕にも聞こえる。上かな?」

全員が耳を澄ましてみると、はっきりと聞こえてきた。

「ひゃああああああああああああ!!」

「は?人?」

「あっヴァルザそこにいたら…」

リーフェウスの警告も虚しく、落ちてきた人らしきものとヴァルザが激突した。土煙が晴れたそこには、でかいタンコブを作って倒れているヴァルザと、色白で銀色と白色の中間のような色をした髪の少女が倒れていた。

キャラクタープロフィール③

名前 ヴァルザ

種族 人間

所属 主人公陣営

好きなもの 肉 酒

嫌いなもの 野菜 頭を使うこと(苦手ではない)

異能 生き物の魂を使ってバフやデバフを発動させる

作者コメント(今回からこの名前にしました)

「1人くらい元気な奴を作らないとな」って思って生まれたキャラの1人。作者は元気なキャラを描くのが苦手なので、こいつの出番は正直あんまり増やしたくない。でも作品の為に居なくてはならない大事なキャラだとは思ってます。

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