表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星命  作者: Isel


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/108

第四十一話 戦いの前に

今更なんですが、私がよく書く「イメージした言葉」は左から順にイメージした割合が大きいです

「…明日だな。約束の日」

ラビアが設定した約束の日まで、残り1日を切った。だが、拠点にいるのはリーフェウスとヴァルザの2人だけであり、他の仲間はここにはいない。理由は単純で、今までで1番大きな戦いになる事を見越して、万が一の事が起きた時の為に自身の故郷へと戻っているのだ。ちなみにこれはカロスの提案である。

「案外…緊張とかするもんだと思ってたけどよ…全くしねえな。お前はどうだ?」

「俺もだな。というか…アンタは行かなくてよかったのか?もう亡くなってるとはいえ…一応墓参りとかやるもんじゃないのか?」

「俺は家族に弱みを見せたくねえんだよ。次に会う時は寿命で死んだ時って決めてんだ」

「…そうか」

「他の奴らは今頃…何してんだろうな…」

その頃、スケイドルにて。灰蘭と硝光は自身の育て親である平安の家にいた。

「おお、2人とも。今回は帰ってくるのが早かったのう」

「ああ…ただいま、じいちゃん」

2人の表情は、普段と比べて幾らか暗かった。…いや灰蘭は割といつも通りだったが、それでもどこかがいつもと違った。

「何か…あったのか?」

「え?」

「まぁ何かはあったんじゃろうな…儂の長年の勘が言っとる。安心せい、余計な詮索はせんよ」

「おじいちゃん…」

「ただ、これだけは覚えておれ。儂はいつまでも…お前達の帰りを待っとるぞ。この家でな」

「…うん、ありがとう」

「ありがとな、じいちゃん」

一方、久しぶりにカレアスに帰ったメイは…

「おかえり、メイ」

「あ、兄上…」

「急に帰ってくるだなんて、どうかしたのかい?」

「なんか…いつもと様子が違いませんか?いつもだったら…その…私の姿を見るなりこっちに走ってくるのに」

「私が説明しましょう」

そう言ったのは、メイの兄の側近だった。

「教皇様はここ最近、大量の仕事に追われており一睡もしていないのです」

「ど…どれくらいですか?」

「5日です」

「5日!?」

「ええ…ですので、今はそっとしてあげてください」

「はい…兄上、どうかお元気で」

一方奈落では、カロスの自室にてカロスと灰縁が話していた。

「…という訳だ」

「いやいきなりそんな事言われても…私にどうしろって言うのよ」

「私がいない間の仕事を任せたいという話だ」

「ハァ…まぁいいわよ。追加の報酬を忘れないでよね」

「…ディザイアに頼んでくれないか」

「あなたとうとう彼を財布扱いし始めたわね…」

「いつか返そうとは思ってるんだ…」

奈落組はこんな時でもいつも通りである。

そして、セツは…

「…」

セツは最近自力で小さな家を建てた。本人としては別に野宿でもよかったのだが、何となくまた屋根の下で暮らしてみたくなったのである。ちなみに家の裏には、かつて自身で埋葬した恩人…マリの墓がある。

「些か久しぶりか」

そう言うとセツは懐から瓶を取り出した。

「…そういえば、お前は酒が飲める年齢ではなかったな」

セツはその酒を一口飲む。

「私はもうすぐ、大きな戦いに臨む。この世界の命運すらも懸ける程の…大きな戦いにな」

セツは槍を地面に刺し、墓の前に座り込む。そして、セツは恐らくマリが口にするであろう質問を予想して答える。

「理由…?簡単だ。私は、あの少年を守りたい。それだけだ」

すると、セツは少しだけ目を細める。

「…分かっている。お前1人すら守れなかった者に、世界を守る為の戦いに臨む資格があるのか…私には無いだろう」

そして、細めた目をまた開く。

「だがそれでも…私はあの少年に、深淵の地で誓ったのだ。『お前は私が守る』と。お前にしてやれなかった事を、あの少年にはしてやりたい。無論…それがお前に対する贖罪になるとは思ってないがな」

その時、セツの周りに風が吹いた。不思議な事にその風のざわめきの中で、セツは確かに声を聞いた。

『がんばれ』と。

「…ああ、草葉の陰から見ていてくれ。私の…最初で唯一の家族よ」

それからセツは槍を抜き、墓の手入れをしてから家を後にした。

そして、深淵では。

「ハ…ハハ…やっとだ…やっと…終わらせられる…」

額に手を当て、乾いた笑いを1人上げ続けるラビアの姿があった。

キャラクタープロフィール

名前 ラビア(神名 アルヴィース)

種族 神

所属 三神柱

好きなもの なし

嫌いなもの 世界

権能 熟語で表せる物の力を操る(言葉の権能)

   世界の全てを知覚し、それらに干渉する力(知識の権能)

作者コメント

知っています、全部。

イメージした言葉は「虚無」「惨苦」「諦観」「停滞」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ