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星命  作者: Isel


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第十七話 決着…?

この作品に出てくる様々な国は国というより地域といった表現の方が正しいかもしれません。理由としては1つ1つの国がそこまで広くないからです。

灰蘭やリーフェウス達がそれぞれの戦いを終えた頃、ヴァルザとベルは未だ苦戦を続けていた。

「あの茨をどうにかしない限り勝ち目ねえぞ…!」

「俺は身体が機械だから最悪捨て身で突っ込めばいいんだがな」

「じゃあやれよ」

「嘘だバカ」

「あ?」

「あ?」

そんなくだらない会話をしている間にも、次から次へと鋼鉄の茨と棘が襲いかかってくる。

「おいディザイア…分かってるだろ?俺にその能力は通じねーってな」

「そうかよ…!だが『雨垂れ石を穿つ』って言うだろ!?」

「どこで知ったんだそんな言葉…」

「お前の装甲…徐々に傷が増えていってるぜ?」

「なんだお前あんだけ調子乗っておいて結構効いてんじゃねえか」

「うるせー!ハッタリも大事だろハッタリも!」

「遺言はそれでいいのか!?」

「「危ねえええええ!」」

2人と茨の鬼ごっこが始まった。

「もうこれどっちかが囮になるくらいしか思い浮かばねえぞ!」

「もう少し考えればなんか浮かびそうだったりしねーのか!?」

「無理だ!俺バカだから!」

「お前さっきのアレ根に持ってんじゃねーか!」

「持ってねえよ!バカにもやれることはあるだろって台詞に繋げようとしたんだよ!」

「じゃあお前が囮やんのか!?」

「ああ!身体の丈夫さだけが取り柄だからな!」

そう言うとヴァルザは身体の向きを変え、ディザイアの方へと突っ込んでいった。

「正面衝突か!?いいぜ…!そろそろ鬼ごっこにも飽きてきたところだ!」

ディザイアとヴァルザ、2人の大剣がぶつかり合う音が響く。だが、戦いにおいては冷静さが命。そしてこの場で誰よりも冷静なのは、意外にもディザイアだった。

「痛ってえなあ…!」

お得意の茨で、死角からヴァルザの腕を貫いた。だが…

「痛えけどなあ…我慢比べなら得意だぜ!」

ヴァルザが紫色の球体を握り潰すと、たちまち身体の傷が癒えた。

(初めて見たな、あいつがまともに能力使ってるの。描写が無いからか?…あれ、描写ってなんだ?)

機を伺いながら、ベルはそんなことを考えていた。

一方ヴァルザの方をよく見ると、段々と動きが速くなっていっている。

(どういうことだ…?なんか徐々に力と速さが上がっていってるな…チッ)

勘のいい人なら分かると思うが、これもヴァルザの異能である。ディザイアのような魔法も武器も両方扱える相手に対して、ヴァルザが取れる最適解はただ恐れずに突撃することだった。無論、ヴァルザはそこまで考えていたわけではないが、結果的にはディザイアの余裕を削ることに成功している。

「オラァ!」

ディザイアの武器を、ヴァルザが力強く弾き飛ばした。

「クソが…!」

その隙を見逃さず、ヴァルザは紫色の鎖を出現させて、ディザイアの動きを縛る。

「ベル!仕事だ!」

ベルは相槌も打たぬままディザイアの方へと向かっていく。だが…

「舐めんじゃねぇ!」

ディザイアの周りから大量の棘が飛び出し、鎖を切断した。それとほぼ同時に、茨を螺旋状に解き放ち、ヴァルザ達を突き放した。

「良い線行ってたと思うんだけどな…!」

「No.4は伊達じゃねーな」

再び、さっきのような鬼ごっこが始まった。

「そういやお前ってなんか地震みたいなの起こせるよな!あれやってくれよ!」

「構わねーけど…運が悪かったら生き埋めだぜ?」

「どのみちやらなきゃジリ貧だろ!」

「そういう考え方嫌いじゃねーぜ…!」

「なんだ急に気持ち悪い」

「褒めてんだよクソが」

こんな奴らが本当に連携など出来るのかは甚だ疑問だが、とにかくやるより他の道はない。

「ヴァルザ、3つ数えたら上に跳べ」

(…?空と地面の2方向から攻めようって魂胆か…?甘ぇな…!)

「悪いが多分お前の予想は外れだぜ!」

そう言うとベルは右腕の砲門を地面につけ、一気に魔力を放出した。

「何…!?」

その瞬間、その空間の全てが揺れ、予想外の出来事にディザイアは思わず尻もちをついた。

「終わりだ!」

そして、空中にいたが故に影響を受けなかったヴァルザが、ディザイアの胴体を袈裟状に切り裂いた。

「ふざ…けんな…俺は…俺はァ…!」

いくらディザイアといえど、そんな傷を負っては無事ではいられない。ディザイアは恨みのこもった声で言い残すと、そのまま力無く倒れ込んだ。

「あ〜…やっと終わった…」

「よかったな。生き埋めにならなくて」

「他人事かよ…」

「俺は機械だからな。貧弱な人間とは違うんだよ」

「機械にゃ人の気持ちは分からねえか…」

「あ?」

「あ?」

一気にいつものムードになったヴァルザとベル。2人は表面上では言い争いつつも、なんだかんだで良いコンビなのだった。

一方、依然としてうつ伏せに倒れ込んでいるディザイアの遺体と、ディザイアの魔力によって作られた大剣は、何故かまだ消えずに残っていた。

キャラクタープロフィール⑮

名前 ディザイア

種族 魔族(半分人間)

所属 ヴェンジェンス

嫌いじゃないもの 同僚(例外あり) 戦闘

嫌いなもの それ以外大体全部

異能 鉄で出来た茨や棘を操る

作者コメント

憎しみの塊みたいなやつ。一応会話はできるが沸点が低いので同僚以外とまともな会話をしたことはない。

割と初期の方からいるキャラで、設定や背景も含めて結構気に入ってる。同時投稿の過去話を読んで貰えれば分かると思うが、「ディザイア」は偽名である。イメージした言葉は「憎悪」「渇望」

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