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星命  作者: Isel


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第十三話 奈落

ちなみにラビア君は背中の輪っかを出さなくても魔法を使えます。あれはラビア君の気分で出したり引っ込めたりしてると思って下さい。

2週間にわたる修行が終わり、ラビアとメイは約束の場所へと集まった。

「皆さん…遅いですね…」

「日にちしか決めてないし、仕方ないよ」

その時、ラビアの視線の先から何かが高速で近寄ってきた。

「少し遅れたな。アンタらが1番か」

「いえいえ、遅れてないですよ」

「修行は順調だったかい?」

「想像力とかはある程度養えた…と思う」

(本当にいけたんだ。あれで。リーフェウスの修行のこと忘れてたから適当にそれっぽいこと言っただけなんだけど…)

そんなラビアの内心は誰にも知られることなく、数時間ほど暇を潰した時、ベルとヴァルザが合流した。

「久しぶりだな」

「お久しぶりです」

「女子2人組はどうしたの?」

「なんか修行の成果を見せたいからって、俺らとは別でこっち来るらしい」

その時、近くの地面に見慣れた剣が飛んできた。柄には、炎でできた縄のような物がついている。

「これは…あいつのか」

リーフェウスの予想通り、灰蘭がその剣に引き寄せられるように飛んできた。

「久しぶり、皆」

「便利そうだな、それ」

「ええ、すごく便利よ。戦闘以外にも割と使えるの」

「硝光はどうしたんだよ?」

「もうすぐ来ると思うわ」

「待たせたなお前ら!」

その声が響いた途端、稲妻の如き速度で身体中に雷を纏った硝光が走ってきた。心なしか、髪色も変わっている気がする。

「速っ」

「ベルさん、硝光さんに何があったんですか…?」

「修行の成果だぜ?今回1番変わったのはあいつだろうな」

ひとしきり談笑した後、リーフェウスが声をあげた。

「これ以上見せるのはやめにしておこう。実戦の時にとっておけ」

「目指すは奈落だね。ベル、行き方分かる?」

「ここからそう遠くないぜ。今からでも行こう」

一行は森の中へと歩を進め、やがて、空間の裂け目のようなものを見つけた。

「…ここ入るのか?」

「普通に考えてそうでしょうね。…怖いの?硝光」

「そりゃ怖ぇよこんなところ入るんだから」

「皆、準備はいいな?行くぞ」

リーフェウス達一行は裂け目の中へと飛び込み、奈落へと足を踏み入れた。

「ここが奈落か…!」

リーフェウス達の目の前に広がったのは、どこまでも続く暗い空と、荒れ果てた大地だった。

「皆さん見てください!あそこに大きな建物があります!」

「あれが俺らの本拠地だぜ。あそこに主がいるんだ」

そして一行は、建物の門の前までやってきた。

「案外何も出てこなかったな。何かしらの魔物とかが出てくるかと思ったが」

「この辺は治安が良いからな。離れた地域じゃこうはいかねーぜ?」

今から中に入ろうという時に、不意にラビアが声をあげた。

「悪いけど、今回僕は別行動させてもらうよ」

「ああ、止める理由はない。死ぬなよ」

「言われるまでもないよ」

こうして、リーフェウス達は屋敷の中に入り、ラビアだけが大きな扉の前に残った。

「いい加減出てきたらどうだ?」

ラビアがそう言うと、物陰から4人の魔族が出てきた。

「多すぎだろ。僕1人に何人割いてんのさ」

ラビアの口調は、いつもと違った。その4人は、今まで何度も聞いた自己紹介を始めた。

「オレはヴェンジェンスNo.10『憤怒』エイドだ…!」

「同じくNo.7『女帝』ヒステラですわ」

「No.6『奇跡』のラークルだ」

「No.2『病魔』パンデミック…主の命令により…この地に足を踏み入れた侵入者を排除する…!」

(扱いに困った奴らの処理が雑だな作者よ)

「貴様は…1人か…?聞いていた情報と違うが…まあいい…これだけの数を1人で相手取るのは…」

その台詞を遮るようにラビアが言った。

「長い」

次の瞬間、ヴェンジェンスの4人の周囲に薄い銀色の線が4本走ったかと思えば、4人の身体は綺麗に両断されていた。

「もう終わりかよ…No.2って言うからちょっとは期待してたのに…所詮は任されるような仕事もなくて外回りに行かされた雑魚か」

(暇になっちゃったな…何しよう)

と、考えているラビアの背後に突然、大きな音を立てて大剣が振り下ろされた。

「あっぶな…何すんの…」

「私はヴェンジェンスNo. 1『英雄』バルドラス。用件はわかっているだろう。主の命令だ。悪く思うな」

「どいつもこいつも主主って…そんなにタナトスが大事かよ」

「くだらないお喋りをしている暇はないだろう?」

またも、ラビアは当たる寸前で攻撃を避けた。

(なんかこいつの攻撃読めないんだよな…まさか…!)

「何かに気づいたのか?動きが止まったぞ」

その時には既に、バルドラスの大剣がラビアの首元まで迫っていた。

キャラクタープロフィール⑩

今回はこの話に出てきた噛ませ犬4人組の簡単なプロフィールを紹介したいと思います。


名前 エイド

異能 怒りが増すほどに身体能力が上がる

作者コメント

2秒で考えたキャラ


名前 ヒステラ

異能 足技を命中させた相手を服従させる

作コメ 名前は結構気に入ってる


名前 ラークル

異能 想像したことを97.5%の確率で実現させる

  (2.5%の外れを引いた場合、今まで実現させた   想像の分の不幸が降りかかる)

作コメ 最初はベルじゃなくてこいつが仲間になる予定だった


名前 パンデミック

異能 ありとあらゆる病やウイルスを操る

作コメ 相手が悪かっただけで実際はかなりの実力者

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