第9話 ヒーロー
月読命に導かれた弥太郎の意図とは…
高天原に入り、弥太郎は驚いた。
空間にある霊気の濃度が、現世と同じだからだ。
「月読様、事情を教えて下さい」
「いいだろう。霊視ての通り、高天原の霊気が現世と同等になっている。ゼウスの仕業だ」
「ゼウスですか…ヤバい神だと聞いています」
「あれは危ない。思想がおかしい。どの女も自分の女だと、本気で思っている」
月読命は案内をしながら話す。
「高天原やオリュンポス山などはゼウスが姉君を犯そうとしたのだ」
「それはいけないです!」
「奴はケラウノスを携えたが、高天原のあらゆる神々が戦い撃退したのだ」
「凄まじいです!」
「その戦いの結果、高天原の霊気が枯渇しかけているのだ」
「なるほど。それで何故、子供達を集めていたのですか?」
「神通力を身につけさせ現世で行動させる為だ。子供達を神の使いにするのだ。いずれ、人間達に霊力を捧げさせ高天原を元に戻す為にな」
(なにぃ)
弥太郎は怒ったが、表情や仕草には出さない。
「ちなみに、子供達から神の使いにする許可は取っていますか?。親に会えなくなるでしょう」
「神の使いに自由意志は要らない」
「なるほど。良く分かりましたよ」
「それは何より。さて、貴様はこれから眷属になる儀式を行う。暫し、待っていろ」
月読命は去っていった。
『これから、どうする?』
(まず子供達は解放しないとな。後、村人達がヤバい奴らだったから解決しないといけない。そして高天原の霊気を回復させないとな。月読達の処遇もしなくてならない。さらにゼウスもどうにかしないと)
『やらないといけない事はそうだ。問題は』
(ああ、どうやって解決するかだ)
子供達の解放をする為に高天原の霊気を回復させなければならない。
月読達天津神、ゼウスを裁くのに抵抗する事が予測される。
どちらも難題で弥太郎とメタルシルバーの手に余る。
(どんな難題だろうと立ち向かわないといけないのがヒーローの辛いところだな)
『だが、成し遂げてみせる』
(ああ、絶対に)
弥太郎とメタルシルバーは万能ですが何でも出来るわけではありませんし、最強でもありません。
ですが、正義を貫きます