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好きな子に【好き】と正直に相手に言えたら? なんて幸せなんだろう!

作者: 七瀬





“好きな子に【好き】と正直に相手に言えたら? なんて幸せなんだろう!”



僕の好きな女性は? “父親が再婚した女性の由美香さん。”

父親より随分下で、僕より少し年上のお姉さん!

血が繋がらない若い母親に、僕は恋をしてしまった。



家に居ると? 僕と血の繋がらない母親が楽しそうに父親と話をしている。

僕はそんな光景を見て、父親に嫉妬している自分を知った!

僕の妹は、若い母親に凄く懐いている。

何処に行くにしても何をして居ても、母親の傍に居る妹。

テレビを見る時は、母親の膝に座り寛いでいる妹は完全に母親にどっぷり

と甘えて、“本当の姉妹のような関係に僕には見えた!”



『ねえねえ、由美ちゃん?』

『なーに、風華ちゃん?』

『今度の日曜日、一緒に買い物に行こう!』

『いいわよ、あなたも一緒に行くでしょ?』

『あぁ、日曜日か! たまには二人に欲しいモノでも買ってあげないとな!』

『リト君も、私達と一緒に行く?』

『・・・ぼ、僕は、友達と遊びに行く約束をしてるから、いいや!』

『あら、そう?』

『まあ、いいじゃないか! 年頃の男の子は家族より友達の方が優先なんだよ。』

『・・・そ、そうね。』

『お兄ちゃん、好きな女の子とかデキたから? わたし達と一緒に行かないん

じゃないの!』

『“なんだよ、リト? 彼女ができたのか?”』

『違うって! 変な事、言うなよ風華!』

『・・・で、でも、』

『リト君の好きなようにすればいいわ! でもいつでも一緒に行きたいと

思ったら? 直ぐに言ってね、私達家族なんだから!』

『・・・ううん、』

『由美香は、リトに甘いよな~!』

『じゃあ、3人で楽しいショッピングを楽しんで来てよ!』

『リトも友達と楽しんで来いよ!』

『うん!』

『リト君にお土産買ってくるわね。』

『うん、ありがとう。』

『お兄ちゃんのバーカ!』

『バカじゃねーよ!』





年頃の男の子が、父親の再婚相手の女性と一緒に買い物なんか

行けやしないよ!

どうせ、父親とイチャイチャするんだろうし......。

そんなの目の前で見せつけられたら? 僕の心が壊れちゃうじゃないか!

“嫉妬” で僕の心が壊れるかもしれない、自信がないんだよ。

妹も母親にベッタリだから僕は家族と一緒に居るけど、、、?

“心がいつも一人ぼっちになってしまう。”






・・・でも? 僕は父親の再婚相手を“母親”としてどうしても見れない!

恋心を僕は父親の再婚相手に抱いているから、母親と見る事がこれから

先も見れないんだと僕は想うんだけどな。






 *






・・・でも? 父親が再婚して2年後、大きな病気になった。

健康診断の結果、【腎臓癌】が見つかったんだ。

父親は? もう末期で、癌細胞があちこち移転して治らないと

医師に言われた事を家族会議の時に僕たちに話してくれた。

これからは抗がん剤と放射線治療を同時にしていくらしい。

できるだけ癌細胞を小さくして、なくしていくというモノ。

その治療は、かなり辛いとも聞いている!

髪の毛が抜け、急激に痩せて細って、免疫力も落ちる。

だから家族みんなで、父親を支えて行こうと決めたんだ!

母親も妹とも僕も、出来るだけ父親の傍に居るように心掛けていた。




『お父さん! 本当に大丈夫なの?』

『あぁ、大丈夫! 絶対に良くなるからな!』

『うん!』

『“私も出来るだけあなたの傍に居るわ。”』

『あぁ!』

『“家族みんなで支え合って頑張ろうね!”』

【うん!】






・・・父親は癌を治すために随分と頑張って治療も受けたけど?

それも虚しく、たった3ヶ月で亡くなってしまった。

母親は相当、父親が亡くなった事がショックだったのか?

家に籠ってしまった、僕も妹も母親を心配して出来るだけ一人の時間を

取れるようにしていたんだけど?



ある日、母親が部屋から出てきて僕と妹にこう言ったんだ!



『“もうお父さんは居ないけど? これからはお母さんがあなた達の傍に

居るから、3人で頑張って行こうね!”』

『うん!』

『・・・・・・』

『ルト君、ごめんだけど? “これからは男はルト君だけだから一緒に

家族を支えてほしいの! いいかな?”』

『・・・ううん、』

『良かった。』

『これからは、3人で支え合っていこうね!』

『あぁ!』

『うん。』







・・・その後、僕はキッカケを見つけられず! 

血の繋がらない母親に、【好き】だと一度も言えずにいる。

好きな子に【好き】と正直に相手に言えたら? なんて幸せなんだろう!

僕はもう彼女に自分の気持ちを言う事はないだろう。

何故なら? 父親が亡くなって3年経っても、母親は未だに父親の事が

忘れられず好きだからだ!

それが分かっただけでも、僕も少しは大人になったんじゃないかと思う。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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