あの世
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プロローグ この世
「臨時ニュースです。関東地方に地震と津波が襲いました。震源地付近では震度?弱、死者は推定で八百万人にものぼるとみられています。では被害状況をご覧下さい…」
一章 あの世
「どこだ…ここは?」
気がつくと真っ黒な世界に横たわっていた。
辺りを見回したが何もない。着ているはずの服すらも…
「俺は一体…?」
必死に何が起こったのか思い出していた。
[大地震があって津波から逃げて…それから?]
[津波に…飲み込まれた…?]
そう思ったが声を出して否定した。
「いや、まさか、それは無い。ちゃんとしっかり生きてるし……え?」
[体が透けてる!?]
体を通して黒い世界が見えていた。
頬をつねったが痛みはない。いや、そもそもつねれていない。
手が自分の頬を通過していた。急いで手をあわせてみた。
[え!?]
右手が左手を通過した。
「夢だ!これは現実じゃない!」
半分狂ったように叫び続けた…。
ニ章 創造
死を薄々受け入れた男は疲れきった顔をしていた。
[眠い…]
そして、そのまま眠りについた(正確には目をつぶった)。
子供の頃遊んだ公園を思い出した。
[懐かしいな…。よく遊んだな。]
ふいに風が吹いた気がして目を開けた。
[え?ここって…]
昔遊んだ公園そのものが目の前にあった。
[な…何で?]
自分が死んだかもという事を忘れた。驚きと戸惑いがそれを越えたからだ。
しばらくそれをじっと食い入るように見ていた。しかし、ようやく冷静を取り戻し、ゆっくりと近づいて行った。
滑り台にそっと触れてみた。
[さわれる!何で!?]
そう。手にはしっかり滑り台の感触があった。
慌ててまた手を合わせてみた。しかし擦り抜けてしまう。
[あれ!?]
また滑り台に触れる。やはり触れた感触があった。
[どうなってんだ!?]
再び冷静を無くした。
しかし、もう一度心を落ち着かせて、ブランコに乗り考えた。
[俺は最初何もない真っ黒なところにいた。それからこの公園を想像した。そしたらここに公園があった。…いや、できたのか?]
[つまり、この公園は俺の想像からできた…ってことは…もしかして!]
男は自分の実家を想像した。
瞬間、周りがある部屋に変わった。
[俺の部屋だ…]
そう、想像した所に行けるのだ。部屋を出て親を探した。
[おかしいな?外出するような人じゃないのに…]
いない。外に出て見回したが人の気配がしない。他の家にも誰もいない。
『わたしの生命があった場所ではない。自分が創ったのだ。』
いきなり頭の中に声が響いた。不思議とその声のぬしが自分だとわかった。
「俺が…創った?…え?…何でだ!?俺は…」
『死んだよ。』
三章 現実
『自分でもわかってんだろ。』
また声がした。
「何で…どうして…」
『津波に巻き込まれて圧死。諦めろ。どうあがいてももう意味がない。』
「嘘だ!俺はまだ死んでなんか…」
『うるせえ!現実をみやがれ!どうせ人は死ぬんだ!早いか遅いかの違いだ!おめぇもわかってんだろ!』
『それでも信用出来ねぇんならこれをみやがれ!』
いきなり周りが人で溢れかえった。そして、実家にもどると母親が泣きながら電話をかけている。テレビを見ると、「繰り返します。関東地方に地震と津波が襲いました。震源地付近では震度?弱、死者は推定で八百万人にものぼるとみられています。では被害状況をご覧下さい…」
エピローグ そばにいる
男は母親にふれようとした。しかし、通り抜けその瞬間、自分が死んだというのを理解した
男はその場にくずれ泣き出した。
となりで母親は自分の名前を叫んでいる。…隣に、すぐ隣に息子の魂があるのに…
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