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恐怖な部屋と謎の美少女

次に目を覚ましたとき、そこは薄暗い部屋であった。

信二はすぐに自分が拘束されていることに気づいた。手足を鎖でつながれているのだ。さらに、首には何か機械のようなものが取り付けられていた。

「ここはどこだ?」

彼はつぶやいたが返事はなかった。部屋の中を見わたすが、目が暗闇に慣れておらず足元しか認識出来ない。しばらくすると、扉が開く音が聞こえてきた。誰か入ってきたようだ。その人物は明かりをつけるとこちらに向かってきた。信二は、その人物の顔を見て驚いた。それは、麻袋を被った大男であった。オーバーオールを身にまとい、手にはのこぎりを手にしていた。

「あfすsgげrstえsr?」

大男は、信二に話しかけてきたが、言葉がわからない。外国語かとも一瞬思ったが、その考えは一瞬で消えた。

大男の麻袋は口元辺りがボロボロになっており、隙間から見えた”口”と思われるものは、大きく裂けていた。裂け目から見える生えた歯はげっ歯類の様大きく茶色がかかっており、一目で、異様な存在だと認識した。彼は話したくても話せないのだ。「お前は誰なんだ……」

信二の言葉に反応するように、大男が近づいてくる。一歩ずつ近づくたびに恐怖を感じた。そして、大男が目の前に来ると、信二の前にしゃがみ込んだ。

「ひっ」

思わず悲鳴を上げる信二だが、大男はお構いなしに歩を進める。右手に持ったこげ茶の錆がついたのこぎりはいびつに歪んでおり、所々にはどす黒い固形物がこびりついている。

「だっ誰か誰かいないのかっ!」

信二は震える歯を必至にこじ開け大声で呼びかける。

「kdhgふぁjcvp:wl@mxbzkdgt」

大男は信二の言葉に反応し応答したかのような反応をみせるが、それは答えになっていない。

信二は手錠を壁に必至に叩き付けだした。神の救いを求めるかのように手錠の破壊を試みたが、手錠は壊れず代償に手首は青く腫れはじめた。だが、代償を払ってでも数パーセントの可能性を信じ手錠を叩き付ける。

そんな信二の行動に対し大男は冷静そのものだった。信二が必死に暴れる姿を見て楽しんでいるようでもあった。

「助けてくれ……」

信二は力なく呟いた。

「…………」

「頼む……」

信二は泣きながら叫んだ。

「……」

「なんでもするから……」

「……」

「わかった。もう抵抗しない。好きにしろ」

「……」

信二の懇願を無視し、大男はのこぎりを振りかざした。

「うわあああっ!」

信二は絶叫を上げた。再度信二の意識は薄れていった。次に目覚めた時、信二はベッドの上に寝かされていた。

「夢……だったのか?」

先ほどまでの光景が嘘のように思えた。しかし、首に付けられた装置が現実であったことを教えてくれた。どうやら気を失っている間に運び込まれたらしい。この部屋に窓はないため、今は、何日なのか、場所すらもわからない。だが、一つだけわかることがあった。


声がおかしい。


信二は高学年頃には変声期を迎えていた。周りの子よりも早く迎えた為、よくからかわれた思い出がある。にもかかわらず現在の声はとても高く子供の様な声だった。

「なっなんだこの声・・」

思わず、首辺りを触り異常がないか確かめる。が、おかしい。喉仏が見つからない。それに手も変だ。小さくなっている。さらに、身体全体が小さくなったように感じた。

「一体……俺はどうなってるんだ?」

不安に押し潰されそうになった。

「誰か……誰でもいい……俺を助けてくれ」信二はつぶやいた。

信二の願いが届いたのだろうか、扉が開いた。そこには、白衣を着た中年男性が立っていた。「気分はどう?」

「……」

信二は警戒心を高め、睨み付ける。それを見た中年男性は、はぁ。と中年男性はため息をついた。

「何でもいいから喋ってくれないかしら?私は君のドクター。君の助けになるよう仰せつかったのよん。」

「ドクター?俺は病気なのか?健康診断でA判定以外を受けた事がない俺がか?何の病気か言ってみろ。ヤブ医者。」

信二は独身ではあったが、健康面には常に気を付けて着た。食事は自炊でヘルシーなものを重点的に取り、会社終わりには必ずジムに通っていた。

そんな自分が病気を持っていたなど、有り得ないと断言出来る為、煽る様に両手を突き出し根拠を見せろと罵る。

自称ドクターは再びため息をこぼし、寂しいそうな声で答えた。

「君は病気じゃないわ。そして前の姿でも無い。今君は可愛い女の子なんだから、そんな汚い言葉使ったらおじさん悲しいわ。」



何を言っているんだ?

信二の思考が一瞬停止する。女の子?誰が?誰の?俺が?違う。違う。違う。違う。おかしい。きっとこいつは異常者だ。そうだ。そうに違いない。

ここはきっと何かの宗教団体の拠点なのだ。そうでなければ意味が分からない。信二は現状を整理する為に、そう”解釈”した。

「あの、宗教など興味なんで。私を誘拐や、監禁した事は誰にも言わないから、帰してくれないか?」

「宗教?何の話?誤解をしているようね。うーーん。そうだ、これを見なさい。」

そう言って自称ドクターは鏡を取り出し差し出してきた。信二は恐る恐るそれを手に取りゆっくりと目を開ける。


そこには、可愛らしい少女が映っていた。


しばらくの沈黙が続いていたが、チラッと横目を自称ドクターに向けると、親指をたて、はにかんだ男がいた。


まさかのホラー展開でごめんなさい。。


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