表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/25

はじめに

 これはアニメーション映画(作品の自称に従えば「連作短編アニメーション」)「秒速5センチメートル」(2007年公開、新海誠監督、コミックス・ウェーブ配給)の全シーンに注釈を付すことを試みるものである。作品内の他のシーンとのつながり、あえて語られたり示されたりしない要素、現実との関係等について補足する。

 映画としての「秒速5センチメートル」は3話構成の作品で、それぞれ異なる現実的な場所を舞台としており(第一話と第三話はかなり近いけれども)、その写実的な描写から、多くの場面で容易にモデル(あるいはロケ地)が推定できる。そういった形で作品と現実との結びつきは、どの程度意図されていたのかは別にして、観る側としては特別な楽しみとなっている。同時に、あえて現実と相違させられている部分に注目することで、制作の姿勢について何らかの解釈の助けになる情報も得られるかもしれない。

 本注釈においては、以下の方針とした。


①基本的に、Blu-ray版を元に本注釈を作成した。

 シーンを示す時間やチャプター名等も、Blu-ray版に準拠する。なお、チャプターより細かいシーン名は、筆者が便宜的に付した。また、シーンの区切りについても筆者の独断による。

 筆者が所有しているDVD版とBlu-ray版を鑑賞した経験の限りでは、画質等以外には媒体による内容の差異(シーンのカット、追加、修正、差し替え等)は一切存在しないと思われるが、未検証である(同時に並べて鑑賞するといったことはしていない)。時間表示についても同様となる。

 なお、筆者は劇場公開時やその当時の配信サービスでは鑑賞していないため、それらのバージョンとの差異については不明である。


(二〇二二年十月十九日 追加)

 なお、同監督の新作の公開に合わせてか、二〇二二年十月に本作がIMAXにて劇場公開された(「君の名は。」、「天気の子」も同じく)。筆者が鑑賞した限り、(音響、本編前後の東宝やIMAXのクレジットなどの点を除いて)ビデオソフト版と内容は一切変わっていないように思われた。


②本作については、監督である新海誠による小説版(ハードカヴァーおよび文庫)、および清家雪子による漫画版(原作新海誠、全2巻)が存在する。共通する時系列の部分のあらすじについては全て同様だが、細かな点まで含めると、差異は多数に上る。さらに、それぞれの描写が厳密には合致しない箇所も多い。このため、映画版以外について取り上げるのは、主に直接的に映画版の内容の理解を補足するような点についてなど、限定的に言及する。特に漫画版は、単行本第一巻の発売が2010年と、作品公開からかなり時間が経っているため、ほとんど二次的なものと言わなければならないかもしれない(ただし、漫画版独自の内容の部分以外については、概ね、むしろ小説版よりも映画版に忠実に思われる)。

 また、映画のサウンドトラックや、過去何度か行われた「新海誠展」の展示内容についても述べることがある。


③現実との対応については、筆者の訪問経験による情報が含まれる。ただし、最初に訪問した時点ですでに作品公開から数年が経過していたことや、取材の不足などによって、網羅的とは言い難い。舞台を探訪したブログ等は多数存在するが、それらは基本的には参照していない。ご興味のある向きは、すぐに見つかるのでご覧いただきたい。

 また、訪問に関して筆者が責任を負えないことから、具体的な場所等について言及を差し控える場合もある。


④当然ながら、本作の完全なネタバレが含まれる。未鑑賞の場合はご注意いただくようお願いする。

 また、作品の感想、評価といった観点からの記述はできるだけ避ける。描写されているものについて、情報を補足するのが主な目的だからであり、本作は筆者にとっては大好きな作品だが、その認識についてもなるべく述べないようにしたい。

 関連して、本注釈では、基本的に本作そのものや関連作品、舞台となった土地等、直接的な情報源のみを使用する。


⑤特に数字の文字使いについては、作品内の描写などを引用する際はそのままの表記を使う。

 それ以外は、注釈本文では基本的に漢数字を用い、チャプター番号やシーンに便宜的に付した番号、時間表示、関連する作品の発表年などを示す場合には算用数字とした。


(二〇二四年十月二十五日追加)

⑥本作の台本と思われるものを見る機会があったため、重要と思われる箇所について、その内容に言及した。ただし、実のところ、その「台本」の素性は確かではない。本物だという確証もないし(それらしくは見えるが)、また、本物だったとしても最終的に使われたものかどうかは不明である。

 この台本については、「終わりに」も参照していただきたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ