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一〇〇 魂のゆくえ 8/8

 船越のある漁師が仲間と共に吉利吉里きりきり(地図では吉里吉里、大槌町、船越の半島から南西に8キロほどで太平洋に面しています)から帰ろうとして、夜深くに四十八坂(船越。吉里吉里から船越の半島の付け根までをおよそ6:4に内分する地点にあります)のあたりを通っていると、小川のあるところで1人の女に会いました。

 みれば女は漁師の妻でした。

 しかしこんな夜中に1人でこんなところに来るはずが無いと思い、つまりこれは化け物であると悟って、頭に血が上り魚切包丁で後ろから刺し通せば、それは悲しげな声を立てて死亡しました。

 しばらくしても死体は正体を表さず流石に心に不安が生じて、後の事を連れに頼んで、漁師が走って家に帰ると、妻は家で待っていました。


 しかし妻は

「恐ろしい夢を見たの。あなたの帰りがあまりに遅くて、夢の中であなたの帰り道を歩いていると、山道で何者かに殺される!…というところで目覚めたの」

 と言いました。

 漁師は合点が行き以前の場所へ引き返してみれば、山で殺した女は連れが見ている時に1匹の狐になったとのことでした。

キリというのはアイヌ語で足だそうです。これが地名の由来かは分かりませんが、吉里吉里の付近はリアス式海岸で足のように見えなくもありません。

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