王は森に行くつもり
よろしくです。
目が覚めた。
ここは・・・うん。ベットだ。
おそらく書斎で寝ていたのを発見されてここまで運ばれたのだろう。
外を見ると目が覚めていた時は青かったのにもう赤色に染まっている。
良く寝たな。
そう思い、魔法の反復練習をする。よし、問題なくできるな。相変わらず雷と氷だけだが。
今言うが、もっとたくさんの属性を扱えると思っていただけにショックは大きい。
まあ仕方がないっちゃ仕方がないのれにしても、人の所持属性が平均いくらなのかわからない以上二つといっても喜ぶわけにはいかない。
何も、物語が正しいわけではないからな。
後で本を読もう。
この子育てタイムが終われば。
「アリオスちゃんしっかり食べるのよ。しっかり食べないと大きくなれまちぇんよ。」
つ、つらい。この時間が何よりの苦悩である。
何としても、私は屈しない。
5年後・・・・・
あぁ、そういえばそんなこともあったな。
現在6歳。やっと一人で森に入るのが許されたころである。
念願のこの日がついにやってきた!
あの日、母の子育てタイムを耐えたのも、あの日、両親の情事を見て見ぬふりをしたのもすべてこの日で報われる。
やっと、中級以上の魔法が練習できる。
これまでは外に出ても庭だとか、お友達の家だとか、公園だとか・・・・
どこも好きにものが壊せないのだ。
なのでこの5年間、ひたすらこの日を夢見て魔力操作を所持属性のイメージをしたのも、魔法の書を世読みまくり理解を深めたのもこの日のため。
さあ、いざ念願の森へ。
のはずだった。
「アリオス、どうしたのそんな顔して。気分でも悪いの?」
「そんなわけないじゃない、あの冷たいアリオスよ。そんなはずないわよ。」
こいつらは、俺の幼馴染どもだ。
将来有望そうな気の弱めの美少年のレウス、勝ち気でうるさく口の悪いユーリ。
別に、レウスはいい。
でも、ユーリは嫌だよ。邪魔だし。
別に二人が弱いとか才能がないとかじゃない。
むしろ二人とも同世代の中じゃかなりの才能マンたちだ。
だが、俺は生憎おままごとや初級魔法の練習がしたいわけじゃない。
魔法だよそれも中級魔法。
しかも何かが起きそうな気がするんだよな。
ちなみに俺の予感はこれまで悪い方向でしか当たったことしかない。
これはまずいな。