×人前。
自分が料理をするからなのかも知れないが、ずうっと疑問に思っていることがある。
【●人前】
とは一体何を目安にしているのかという事である。
料理のレシピを見ても、肉××グラム、ピーマン×個などと書いてあるが、大抵の料理やレトルトの具材など、大人が4人で食べるにはちょっと少ないのではなかろうか(ほら、大抵4人前だから)と思う量が完成する。
幾つかある料理の中の1品であれば理解できるが、
「一人頭50グラムほどの肉と少々の野菜で作られたカレーが大人の腹を満たせると思うのか? そこのボーイよ支配人を呼べえ!」
と心の海原雄山が物言いをする訳だ、私の場合。
いやいや待て待て。
だが大人4人前とは書いてないのだ。
「※効果には個人差があります」
とちっさーく書いてあるような怪しげなダイエット薬みたいなもので、いや実際大人4人で食って満腹したんでさぁ旦那、などと言われれば大人の個人差の範疇に入ってしまう。
まあ、レシピのところに
「食べ盛りの小学生2人とパパとママで4人前」
「引きこもりの35歳(男)と老齢の両親とヨイヨイのばあちゃんで4人前」
と余りにも具体的に書かれ過ぎると、日本人は無駄に几帳面な所があるので、
「引きこもりはいるけど45歳だし、ヨイヨイのばあちゃんもじいちゃんも既にいないわどうしよう」
「うちは小学生と高校生なんだけどついでに人参入れると激おこなんだけど量が変わるとどうなの」
等とカレールー売り場で悶々とする主婦層が増える可能性があるので、曖昧に4人前(※量には個人差があります)とかにしておいた方が無難なのだろう。
……という事をかなり昔に学んだ私は、目分量とフィーリングと味つけへの祈りだけで何とかする術を体得した。意外と何とかなるものである。
私には几帳面さという多くの日本人が持っていそうなものは全くない代わりに、ガサツで大雑把だが細かい事にはこだわらないというおおらかな心を持つので、4人前が4人前じゃなくても、2人前が2人前でなくても適当に伸ばして広げて何とかする。
今は独り暮らしなので、カレールーなども半分で4皿分とかあると、いつまで食えと? とむしろ量が多すぎる問題が起きるのだが、レトルトではないマイカレーを食べたい時なので、敢えて4皿分作り、1杯は美味しく頂いて2回分は冷凍し、1回分はめんつゆで伸ばしてカレーうどんにという流れにしたりする。
店にある一人分パックみたいなモノが自分では物足りない、または多すぎるという時は、結局のところ自分で好きなように作るしかないのだろう。
だが1つだけ訴えたい。ミートソースの2~3人前というレトルトは確実に少ない。かっすかすのミートソースパスタなんか美味しくも何ともないぞー。




