夢と幻想。
朝の涼しさにフラットになっていた心電図も徐々に脈が出てくるようになり、
「……先生、来栖さんの脈が戻りました」
と看護師さんが舌打ちするほどの強靭な生命力を見せつける秋。
天気はね、イマイチ雨が降ったりしてあれだけども、今年は台風もろくに発生しないまま冬に入りそうじゃねえですか旦那。これは吉報でさあね。
ありがたやありがたや。
仕事が暇な時にはメモ用紙にこそこそとプロットを書きまくっているこの頃。
ワシに千手観音のように手があれば同時進行で書きたい放題なのに、と思いつつ家に戻ってパソコンにデータを入力したりしている訳なのだが、脳は出来のよろしくないのが1つしかないので、手だけ増えても意味がない気がするが、マルチタスクなワシという自己満足だけは得られるので悪くない。
しかしもう3ヶ月もせん内に年末である。
今年は結構頑張って書いたつもりなのだが、思っていた量ではなかった。
人間、活動できる時間は有限なので、出来る間にやれるだけの事はしとかんと。いつボケたりポックリしたり事故って異世界に行くか分からんもんねえ。
異世界……転生してみたいもんだなー。
チートとかなくてもいいから魔法とか人外さんとかいるような世界に行けたら楽しそうだ。
少なくともあの世というざっくりした曖昧な世界観よりよほど私には魅力的だ。夢があるよね。いや妄想か。
だが、夢と妄想の区分けはどこでつけるのだろうか。
どっちも現実味が薄い気配を漂わせているのだが。
うーむ。
ちょっとググってみた。
基本大した違いはなさそうだが、どうも「努力すれば叶う(かも知れない)事」は夢であり「不健全・不道徳な事」が含まれる事が妄想と呼ばれる事が多いらしい。
そう考えると、ファンタジーの世界で第2の人生を生きてみたい、人外さんとひゃっはーしたいという私の考えは妄想なのかも知れないが、
「金持ちになって女を侍らせたい」
「光源氏のように幼女から引き取って育てて食べ頃にぱくりとしてみたい」
「若いイケメンとイケオジを手に入れてキャッキャウフフしたい。BL展開も可」
などという、努力すれば叶うかも知れないがこれは不健全・不道徳とは言わんのか? という自称夢というのもあるので、やはり妄想との区別は付けにくい。
それに加えて夢想・幻想・空想などという血縁ワードもあるので、ここは敢えて決め打ちしない方が良いかも知れない。
私の場合は、
「作品を本にしてもらって絵師さんに絵をつけてもらい不労所得を得る」
が実現可能な夢であり(叶うとは言ってない)、
「異世界で絶世の美女として生まれ変わり、浮気もしない一途なイケメンからモッテモテになって楽しく生きる」
のが妄想・幻想の類いっつうコトだな。
うん、大丈夫。
まだ病院には入らなくて良さそうだ。




