人間いつかは成長すると思いたい。
もったいないオバケが常駐しやすい私の家は、放置すると2度と使わないだろう小綺麗な包装素材やら、くたびれきったけどまだ使えると言う室内用のヨレヨレのTシャツやジャージ、おパンツなどが溜まる。
先日、少し処分品の整理をせなあかんとゴソゴソしていたのだが、以前もらったプレゼントのリボンが出てきた。チョコレート色のとてもシックで大人っぽい上品なモノである。
結構な長さがある。2メートル位はあるだろうか。
きっと使いはしないだろうに、いつか使うんじゃないかと溜め込むのが貧乏性の性分である。
ポイすべきだ。
心はそう思う。
ただ1年以上私のパーソナルエリアに保管されていたのに全く使いもせずに捨てるのはどうにも納得がいかない。
ふとキッチンを見る。
菜箸が目に止まる。
テーブルを見る。セロハンテープがある。
使うしかあるまい。
作業3分で出来たモノは、新体操のリボンの演技で使うようなアレである。菜箸だけど。
しゅるしゅるしゅる、と動かすと、本当に新体操の演技をしてるような気分になりテンションが上がる。いや上がるだろう。
そして、「ふふんふーん♪ふーん♪」といいながらちょっと踊ってみる。
あれ、リボンの選手になれんじゃね私?などと意外に綺麗にまとまるリボンの動きに更にテンションが上がる。
たらーん♪、と手を振り上げたところで棚に腕を強打し、涙目になる。
そして、メソメソしながらその日のお片付けは終了である。
ていっ!、とリボンをゴミ箱に投げ入れる。
自分の腕のアオタンと引き換えに『未使用』のレッテルは剥がせたが、むしろそのまま廃棄してしまえば自分の被害は最小限だったと思うとちょっと切ない。
私はいつになったら危機回避能力がレベルアップするのだろうか。
少年探偵風に言えば、【体はオバチャン頭脳は子供、発言行動みなオイチャン】である。
いかん、人として一番ダメな進化に進んでいる。反省反省。
よし、反省したからいいだろう。
人間は反省出来る生き物である。
しかし反省しても私の自損事故率が下がらないのは何故だ。




