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小説を書くって大変だ。【2】

 作家さんの話の作り方は、何通りかあると思われる。



 キャラクター、設定、ストーリーを全部キッチリ考えて、プロットを起こしてから書き始める人が一番多いのではないかと思う。


 いわゆるまず設定、ストーリーありきの方である。


 勿論、ミステリーを書く方なんかはそうでないとお手上げだろう。

 細かい世界観を表現したい方なんかも当然そちらの側の人ではないかと思う。



 そして、ミステリーも細かい世界観も読む側であって書く側ではない私はというと。



 大まかな話やゴール地点を決めてはいるが、ストーリーに変動幅がある。


 つまり、キャラクターが動くのを眺めながらストーリーを考える人であり、キャラクター至上主義なのである。



 これは個人的な価値観なので、他の方に押し付けるつもりなど毛頭ないのだが、私はどんなに話が面白くても、主要なキャラクターを好きになれないと最後まで読む気力が湧かない。


 複数で喋ってるシーンだと、誰が何言ってるか解りにくいほど印象の薄いキャラクターばかりの作品も同様である。



 ようはキャラが立ってないと、感情移入がしづらい訳である。




 私も当然まだ書き出して1年ちょい。

 素人に毛が生えたレベルである。


 始めたばかりの1年前など毛も生えてないド素人。

 

 まあ誰でも最初は素人である。(前向き)


 文章力は書いてるうちに少しずつ上達するとしても、私が何よりも重要視したのはキャラクターである。


 個性のこゆいキャラクター。




 キャラクターを沢山出しすぎるのはある程度書き慣れるまで止めよう。


 そしてなるべく個性の強い、だけど受け入れられやすい主人公にしよう。


 読んだ人が、これは誰が喋ってるか一発で分かるような主要キャラクターを考えよう。


 もうまずはストーリーそっちのけである。



 異世界転生モノが好きだったので、異世界転生したお姉ちゃんが、飯テロでもしながらのほほんと暮らしていく話にするべ、という本当にざっくりとした概要だけ考えて、後は主要キャラクターを黙々と考えた。


 それが初めての作品、「異世界の皆さんが優しすぎる」である。



 食べ物や料理に異常なまでに貪欲なせいで、チートな力もほぼ調味料と食材探しに全振りする程行動力ある割に小心者なハルカと、さっさとチート与えて帰ろうとしてたクセに、ハルカの料理と人柄に興味が湧いて、自主的に休暇を取って行動を共にする妖精のプルちゃんとプルちゃんのお手製チート猫のトラちゃん、最初は食べ物に釣られたけど惚れてしまったので、ハルカの店でバイトまでしながら何とかモノにしようと企む第3王子クラインなど、キャラクター作りの方が楽しかった。


 本なら4、5巻まで行くほどの長さになった小説を無事完結出来たのは、読者様が居てくれたからである。


 初めての拙いところも多い小説でブクマが4000件を越えたのが一番嬉しかった。




 そして、私のもう一つの性格が小説を書くごとに顕著になる。


「長くなればなるほど、どっかで笑いを取りたい」


 この事である。


 読んだ人の口角が無意識にふわっと上がるような話が書きたいのである。



 結局のところ、コメディー要素が好きなのだろう。



 ずーっとシリアスで居続ける事が出来ないので、真面目な話を書くには致命的に向いてないという自覚がある。


 だから、私は恋愛モノでもコメディー要素を取り入れたモノが書きたかった。



 「皆やさ」は、恋愛要素はあるのだが後半まで希薄だったので、ちょっとガッツリ恋愛モノでも書くべか、と思って書き出したのが「土偶と呼ばれた女は異世界でオッサンを愛でる」である。



 美醜逆転モノは好きなジャンルなのだが、いくら逆転でも主人公が余りにも不細工なのは、ヒーローとの絵面を想像すると少々頂けないので好きではない。



 顔はあっさり大和民族な地味顔で、性格は濃厚腐女子のリーシャをヒロインにして、人外の美貌の騎士団隊長(この世界では超不細工)とのラブコメディーを創ったのだが、これが結構気に入って下さった読者様が何人もいらっしゃって、番外編でもいいから書いて欲しい、出来たらR18的なモノもあるとよりマーベラス、等と直接メッセージを二桁程の読者様から頂いた。


 正直とても嬉しかった。


 私の作り出したキャラクターが、わざわざメッセージを送りたいと思って貰えるほど好感を持って受け入れられているのだ。嬉しくない訳がない。



 私も「そんなに喜んで頂けるなら書きますぜダンナ、うへへ」と調子に乗って、ムーンライトに引っ越して10話位の延長のつもりで番外編を書き出した。


 だが、これはキャラクターが勝手に動き出してしまい、4人の子供たちも増えてしまい、あれよあれよと135話までうっかり書いてしまった。


 なろうでの本編が33話で完結してるのにである。番外編の名目でなんで100話以上書いてるんだろうか私。意味がわからん。


 もう第二部という扱いでいい気がすると読者様に言われて私もそんな気がしているところである。


 その上、R18部分がちゃんと調べてはいないが、1~2割程度の割合しかない。


 あとは本当にイチャイチャしてたりファミリーのほのぼの話だったり王族ホイホイの娘たちの話だったり、なろうでも良かろうというレベルだが、一応エロいところはしっかりエロいので、ムーンライトへのお引っ越しは正しいと思われる。

 


 そして、そんなエロの少な目な『土偶』のR18版だが、せっかく頑張ってエロいのを書いたのだから、とeロマンスロイヤル大賞というモノに応募してみたら、最終候補の五作品まで残ってしまった。


 恐らく来週位には結果も出ていると思うが、万が一何か賞が取れたら書籍化である。


「何年かやって本が出たら楽しいねえ」


 などと姉ちゃんと言ってたら、本当に可能性が出てきたのである。そらテンション上がったり挙動不審にもなろうと言うものである。



 だが私はいい大人である。

 ここで冷静に判断することが可能である。



 私の作品は、ロマンス要素が少ない。


 何せ話の8割がコメディーみたいなものである。


 そして残りの4作品は、ロマンスがミニス●ップのバニラソフトばりに濃厚である。もうハートがあっちこっちで飛び交っている。



 

 ………いや、ワシの話じゃ無理じゃね?

 ただの賑やかしじゃね?




 大人の判断力ではそう思う。


 ただ、私の話は候補作の中でぶっちぎりで長い。


 連載が続いているので、発表後に審査員の方が最後まで読んでるかどうかは不明だが、少なくともこんな長い話でも最終候補に残しても良いと思って頂けたのである。


 審査員の中に、面白いと思って下さった人がいると言う事である。

 面白いと思って下さった人がいると言う事である。


 大事なことなので2度言ってみた。



 ワシ、頑張ったやないか、うん。



 編集とかのプロの方にちっとでも面白いと思って貰える作品が書けた。


 勿論、読者様もどこかが面白いと思って下さってるから読んで貰えてると思う。

 こちらも有り難い事にブクマが4000件越えている。


 周りに読んで貰おうとしても、友達少ないし10人も読んで貰えないだろうに、ネットで出すと4000人以上も読んで下さる方がいる。なんて素晴らしい事だろうか。



 つい気が緩むとリーシャのようにオイチャン化する私だが、この一点については自分を褒めてやってもいいような気がする。ハラショーハラショー!!




 少しだけ創作能力がレベルアップしたような気までするではないか。

 勘違いでも良い。人間思い込みも大事。



 もう別に受賞出来んでもええやん、最終候補までいったんだし立派立派、とぼんやり思ったのだが、私の姉ちゃんが、


「万が一受賞したら焼き肉をご馳走してやろうではないか。本も買ってやろう」


 と確約してくれた。





 えーと、あの、すみません、審査員様。


 私ウソついてました。


 やっぱり賞が欲しいです。







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