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(15)私とミミと秘密のおまじない
……おまじないって漢字で書くと『お呪い』だよ。やめなよ。
「やだ」
ミミは私の言うことなんて聞きやしない。ぎらぎらした目で、アンティークな革表紙の本をめくっている。
図書室で見つけた、ほこりだらけの本。棚の裏に落ちていた本の表紙には『秘密のおまじない』と書かれていた。
「これ最高だもん。……嫌いな人間を消すおまじないとか、書いてあって」
ミミが口元に手をあてて、醜い笑顔をはんぶん隠した。
駄目だよミミ。
お呪いは、返されるときもあるんだから。
嫌いな人間を消すお呪いなんて……はね返されたら、自分が消えるんだよ?
「もう図書室を閉めますけど。またミミちゃんひとり?」
「え?」
私みたいに。
お題元Twitter@Tw300ss様『書く』




