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(12)地獄への道は善意で舗装されている

 ××君という曲がったことが嫌いな男の子がいた。

 ××君はよくひとりで小学校から帰っていた。

 ある日、寂しそうな女の子を見つけた。

 色白で髪が長い子。その子は古い家の二階から外を見おろしていた。

 ××君はつい声をかけた。

「君、ひとり?」

「………」女の子は頷いた。

「家のひとは」

「………」女の子は首を横に振った。

「……大丈夫?」

「……こっち来て」

「待ってて」

 ××君は女の子をカテイカンキョウが悪い子だと思った。

 そして女の子の家に入って、その子が化物と知った。

 チョウチンアンコウ――窓から見えていた女の子は、巨大な蜘蛛の足だった。××君は食べられた。


 だから寂しそうな子がいても、子供は知らない家に行ってはいけない。

お題元Twitter@Tw300ss様『窓』

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