執筆地獄スタートその2
遅くなりました。ごめんなさい。
監禁生活四日目。
コノ日ノ俺ハハッピーな気分ダッタ。
ハッピーな気分ダッタノデ、執筆ニ関スル案モ出タ。新刊ハJSヲ監禁スル話デイコウト思ウ。
食事ヲ運ビニ来タ担当ニコノ話ヲシタトコロ、『先生、倫理観というものはご存知ですか?』ト言ワレタ。ナゼダ?
結局、JS監禁案ハ却下サレテシマッタノデコノ日モアイデアハ何モ出ナカッタ。
監禁生活五日目。
昨日の俺はどうかしてた。多分この不気味な部屋が原因だろう。じゃなきゃ、JSを監禁なんてふざけた案が出るわけない。
JSを傷付けるなんてJS愛好家としてあってはならないこと。当然監禁なんて論外だ。
俺は冷静になった頭でネタを考える。個人的には『監禁』というワードは悪くないと思う。
「――というわけで、JSではなく主人公の武が監禁される話でいこうと思うんだが、どうだ? ちなみに監守はJSで」
「流石は先生ですね。まさか私の予想の斜め上を行く発想はするとは……」
「はっはっは。そうだろそうだろ?」
食事を運びに来た担当に思いついたネタを話してみた。結果は予想通りの好感触。
この日はようやく何を書くべきか決まった。この部屋を出る日も近いだろう。
監禁生活六日目。
今日からやっとまともに執筆に取りかかれる。
JSに監禁されるという内容は、俺のやる気を嫌でも高まらせた。
「ンホオオオオオオオオ! 興奮してきたああああああああ!」
担当に気が触れたのかと心配されたが考えてもみてほしい。JSに監禁されるなんて最高のシチュエーション、昂らない方がおかしい。
「うっひゃっひゃひゃっひゃ!」
この日は調子が良かったので、いつもより長い時間ノートパソコンの前にいた。
監禁生活七日目。
今日も誰かが奇声をあげたが気にしない。そんなことより執筆だ。
この監禁生活も一週間になるが、大分余裕が出てきた。おかげで、天才的なアイデアを閃いた。
この監禁生活も執筆に利用すればいい。今書いてる内容も監禁に関するものなのだから、使わない手はないだろう。
「……何か興奮してきたな」
この理不尽な状況もJSの手によるものだと考えれば悪くない。むしろ興奮する。
だって考えてもみてほしい。JSとの監禁プレイなんて、お金を払ってもできるかどうか分からない。それを擬似的にとはいえ体感できてると考えれば……もう辛抱たまらん!
この日は今までにないほど調子が良かった。これがJSの力か……。
監禁生活八日目。
昨日の調子を維持できてる。この分なら早くて明日、遅くとも明後日には終わるかもしれない。
監禁生活九日目。
「ついに……ついにやったぞ」
ノートパソコンを前に、口元を震わせながら言葉を吐いた。
「終わったぞおおおおおおおお!」
俺は諸手を挙げて、原稿が終わった喜びに打ち震えるのだった。
食事を持ってきた担当に原稿のチェックをしてオーケーをもらった後、俺は数日過ごした部屋を出た。
監禁生活を終えた俺がまず最初に向かったのは――風呂だった。
あんな狭い部屋に一週間以上も籠り続けていたのだ。流石に熱いお湯が恋しい。
一応担当が毎日濡れタオルを支給してくれたので清潔感は保てていたが、それで満足していたというわけではない。
俺は脱衣場で手早く服を脱いで風呂場に突入する。今すぐにでも湯船に飛び込みたい衝動に駆られたが、何とか抑えて身体を洗う。
「よし……」
ゴクリと喉を鳴らす。眼前には念願の熱々のお湯が広がっている。最早邪魔するものは何もない。俺は湯船に飛び込んだ。
今回は短いですが、どうかご容赦ください。




