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奴隷が主人で主人が奴隷

作者: 青井銀貨

僕は念願の異世界に転移した


今の僕には使い切れないほどの金も一国を凌ぐほどの戦力もある

健康状態も問題ないし信頼できる仲間もいる

もしかしたらハーレムと言えるかもしれない

チートと言える能力もある


けど全然心が満たされない



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕の特殊スキルは「聖杯」


僕が仲間と認め仲間が僕を認めた時に聖杯に水を注ぎ飲むと仲間の能力

が限界を突破するという能力


この能力は凄まじく、とても人間とは思えないほどの強さを得る事が

出来る


これによって金も名誉もドカドカ入ってきた


ただし僕自身は強くならない

仲間の能力が上がるだけだ


今の僕の仲間は全員が奴隷だ


彼らを差別したり、体罰を与えたり、貧相な食事を与えるつもりは無い

そんなことは自分の性格にはまったく合わない。さっきも言ったが金は

使い切れないくらいあるケチケチする気はない


ただ問題がある


奴隷が美形すぎる


僕だって自分の事を不細工と思ってるわけではないが、どう考えても

レベルが違う。周りの人間から見ると彼ら彼女らこそが主役で僕は脇役

に見える


この世界でも物語の主人公は美形なのだ

僕はただの荷物持ちにしか見えない


つまり奴隷が主人で主人が奴隷だ


かといって仲間が僕を見下しているということはない

なにせ彼らは性格も最高にいい。街を歩くときなどは僕を先頭にして

その後ろを歩こうとしてくるが、そんな真似は恥ずかしい


僕が彼らを率いて歩く姿はあまりにも絵にならないのだ

他の人間の「え!?お前が主人なの?」という視線がつらすぎる


正直なところ仲間たちをと別れることを何度も考えた

僕らは目立ちすぎるのだ

だけど僕を信頼してキラキラとした目で見てくれる仲間たちになんと

説明すればいいのかわからない


お前らは美形すぎる、明日からもう仲間じゃない


そんなこと言えるはずもない


悩みを抱えながら今日も眠りにつく


異世界も思ったより楽じゃない


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