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幕間・異なる世界の物語、あるいは並行世界のシナリオの続き


はい、詐欺りましたね‼︎

イチャラブ回になりませんでしたよ‼︎

それどころかシリアスですよっ‼︎

すみません……なんか急に入れたくなったんです……。


という訳で、【注意】‼︎

かなーり重いですよ〜。鬱りますよ〜。

苦手な人は逃げて下さいね〜。


詳しい解説は後書きです‼︎






ミュゼ・シェノアが《邪竜教》と密通している。




そんな噂の所為で、エルドリックは暗部に拘束されてしまった。

ベラーゼとエドワードは、拘束されることはなかったが……エルドリックを人質に取られたことで、身動きが取れなくなってしまっていた。






代々、シェノア家の男児は暗部を率いる立場に就いていた。

しかし、当代のエルドリックはそんな暗部として相応しくない男だった。

暗部を率いる者は、ただ淡々と……任務をこなす機械であらなくてはならなかった。


しかし、彼は情に脆い男だった。

幼い頃から暗部の訓練を受けていたが……エルドリックは、父からも期待はされていなかった。

それに、本来ならば兄がその地位に身を置くはずだったのだ。

兄は優秀な男で、暗部を率いる者として適格者だった。

けれど、事故で死んでしまった。



跡を継ぐのは、エルドリックしかできなくなってしまった。


ゆえに、不適合者であろうとも……エルドリックは暗部を率いる者になるしかなかった。



そんな彼にも救いがあった。

それは、彼と同じような性格の少女。

ベラーゼとの出会い。


彼女も代々暗部に身を置く一族であったが、ベラーゼも任務をこなすだけの機械になれなかった人間だった。

任務のためならば大切なものさえ切り捨てるような無情さなんかなくて。


自分の大切なものを大切にしたいような……普通の人間。


そんな二人が互いの傷を舐め合うように、支え合うようになるのは必然で。

そして……それが恋に変わったのは、直ぐだった。



そうやって恋人になって、家族になって、家族が増えて。

自分が苦しかったから、長男であるエドワードには悪いが……次男であるユーリには暗部のことを一切教えなかった。

シェノア家の者として、暗部を率いるという重荷をエドワードだけに背負わせることにした。


それがどんなに心苦しかったか。


けれど、エドワードも自分の弟に苦しい思いをさせるのを嫌がったため、それを受け入れた。

その重荷を一人に背負わせる申し訳なさと、一人で背負うと決意したその覚悟に感謝した。


幸せな生活を送る反面、暗い裏側の世界で暗躍するのは苦しかった。

とても、辛かった。







そして……今、こうして拘束されているのは、そんな情が生んだようなモノだ。



ミュゼが《邪竜教》と密通している。



それは噂でしかないけれど……そんな噂が出た時点で、暗部の者ならば身内でも切り捨てなくてはいけなかった。

けれど、切り捨てられなかった。

それはそうだ。

エルドリックは普通の男なのだから。

暗部になんて所属しているが……大切なものを捨てられない、どうしようもなく普通の人間なのだから。


だから、今、こうして拘束されて……ミュゼのことに関して何か隠しているんじゃないかと拷問されている。

何日も、何日も、何日も。

精神が、肉体がボロボロになるまで。


そうしてどれほど経ったのだろうか。



救い出された頃には、もうミュゼはこの世にいなくなっていた。



ベラーゼもエドワードもビビアンも。

暗部の監視から逃れられず、ミュゼに救いの手を差し伸べることすらできずに。

そして、暗部の者から告げられるのだ。



「ミュゼ嬢は、《邪竜教》と密通などしていなかった」



ーーーと。


娘は死んでしまった。

いや、殺されてしまった。



ヤツラ二、コロサレタ。



エルドリックは壊れたように笑う。

愛しい娘が死んでしまった悲しみに、苦しみに。

なんの罪もなく、殺されたことに。

そして、殺した奴らはこの国の重要人物達の子息がゆえに……その罪から逃れるのだ。



なら、エルドリックは決意する。


「わたしが裁きを下そう」


それに賛同するのは愛しい妻と、息子、そして……ミュゼの幼馴染ともいえる令嬢。

末の息子や長女は何も知らない。

だから、二人は巻き込まずに。



四人で子息を暗殺し、四人で毒薬を煽り死んだ。



死に向かう間際、エルドリックは思う。


もしも、世界をもう一度繰り返せるのなら……。





今度こそ、愛娘ミュゼを救えるような世界でありますようにと。




自分の手の中にある幸せが、溢れないようにと。








このお話の解説‼︎

なんで、ミュゼ父達が四回目までの人生で動いていなかったのか?という説明回ですね。


前提→この世界は、ローラがタイムリープした後の世界。

普通なら、タイムリープした時点でその世界はリセットされると思いますが……。

この物語では、タイムリープによりローラという存在は元々いなかったことになって、タイムリープ後も続いた並行世界の話です。


密通しているという噂は、ローラがこそこそと攻略対象(レイドに流して、彼が他の攻略対象に話す)達に流した嘘です。

暗部の者達はそれを聞いて、ミュゼ父を拘束。

残された三人は、ミュゼ父という人質と監視の所為で動けず……ミュゼは死んでしまいます。

それによって、所詮それは噂でしかなかったと分かり、ミュゼを殺した攻略対象を暗殺して死ぬという裏設定です。

ローラがいなかったことになっているので、殺した子息に復讐したってことですね。


五回目はラグナかそう言った噂などが一切出ないよう、暗部対策をしているので、ミュゼ父達は動けてます。


以上、鬱回でした‼︎


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