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幕間・従者が転生少女に興味を抱いた件について


【注意】

この世界において成人は十八歳となっているので、飲酒シーンがありますが、お酒は二十歳になってから‼︎でお願いします‼︎


やって参りました、従者が彼女に興味を持った件についてですね‼︎


そして、本編でなく幕間が第50話です‼︎

沢山の方に読んでいただき、ありがとうございます‼︎

ここまでこれたのは、読んで下さる方達のおかげです‼︎

リクエストありましたら、受付ております‼︎


楽しんで頂けたら幸いです‼︎

よろしくどうぞ‼︎






カルロスが、自身の力を使うと決めてから起こした行動は情報収集と監視だった。



投獄された宰相子息は無理だが、教会預かりになっている騎士候補生は監視が必要だと思ったからだ。

洗脳されていたとはいえ、彼が愚行を犯したのは事実。

加えて、あの偽聖女おんなが再度、彼に接触する可能性も捨てきれない。


ゆえに、カルロスは自分の判断で邪竜ラグナの助けになるような情報を集め、騎士候補生の監視をすることにした。






ということで、教会に忍び込んだカルロスは、騎士候補生ジャンの監視を始めた。

ジャンの詳しい事情を知っているのは、聖女ヴィクトリアだけ。

つまり、否応なしに彼女と彼の接触が多くなる。

と……なると、ヴィクトリア付きであるリオナも否応なしで見ることになった。




最初はただ聖女の後ろに付くだけの普通の女の子だと思っていた。

それが興味に変わったのは、ある夜のこと。



騎士候補生の監視が終わり帰ろうとしたところで、教会の中庭にある生垣付近に人影を発見した。

侵入者かと思って音もなく近寄れば……それはリオナで。


(…………え?)



そして……その手には一本の瓶。



そう……リオナは、コソコソ隠れて酒盛りをしていたのだ。

その時のカルロスの感想は……。


(何故に酒盛り……それもワインじゃなくて、他国から輸入されるという清酒……)


この国において、成人は十八歳から。

つまり酒を飲む年齢には達しているのだろうが、飲み方が酒豪のソレだった。

ついでにブツブツと独り言を言っているようなので、盗み聞きしてみると……。


「あんの生臭ハゲ坊主が……司祭の癖にヴィクトリア様をいやらしい目で見るなし。穢れるだろーに」

(………………)

「あーいう奴ほどヤバいことしてるんだよ。わたしが何かするとヴィクトリア様に迷惑かかるから、誰か上手い感じでヤッてくれないかな……いっそ去勢されろ、天罰当たれ」


そのヤッてが〝殺〟ッてに聞こえたのは気の所為じゃないはず。



(………え、何こいつ……面白いんですけど……?)



教会に所属する者とは思えない言い草に、カルロスは思わず噴き出しかけてしまった。

しかし、そうしてしまっては盗み聞きがバレてしまう。



その日から、カルロスは彼女の悪口を聞くのが監視後の日課になった。




ちなみに、リオナが話していた生臭ハゲ坊主は本当にヤバいこと(主に人身売買)をしていたので、さり気なく始末(匿名で証拠を教会に送りつけた)しておいた。




*****




まぁそれからも監視後からのリオナの悪口盗み聞きを繰り返し……明け透けな本性に興味を抱き始めてから早数日。



あのリオナが転生者だとバラし、その時に言った酒盛りしませんか?を実行に移したカルロスは、今日も今日とてサラッと不法侵入でリオナの元を訪れていた。


「酒盛りしましょ〜う‼︎」


ギギギ……と人形のような動きで振り返るリオナは難しい顔で頭を抱える。


「………あの、教会って警備騎士が見回りしてるんですけど?」

「オレに取ったらユルユルですね。あ、後で見回り不十分なところご報告しますね」

「……………」


もう既に不法侵入の苦言を言うのは、そう注意しないと、注意したという事実がなく、後々面倒だからなのだが……リオナはもう、この人には何を言っても無理なのだろうと諦めていた。

というか、カルロスが持ってくる酒の種類がリオナ好みなのも追い返すのが甘くなってしまう要因でもあったのだが。


「ちなみに今回は王族御用達のワインです」

「それ、ヤバいヤツじゃないんですかっ⁉︎」

「大丈夫です。陛下には許可もらってるんで」


カルロスはその有能さから、国王陛下から褒美をもらうことになった。

その褒美に欲しい時にお酒をもらう権利を得ているのだ。

ちなみに……この褒美にした理由は、リオナへとお酒を持っていくためである。


「リオナ様の酒豪っぷりが素晴らしいので、オレも楽しく飲めるんですよ」

「うぐっ……」

(まぁ、お酒のおかげで緩くなったリオナ様から色々と情報を頂いてるんですけどね)


前世はOL(?)なるものだったとか、彼氏がいないまま死んでしまったとか。

主に前世の話だが……そういう話を話すたびに、ストレスが解消されるのか、リオナの顔色は日々良くなっている。

ついでに同じ酒を交わす仲になったからなのか、カルロスに対して親しくなってきたし。



一言で言えば、カルロスは取り繕うことなく、飾りっ気のないリオナを好み始めていた。



「オレ、結婚するならリオナ様みたいな素直な人がいいです」

「あははっ‼︎あたしなんてそんなに可愛くないから、結婚したい人がいないよ‼︎なぁに?なら、カルロスがもらってくれるの?」


酔っ払ったリオナの言葉にカルロスは目を見開く。



リオナを娶る。



それはなんだか、とても面白そうだった。


「いいですよ、お嫁に来て下さい」

「あはははっ‼︎ありがと〜」

「本気にしてないですね?」

「するワケないじゃ〜ん‼︎あたし、こんなんだよ?欲しがる人なんていないもん。慰めてくれた︎冗談でしょ?」


カルロスはケラケラ笑うリオナを見て考える。

どうやらリオナは自己評価が低いらしい。

ならば、分かりやすく肉体関係に持ち込んで……リオナに自分が興味があるのだと理解させた方が早そうだと考える。


流石に泥酔直前の酔っ払いに手を出すつもりはないが……多少酔いが回ってる状況にして、色々と・・・仕込んでおくのはいいかもしれない。




カルロスはニヤリと笑って、ワインを傾けた。






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