05
「助けて?というのはどういう事でしょうか?」
「私……記憶が無くて……どうしていいのか分からなくて」
「なるほど。そういう事でしたか……」
「お願いします! 私を見捨てないでください……っ…!」
このまま置いて行かれたら行き場がない。
俺は涙目になりながら必死にお願いする。
「……心配しないでください。見捨てたりはしません」
「本当ですか!」
「ええ、実は先程からずっと悩んでおりました」
「貴方様をお屋敷にお連れしてよろしいものかと……」
「じゃ、じゃあ!」
「はい、一緒に着いてきてください。お嬢様には私から説明してみせます」
「ありがとうございます!クロハさんー!」
俺は嬉しさの余りクロハさんに抱き着く!
しまった! いきなりこんなことをしたら痴漢と間違われてしまう!
「もう……仕方がありませんね/////」
恐る恐る見上げてみると顔を赤くして照れている?
そうか! そういえば今、俺は女の子だった!
「さあ、早く馬車に乗ってください!」
「はい!」
照れを隠すためだろうか、少し喋り方が崩れている。
元々こっちが素なのかな?
ともかく俺は馬車に乗り込み、お屋敷まで連れて行ってもらえました。