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 緑色の革本(魔具)を手に入れた俺たちは遺跡の外へ出るため青色の地面を探していた。


「こっちに道があるんだよ!」


「モンスターだよー!」


 モンスターや魔物に遭えば吹き飛ばし。

 隠し路を見つければ切り裂いて進んだ。

 そんなことを続けて数十分(体感)。

 見つかったのは―――青色の地面ではなかった。


「赤い地面なんだよ!」

「赤い地面だねー!」

「赤ですね」

「赤です……」


 赤い地面だった……。

 どうしよう。いっその事、最終階層まで飛んでしまおうか。


「一旦最終階層に行きましょうか?」

「第20階層に行ってから青い地面に入るのもアリなんだよ」

「そうだねー! この階層で青い地面を探すよりかはいいかもー!」

「そうですね。私も賛成です」


 とりあえず満場一致。

 問題はないようなので、俺達は赤い地面へと入っていた。



~第20階層~


 最終階層に飛ばされると服の内側に草先が当たった。


「また体に草が入って……んぅ」


 声を漏らさないように我慢しながら現状を把握する。

 足から胸あたりまでに異物感。

 多分この階層の草は胸あたりまで伸びているのだろう。

 そう思い前方を見ると予想通りの草丈が平がっていた。


「クロハさんー!」

「今助けますね」


 名前を呼ぶと後ろからクロハさんの声が聞こえて、俺の身体が浮いた。

 どうやら助かったようだ。

 踏み倒されて潰れた草の上に無事着地。

 異物感は消え去った。


「ありがとうございます!」

「いえ、それより―――」


 クロハさんが言いかけて強い風が吹く。


「ご主人様ー! 今行くんだよ!」


 草の靡く音と共にラビの声が聞こえる。

 草が邪魔でラビの姿は全然見えないが、揺れている草は目視できた。


「あそこにいるみたいです」

「合流しましょう」


「ラビ―! ここですよー!」と呼びかける。

 すると風は止み。一直線にガサゴソとこちらに近寄ってくる。


「見つけたんだよ!」

「後はシロハさんだけですね」

「私はここに居るよー!」

「っ!?」


 驚きながら振り向くとシロハさんがしゃがんで隠れていた。

 び、びっくりした……。居るんだったら居るって言ってくださいよ……。

 って今言ったのか……。


「揃いましたね」

「そろったんだよ」

「よーし! 移動しようー!」

「…そうですね」


 第19階層と同じようにラビを先頭にし、風で草を倒しながら進む。

 それにしても最終階層はここまで伸びるんだな、びっくりだ!

 視界がとれるのは前方の風で開けたところだけ。

 かすかに青い光が見える。ゴールは目の前だろう。


「そういえば、アジーン遺跡ってどんな階層主がいるんですか?」

「巨大な木の魔物なんだよ」

「巨大な木の魔物……ですか?」


 ウッドランの物凄いでかいバージョンだろうか?

 ノーリ遺跡の時は馬鹿でかいスライムだったしありえなくもない。

 そんなことを考えていると付け足すようにクロハさんの口が開く。


「ビックウッドと言って全長30メートルを超える魔物ですね」

「あれねー! すごくデカいんだよー!」

「そ、そんなに大きいんですか!?」


 デカすぎる。皇帝スライムですら全長10メートルはなかったぞ!

 それの3倍以上……ちょっと見てみたいかも。


「私! 見てみたいです!」

「危険ですからおやめになられた方が……」

「だねー! 目的の物は手に入ったしわざわざ危険を冒さなくてもねー!」


 当然のように止められる。

 見たかったけど我儘も言ってられないか……。

 諦めかけたその時だった。


「ご主人様! 私に任せるんだよ!」


 ラビが進行方向を僅かにずらす。

 するとノーリ遺跡の時のような扉が見えた。


「私が居るから安全なんだよ!」


 そう言われると甘えたくなる。

 ものすごーく! 見てみたいからな!


「クロハさん、シロハさん、ちょっと見るだけです。駄目ですか?」


 目を潤わせながら上目遣いに二人の顔を見る。

 すると二人は考え込むような顔をして、


「仕方ありませんね」

「まぁ、私達もいるし問題ないかー!」


 OKサインを出してくれた。

 二人の返事に「やったー!」と喜んでいると扉の前に着いた。


「さっそく扉を開けるんだよ!」

「ワクワクです!」



~アジーン遺跡・階層主部屋~


「お、大きいです……」


 部屋に入ると馬鹿みたいにデカい木がそびえ立っていた。

 聞いていた通りの規格外。

 外で見た遺跡の外観より高いのではないのだろうか?


「満足いただけましたか?」

「はい! こんなの初めてみました!」


 中に入ると一面ジャングルのコロシアムだった。

 知らない草木が生い茂って壁から生えている。

 天井へ視線を移せば暗闇しか見えない。どれほどの高さがあるんだ…この部屋は……。


「相変わらずデカいねー!」

「さっそく倒すんだよ!」

「えっ? ラビ、私は見るだけで―――」


 そう制止するよう声を掛けるが遅く。

 ラビはビックウッドに向かって指輪を向けた。


「ファイアーストーム!」


 ラビの指輪が赤と緑に輝き、炎が渦を巻きながらビックウッドに向かって放たれる。



 ト゛ト゛ト゛ト゛ト゛ト゛ト゛



「た、大木が動いてます!!」


 ラビの攻撃がビックウッドに直撃。中腹部分が僅かに黒くこげ、それに反応するようにウッドランが揺れ出した。


「あー、やっちゃったねー」

「こうなっては仕方ありませんね……」


 その光景を見てクロハさんとシロハさんは臨戦態勢をとりだす。

 あ、あんなデカいのと戦うんですか!?


「階層主戦のはじまりなんだよ!」


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