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~第15階層~


「なんだか……青いですね」

「青い……………………」


 さっきまでの階層と雰囲気が大きくことなり、遺跡内が全体的に薄い青色をしている。

 そのせいか、ここからは油断ならないという雰囲気にさせられる。


「ここからは、モンスターの数も増えるし強くなるぜ!」


 全身スライムまみれのワズディンさんがキメ顔でこちらを見てくる。

 正直鬱陶しい。対応を間違えたのかもしれないな。


「でも、私達がいれば安心だよー!」

「そうですね、必ずお守りします」

「命に代えまして、なのでご安心ください」


 傷一つないイロハさん達が言うと説得力がある。

 実際ここまで何ともなかったし、クロハさんに至っては魔法を使ってすらいない。

 余裕も余裕、自信の高さが窺える。


「赤6緑8のスライム! 後……おいでなすったな、ワイトだ!」


 前方を見つめると、大量のスライムとローブを羽織った骸骨が迫ってくる。

 ワイトって、あの骸骨のことか! なんだか魔法を使ってきそうだ。

 そう思っていると、骸骨は動きを止め、何やら口を動かし始める。


「クロハお姉ちゃんー!」

「アイシクルレイン!」


 そうクロハさんが唱えると、スライムの群れとワイトに向かって氷の礫が降り注ぐ。

 す、すごい! これが魔法! 初めて見たが想像以上だ……。

 そう思うも束の間、スライムの群れとワイトは、氷の礫に貫かれ全て跡形もなく消えてしまった。


「おいおい、一瞬とは恐れ入るぜ……」

「流石だねー!」

「クロハ凄い…………………」

「ですね! 凄かったです!」

「お褒め頂くほどの物ではありませんよ」


 クロハさんは謙遜するが、そんなことないくらい本当に凄かった。

 ああー! 俺も魔法を使えるようになりたいなー!


「いつまでも立ち止まっていると、モンスターがまた来るわよ」

「イロハお姉ちゃんの言う通りー! とりあえず動こうー!」


 珍しくメイド口調じゃないイロハさんがお目にかかれる。

 もしかして嫉妬している? 気のせいかな。

 ともかく俺たちは前へと進んだ。


「魔具ないねー!」

「まあ、そう簡単に見つからないわなー」


 遺跡内をくまなく探しているが、見つかるのはトラップとモンスターばかり。

 実際に遺跡に来て探してみると魔具の希少性が窺える。


「スライム3た」


 バシュ、バシュ、バシュ


 ワズディンさんが言うよりも先に、イロハさんのクロスボウの矢がスライムを貫く。


「すごい!」

「三連射…………………」

「神業だな……」


 実際にその通りだと思う。

 あの一瞬でスライムの目玉を的確に打ち抜いている。

 あんな芸当この中の誰にもできないだろう。


「お褒め頂くほどの物でもありません」

「いやいや、シロハにはあんなの無理だよー!」

「流石ですね、イロハお姉さま」


 それぞれがイロハさんを褒めると僅かに満足気な顔をしている。

 もしかして本当に嫉妬してた? まさかな。


「赤い地面があるよー!」

「次の階層に期待するか」



~第16階層~


「宝箱だよー!」

「今度は見つかると良いな」


 ワズディンさんが宝箱に石を投げつける。

 何も起きない、どうやら大丈夫そうだ。


「何が入っているかな」

「わくわく…………………」


 スライムの死骸だけは勘弁してくれと思いながら開ける。

 すると、思いもよらないものが入っていた。



 はずれ



「……なんですかこれ?」

「はずれ…………………」

「こりゃ、完璧に嫌がらせだな」


 はずれと書かれた紙が一枚だけ入っていた。

 何だろう……、スライムの死骸より頭にくるな。

 俺はその紙を破り捨てた。


「気持ちは分かります」

「わかる! わかるよー!」

「残念でしたね」



~第17階層~


「さっきの階層はひどかったねー!」

「まさか宝箱全部はずれの紙とはな」


 16階層では計4つの宝箱を発見したのだが、その全てに『はずれ』の紙が入っていた。

 宝箱に期待するのはやめよう。そうイノリお姉ちゃんと誓いあった。


「ホント、許せないです!」

「うん…………………」


 扉の時は先人達に感謝の気持ちもあったが、今は微塵もない。許すまじ先人冒険者め!

 遺跡を出たらギルドに抗議に行ってやりたい気分だ!


「宝箱があるよー!」

「期待はするなよ」

「わかってます!」


 石を投げつける。すると宝箱が動き出した!


「ミミックじゃないか!」

「ある意味運が良いねー!」


 そう言いながらミミックの側面をナイフで一刺し。

 ミミックは動かなくなった。


「さて、次行こうかー!」

「そうするか」


 そういって、前に進んでいく。

 放置しといていいのかな?


「この中に何か入っていないんですか?」

「入っているかもしれませんが……」


 そうクロハさんが言うと、さっきまでミミックだったものが霧のように消えていく。


「このように消えてしまいますから」

「なるほど……」


 どういう仕組み何だろう? 

 気になるけれど、消えてしまってはどうしようもないよな。

 何となくやるせない感じだが、その場を後にする。


「モンスターだ! ワイト5! リスコウモリ20!」

「ささっと、片付けるよー!」

「アイシクルレイン!」


 結局、この階層にも『はずれ』の紙しかなかった。


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