09
「我儘を言ってごめんなさい」
「いえ、これからもお願いがありましたら、何でも申し付けてくださいね」
「釣り……………久しぶり」
「名誉挽回のため! シロハ頑張りまーす!」
アーユ―を食べたい宣言をした結果こうなりました!
クロハさんが釣りを提案。
イノリお姉ちゃんは面白そう、と賛同。
シロハさんは一杯釣るから~ご飯抜きは勘弁を~、と交渉。
そして現在、アーユ―を釣るべく、ルベリア湖の釣り場に集まりました!
「うわぁ~!! 綺麗~!!」
水面を落ちないように覗いてみると魚が泳いでいるのが見えます。
あの小さい魚がアーユ―かな? 沢山釣れるといいな。
「アーユーの100匹や200匹! 見事に釣ってみせますよー!」
「シロハさん凄いやる気ですね! 私もわくわくしてきました!」
「そんなに釣られても困ります」
呆れ顔のクロハさんを横目で見ていると、イノリお姉ちゃんが何やら本を読んでいます。
「イノリお姉ちゃん、何の本を読んでいるの?」
覗き込んでみると魚の図鑑のような本でした。
何で魚図鑑? 釣った魚でも調べるのかな。
「これで……………釣り名人」
釣り名人は違う気がする……
つっこむべきか、野暮と言うものだろう。
反応に困ったので、すごいー! とリアクションをしておいた。
「皆様、お待たせしました」
イロハさんがお屋敷から人数分の釣り竿を持ってきてくれました。
「イロハお姉ちゃんー! 早くはやくー!」」
「お願いしてしまって申し訳ありません」
「いいのよ、シロハだけではお嬢様方を任せておけないもの」
「シロハだけ……………不安」
「イノリお嬢様までー!」
お嬢様方と呼ばれているということは、クロハさんがイロハさんの所に行ったときに事情を話しておいてくれたのだろう。これからお世話になるし、俺からもちゃんと挨拶しとかないと
「イロハさん、これからお世話になります」
「事情は伺っております」
「イノリお嬢様が我儘を言って妹君になられたとか」
若干申し訳なさげな顔で謝ってきます。
逆に申し訳ない。決定打を打ち出したのはむしろ俺の方だったからな。
「いえ、気にしていません。むしろ感謝しています!」
「……そうですか」
安心したように胸を撫で下ろしてくれる。
普段からイノリお姉ちゃんの我儘に苦労しているのだろう。
気苦労が絶えなさそうな顔をしている。
「イロハさんも一緒に釣りをしませんか?」
「いえ、お屋敷での仕事が残っていますので」
「そうですか……」
仕事が残っているなら仕方ない、けど俺は少ししょぼくれてしまう。
「……機会がありましたら次はお付き合いしますので」
「本当ですか!」
「はい、その際は是非に」
約束ですよ! と言うと はい、と笑顔で返してくれる。次の機会が楽しみだ。
「クロハ、シロハ、後はよろしく頼むわよ」
「任せてー!」
「承知しました」
それでは失礼します。と挨拶を残して、シロハさんはお屋敷に戻っていきました。
「よーし! 釣り竿もきたし、ドンドン釣っちゃうぞー!」
「私も頑張ります!」
「沢山………………釣る」
「ほどほどに頑張りましょう」
それぞれ湖に向けて釣り糸を垂らす。
ちなみに釣り竿は、浮きと重りのシンプルなものです。
~~30分後~~
現在の釣れた魚の数
「また釣れたー!」 シロハ 5匹
「私もです!」 アリス 7匹
「釣れない…………つまらない」 イオリ 0匹
「ボチボチですね」 クロハ 2匹
イノリお嬢様がつまらなそうな顔をしています。
多分釣れていないのでしょう。
様子を見てみると、浮きは沈んでいるのにお嬢様は本に夢中で気づいていません
「イノリお姉ちゃん! 釣れてるよ!」
「うん……………」
「頑張れー!」
「まかせて……………」
ややスローテンポで竿が上げられる。大丈夫かな……。
そう思っていると無事に釣り上げられたみたいです! 嬉しそう!
「ありがとう……………」
「うん!」
表情が少ないイノリお姉ちゃんが笑ってくれました!
何だか珍しいものを見れたみたいで嬉しいです。
「この調子でどんどん釣るよー!」
「はい!」
「釣り………………楽しい」
「私はイノリお嬢様のお手伝いをしますね」
~~2時間後~~
「大量、大量ーっ!」 シロハ 計18匹
「こっちもです!」 アリス 計20匹
「釣り……………楽しい」
「沢山釣れましたね」 イノリ&クロハ 計16匹
合計で54匹か、みんな満足そうだ!
「イノリお嬢様ー! 沢山釣れたしご飯食べてもいいよね?」
「うん……………いい」
「良かったですね!」
「日も暮れてきましたし、そろそろお屋敷に戻りましょうか」




