第一話 転生とスキル
「これは・・・異世界か・・・」
ぼくはつぶやく。
そう、異世界。
ゲームによく出てくる剣と魔法の世界。
そこに僕は倒れていた。
「あなた、大丈夫??」
どこからか、声がして僕は振り返る。
「あ、美少女・・・」
僕はそう呟いてしまう。
呆れるほどの美少女がそこにいた。
「あら?そう?」
そう言って、その美少女はポーズを作って笑う。
「あ、正統派美少女じゃなくて、おもしろ美少女か・・・」
僕はそう呟いた。
「だれが、おもしろ美少女よ!!」
その美少女は僕に突っ込む。
「それはそうと、あなた・・・ここにいるということは・・・そういうことね・・・」
その美少女は何か考えこんでいた。
「そういうこと・・・?」
僕は彼女に聞き返す。
「そう、あなた勇者ね?」
その絶世の美少女は、僕に向かってそう言った。
「え?そうなの??」
僕は、そのまま聞き返した。
そして、気がつくと僕は、王様の前にいた。
「よくぞ来てくださいました!勇者さま!」
恰幅の良い王様が、大きな声でそういった。
「あ、はい・・・」
僕はそう答えるのが精一杯だった。
「さぁ、勇者様!ここにある、宝のうち、一つだけ好きなものをお持ちしてください!それで、あなたの勇者の資質がわかります!」
王様は言う。
「え?」
なにそれ??僕はそう思って聞き返す。
「この中には、国宝級の武器から、普通の武器まで、さまざまなものが入っております。真の勇者様であれば、奇跡の剣を手にすることでしょう!」
と王様が言う。
「え!」
なにそのガチャ!と驚き、僕は心の中で突っ込む。
元いた世界のゲームでは最初にガチャガチャで武器がもらえるものが多かった。そして、そのためにリセマラと言って何回も登録をしなおして、ガチャを引き直す人もいたくらいだ。
「ありがとうございます!」
そういったものの驚きは隠せなかった、しかたない!とりあえず選ぶしかない!!僕はそう思って、宝箱を選んだ。
「これは・・・木の棒・・・?」
僕は宝箱から取り出した武器を見て言う。
あきらかに外れだ・・・
「勇者様、残念ですが、あなたは真の勇者じゃなかったようだ・・・お引き取りください・・・」
そう残念そうに王様は呟いた。
えええええ、これで、終わり??
そう思った瞬間ぼくはあることを思い出した。
異世界転生ものはだいたい、すごいスキルを持っているものだ。それでいろいろな危機を乗り越えていく。
するとなんとなくスキルを持っていることがわかった。そして躊躇せずに発動させる!
「『時間逆行 - ファイブミニッツ』!!」
僕はそう唱えた!王様がなんですと?と言ったような気がしたが、その瞬間すでに世界が歪んでいた。
ふと視線をあげると、王様がまた話しだした。
「この中には、国宝級の武器から、普通の武器まで、さまざまなものが入っております。真の勇者様であれば、奇跡の剣を手にすることでしょう!」
と王様が言った。
そう、それはさっき王様が僕に言ったこと、一言一句変わらずそのままだった。