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多種族ばかりの傭兵団  作者: 竹永
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出会い後の話

剣戟が草原に鳴り響く。


剣を打ち合っているのは顔に傷を作った巨漢のならず者……そして、まだ幼い顔をしている少女だ。

大男と少女……本来であれば勝負にすらない。大男が少女を一刀のもと斬り伏せて終わりだろう。

だが、今、この草原では、真逆の事が起きていた。


ポニーテールにしばった金髪をたなびかせ、獣面とさえ揶揄される犬歯をむき出しにしてせせら笑う少女が、大男を圧倒しているのだ。


少女の武器は大剣。柄まで合わせれば己の身長とほぼ同じ長さのもので、刃幅は少女の広げた手の平程はある。大人ですら振り回すことのできないものだろう。しかし少女はそれをまるで手足の如く操り、剣撃を大男めがけ叩きつける。

一方で、大男の持つ剣はすでに度重なる打ち合いによって曲がっており、もはやその形を成していない。


この勝負の決着は近い。

少女は絶え間ない剣撃を止め、剣を上段に構えた。

大男は息も絶え絶えになりながら、剣を横に向ける。少女の斬り落としを受けようとしたのだ。

少女が剣を振り下す。

大男はその剣を受け止め……きれなかった。

あまりにも強力な斬撃、さらには大男の体力がほとんど残っていなかったことも相まって、少女の剣は唐竹割りのように振り下された。

剣が大男の額を割り、腹を裂く。


「うぐぅ……」

「ハッ! この程度か!」


苦悶にみちた顔で片膝をつく大男を見下すように少女は笑う。


「お前、兵士を10人殺したんだろ? 弱すぎる!」

「……」

「それともアレか! 所詮人間種に期待した俺がバカだったってことか!?」


答える気力すら残っていない大男に、興奮状態の少女は吼えると、剣を横に構え、そのまま一閃を放つ。

少女の大剣は大男の首を胴体から切り離し、勢いよくその首を俺のもとに飛ばしてきた。


「おい、ペンテ、殺したら報酬は減るって言ったよな? 首を飛ばす必要はなかっただろう?」

「知るか! 戦いは相手を殺さないと終わらないんだよ!」


少女……ペンテシレイアは苦言を呈した俺にも吼えた。

俺は肩をすくめると、大男の髪の毛を掴んで持ち上げた。

死ぬ間際まで痛みを受けた死に顔というものは、生きている時には絶対にできない歪んだ醜い顔をしている。こういう仕事をしていれば嫌というほど見るのだが、決して慣れることはないだろう。


「文句言うんだったら俺の代わりにお前がコイツとやればよかったじゃねえか! まあ、木の枝みたいに細いお前がコイツの相手を出来るわけねえがなあ!」


ペンテが大剣を担ぎながらこちらに迫ってくる。

眼を大きく見開き、鼻孔を広げ、興奮冷めあらぬ様子だ。

発達した犬歯、発達した筋力、戦いに異常な興奮を示す……これはオーク種の特徴だ。


ペンテはまだ年端もいかないオーク種の少女である。


その鋭い犬歯が隠れていれば、見た目は人間の女の子とはそう変わらない。

事実、それらを隠したペンテは金髪碧眼の可愛らしい少女といっても過言ではないのだ。時折、不純な動機を持つであろう輩に声をかけられることもある。しかし、そのほとんどの場合、ペンテが犬歯を見せた瞬間に一目散に逃げ出すのがお約束だ。


「それは出来ないな……」

「ほら見ろ! 俺に口答えなんかするなよ人間野郎!」


戦いが終わった後のペンテはいつもこうだ。普段からだいぶ粗暴なのだが、その荒々しさが倍増する。戦いによって興奮状態になったせいだろう。高圧的になり平気で罵詈雑言を飛ばしてくるのだ。

この状態は頭に昇った血が下がるまでの間しばらくは続く。興奮が冷めるまで放っておく、という選択肢もあるが、正直この状態のペンテと一緒にいるのはこちらもストレスがたまる。なので、いつもやる手段を使わせてもらおう。


「……しかし残念だ、今日は肉が食えないな」

「……あん? どういうことだ?」

「報酬が減ったからだ、お前が殺してしまった分な」


ペンテが顔を思いきりしかめた。


「……肉が食えないのか?」

「肉を食うために払う金がない」

「……」


ペンテの荒かった鼻息は急速におさまり、むき出しだった犬歯も、唇を尖らせたことで見えなくなった。興奮状態が冷めていくのが手に取るようにわかる。

『飯抜き』

興奮しているペンテの頭を冷まさせてやるのに一番手っ取り早い手段がこれだ。

もちろん、本当に肉が注文できない程困窮しているわけではない。殺した結果発生する報奨金の減額も2割程度だ。無視できない金額だが致命的な金額でもない。まあ「嘘も方便」というやつだ。

正直、こんな嘘はペンテが依頼の報酬金や食事にかかる費用とかを計算出来ればまったく通用しないものなのだが、こいつは「戦うのは俺の仕事、後の面倒くさいことは全部お前がやれ」というスタンスなので、ばれることはまずない。


「……二本角」

「うん?」

「二本角の肉を焼いて待ってるって言ってた……」

「……ああ、おかみさんがそう言っていたのか?」


すっかりしおらしくなったペンテがこくんと頷く。

二本角とは鹿に近い動物だ。正式名称は別にあるらしいが、俺達の間では二本角で通っている。その名のとおり大きく硬質な二本の角が特徴で、その肉は火を入れると格段に美味くなることから俺たち傭兵には人気の動物である。


ちなみに「おかみさん」というのは、俺達の行きつけの大衆食堂『ドラゴンの前足亭』を切り盛りしている女性のことで、俺を除いてペンテ(オーク種)にビビらずに渡り合える数少ない人間種の一人だ。


「そうか、それは残念だったな」

「……」


ペンテは沈痛な面持ちでこちらを見ている。その眼はどうにかできないか、と訴えている。

……頭に昇った血も下がっただろうし、この辺りでいいだろう。


「……わかった、今日は特別だ、肉を食っていいぞ」

「……食えるのか!? 金は!?」

「それは何とか工面する」

「よし! やった! 偉いぞアヤト!」


ペンテのテンションは一気に上がり、俺の腕をバシバシと叩く。

肉が食えるとわかった途端にこれだ。あと割と遠慮なく叩かれてるので結構痛い。


「待て、ペンテ、そのかわり条件がある」

「なんだ!? 何でも言え!」

「今日みたいなことをするな、わかるか? 殺す必要がない……というか、殺したらこっちが損するような状況で、相手を殺すな」

「わかった、もうしない!」


元気の良い返事だ。本当にわかっているのか疑問になる。というか、以前にも似たような状況で似たようなことを言った気がする。


「肉だ! 肉! おい、早く行くぞ!」

「それよりも、あの死体の片づけが先だ」


草原に死体を野ざらしのままにしておくのはまずい。首が切断されているので、可能性としては低いが、きちんと土に埋めてやらないと『狂霊』に憑りつかれてしまうかもしれない。もしそうなれば、殺した本人……つまりは俺達の責任になる。


「土葬するぞ、穴を掘るのを手伝え」

「わかった、早く終わらせて肉を食うぞ!」




「……なるほど、わかりました、貴方の持ってきた首は討伐対象者の特徴と合致しますし、こちらは彼が使っていた剣で間違いないですね、これの首から下の部分は?」

「土葬しました」


街に戻ると、俺は依頼斡旋所……通称ギルドに、今日の事と次第を報告する。

ちなみにペンテとは途中で別れた。今頃は二本角の肉を貪っているだろう。


「それは結構」


受付の男性は封筒と一枚の書類を俺の前に差し出した。


「それでは今回の依頼の報酬です、こちらに受け取りのサインを」


封筒の中身を確認する。中の紙幣の枚数は、きちんと2割分減らされている。

俺はため息をつきながら、書類に所属する……というか、俺が率いている傭兵団の名前と俺の名前を書いた。


「……はい、結構です、お疲れ様でした」


俺は封筒を受け取ると、ギルドを後にした。




大衆食堂『ドラゴンの前足亭』は今日も傭兵たちで大盛況だ。

俺はそんな騒ぐ連中の間を縫うようにして店の中を進む。

大盛況の中に誰も寄りつかず、ぽっかりと空いた空間がある。ここが俺の目的地。すなわち、


「はふ、はぐッ!」


ペンテが骨付き肉を食っているテーブルだ。


向かいの席に座ると、ペンテはそこでようやく俺がきたことに気が付いたらしい。


「ほが、ほふう!」

「口に物を入れて喋るな」


ペンテが喋るたびに彼女の口の中からモモ肉のカスが飛んでくる。

ゴクリ、とペンテが口の中の肉を飲み込んだ


「お前も食え」


ペンテが肉の置かれた皿をこちらに差し出してきた。

これは珍しい事もあるものだ。ペンテが肉を俺に分け与えてくるなど、よほど機嫌の良い時でしかありえない。

それではお言葉に甘えて……と、肉に手を伸ばそうとしたが、パシッとその手が払われた。


「なにするんだ」

「それはこっちのセリフだ、俺の肉を食うな」

「お前が食えって言ったんだろうが」

「お前が食っていいのはこっちだ」


ペンテは皿に盛られていた付け合せのマッシュポテトを指差す。


「……自分が食いたくないものを押し付けてるだけじゃないか」


俺の苦言を無視してペンテは皿に置かれた新しい骨付き肉にかぶりついた。

こんなことだろうと思った。俺はため息まじりにマッシュポテトを手づかみで食べ始める。

ジャガイモ特有の甘味が口に広がる……というか、それしか味はない。付け合せなんだから肉と一緒に食べないと意味がないだろう。


「あ、団長さん、いらっしゃいませー」


この店の店員で『5人いる看板娘』の一人が俺に気が付いた。

確か名前は……アリサだったかアリッサだったかアリスだったかのどれかだ。

その人間種の某看板娘はピンクのツインテールと身長の割に大きな胸を揺らして俺のもとに駆け寄ってきた。


「注文は何にしますかー? おすすめは二本角のローストです」


食べてみたいが、生憎と懐が厳しい。金がないわけではないが、しかし、今は貯金している最中で節制している。ここで贅沢はできない。


「野菜の煮物を」

「えー、ローストいっちゃいましょうよー、美味しいですよ?」

「割引してくれるんだったら頼むんだけどな」

「またまた、儲けてるくせにー、知ってますよ? 最近大活躍だそうで」

「そんな大活躍はしてない……噂なんてあてにしないでくれよ」

「今日も一仕事終えてきたんですよね? ここはパーっと、ね?」


ピンクの看板娘がウインクする。パッチリとした目の女の子にそんなことをされて魅力を感じない男はいないだろう。

事実、俺は少し心を動かされつつあった。


「うーん……」


俺の心が動かされつつあることを察したらしく、ピンクの看板娘はニヤリと笑うと、


「わかりました、値引はできないけど、オマケがあります!」

「オマケ?」

「はい、どうぞ」


ピンクの看板娘は前かがみになると、俺の目の前で肩だしのトップスを広げ始めた。

服に隠れていた豊満な谷間が目に飛び込んでいる。胸の先っぽまで見えそう……といったところで服を戻してしまう。


「はい、オマケはここまでです」

「おお……」


思わずうなってしまった。これは嬉しいサービスだ。やはり『看板娘』の名は伊達じゃない。男をその気にする術を心得ている。

ここまでしてくれたのだから、注文してもいいかもしれない。

俺がローストを頼もうとしたその時、


バンッ!


テーブルに衝撃が走るとともに、置いてあった皿などが一瞬宙に浮いた。

俺と看板娘がギョッとペンテの方を見ると、彼女は犬歯をむき出しにして俺達を睨んでいた。


「おい、人間種、お前しつこいぞ」

「わ、私ですか?」

「アヤトがいらないって言ってるんだからいらないんだよ、殺すぞ」

「ヒッ……」


ペンテの「殺す」という言葉に、看板娘が小さな悲鳴を上げて、一目散に厨房に逃げ出した。


オーク種の「殺す」は人間種やその他の種族の言う「殺す」とは意味合いが違う。オーク種以外ならば脅し文句で片づけられるが、オーク種の場合は本当に「殺す」のだ。

闘争と殺戮に生きる種族(オーク種)にとって、殺し合いはもはや生活の一部になっている。これはこの世界の一般常識と言っても過言ではない。


「……ペンテ」

「なんだ」


不機嫌になったペンテは忌々しそうに肉を噛みちぎった。

ゴリゴリ、と肉を食うにはありえない音が鳴る。

見れば、骨も一緒に噛み砕いていた。


「前にも言っただろ、殺すって言うなって」


社会になじませるためにペンテには色々と教えている。しかし、こいつは俺の言うことをなかなか守ろうとしない。


「何も言わずに殺せばよかったか?」

「そうじゃない、何度も言うが、俺達が損になる殺しはするな」


殺し合いが日常になるオーク種の種族としての根本は変えられない。それならばせめて上手い付き合い方を模索するのがこいつを従えている傭兵団長(オレ)の務めだ。


「フンッ!」


ペンテは俺の説教に対しても機嫌を悪くしたようで、残った肉を骨ごと口の中に放り込み、バリバリと咀嚼し始めた。

俺が今日何度目かわからないため息をついていると、


パカパカ


と、蹄が床を鳴らす音がこちらに近づいてくる。

ふりむけば、そこには下半身が馬、上半身が人間の女……女性のケンタウロスいた。


「こちらにいましたか、ホームに顔を出してくれればよかったのに」


物腰柔らかな女ケンタウロスは穏やか笑みを浮かべ、俺の隣にくると椅子に座った。

ケンタウロスが椅子に座る時、それがケンタウロス用の椅子でなければ、後ろ脚の部分で腰かけることになる。


「悪いな、トモエ、それも考えたんだが、ペンテを一人にしておきたくなかった」

「まあ……それは仕方ありませんね」


女ケンタウロス……トモエは、残念そうに顔を伏せた。

本名、トモエ・コマオウ・アスカ・ファグロンダ……そこから先は忘れてしまった。ケンタウロスの『本名』は長い。何でも「自分の名前」に「両親」と「地名」と「苗字」と「神から下賜された名前」がくっついて、最短でも合計で6節分あるのだとか。ちなみ身分の高い者だとそこからさらに「祖先の名前」やら「官位」やらがくっついて、軽く10節近くになるのがザラらしい。トモエも自己紹介の時に9節分の『本名』を言われたが、とても覚えきれないので、俺と他の傭兵団員は『トモエ』とだけ呼んでいる。


「そっちの方は無事に終わらせたか?」


今日のうちの傭兵団は、二つの仕事を請け負っていた。

俺はペンテとともにならず者の捕縛。トモエは他の団員と他種族間の抗争の仲介の仕事だ。


「はい、団長様の見事な采配のおかげです」


トモエは微笑む。喜んでいるのだろうけども艶のある長い黒髪のおかげで、薄幸な印象を強く受けてしまう。


「そういう言い方は止めてくれ、逆に嫌味に聞こえてくる」

「そんな……私はそんなつもりで言ったわけではありません……」

「それはわかってるけど、俺は適当に振り分けただけだし、そんな大仕事をしたわけでもないんだからさ、もっと気軽な感じでいいんだ」

「……以後、気をつけます」


トモエがしゅんとしてしまったので、俺は頭をかいた。ちょっと言い方がきつかったかもしれない。

トモエはどうにも慇懃無礼というか、俺の太鼓持ちのような言動をよくしてくるのだ。確かに団長と副団長で立場上の上下はあるが、俺の傭兵団の構成人数が俺を含めて5人しかいないのだし、和気藹々とやっていきたいというのが俺の考えだったりする。


「……そうだ、トモエも何か食べよう、何が欲しい?」

「……私はもう食べてしまいましたので……」

「じゃあ酒を飲もう」

「……はい……」


トモエはまだ俺に言われた言葉を引きずっているようだ。なんとかフォローを入れなくては……


「そうだ……トモエ、お酌してくれないか?」

「お酌……ですか? わかりました」


トモエは弱弱しく微笑む。先ほどよりは、幾分嬉しさを取り戻したかのように見える。

他者への接し方は難しい。種族が異なればなおさらだ。気軽に接することで仲良くなれる、と俺が思ってもトモエの方はそうではない。おそらくは対等ではなく上下の関係の方が心地よいのだろう。トモエ以外のケンタウロス種とは何人か接したことはあるが、それらも上下関係を気にしていた節がある。縦社会に生きようとするのがケンタウロス種の社会観なのかもしれない。


「酒をもらいに行ってくる」


俺は席を立つとカウンターまで歩いて行った。



カウンターでは、厨房から出される料理を受け取る看板娘たちがせわしなく行き来している。

俺は、そんな看板娘を監督するかのようにどっしりと構えた太い女性に話しかけた。


「おかみさん」

「……」


おかみさんはこちらをじろりと見た。


「お酒を頂きたい」

「……あんたのとこのが、うちのアリッサに脅かしたらしいね」


そうか、あのピンクのツインテールの看板娘の名前はアリッサだったか……。


「……あんたねえ、自分の団員の管理くらいしっかりやりなよ、ただでさえトラブルばっかり持ち込んで来るのに」

「すみません」


おかみさんの叱責に、なるべく神妙な顔で答える。

俺達がこの食堂を使わせてもらっているのは、ひとえにおかみさんの厚意によるものだ。

俺達のテーブルの周りは不自然に空いている。この店の盛況具合から考えてもあそこにも人を案内するべきなのだろうが、ケンタウロス種ならばまだしも、オーク種の近くで飯を食いたいと思う奴はまずいないだろう。

結果して客を入れられず、この食堂は数席分の損しているわけだ。

その上で、看板娘まで脅されたとあればおかみさんも黙ってはいられないだろう。


「ペンテにはこっちから言っておきました、アリッサに直接謝らせるのが筋でしょうけど、多分それは無理です」


開き直りと思われるかもしれないが、事実なのだから仕方ない。俺が強引に謝らせることもできる。しかし、それは謝罪にはならないだろうし、強引に謝らせた後、へそを曲げたペンテが何をしですかわからない。


「すみませんがお酒を一瓶下さい、それを飲んで今日は帰ります、あとこれ、今日の食事代とアリッサへのお詫びです、彼女に脅かしてすまなかったって伝えてください」


今日の報酬分の封筒から数枚の紙幣を出しておかみさんに渡す。

だいぶ色を付けた。日ごろから世話になっているおかみさんたちの心証を悪くするのはあまり良くない。ただでさえ白い目で見られがちのうちの傭兵団の、数少ない憩いの場が無くなってしまうかもしれないのだ。


おかみさんは差し出された紙幣を受け取って枚数を数えると、大きなため息をついた。


「……あんたも難儀な傭兵団を作ったねえ」

「まあ、他に知り合いもいなかったもので」

「ああ、そうだったね」


おかみさんには、俺がこの街に流れ着いた異邦人、という説明をしている。正確な説明ではないが、こちらの事情をきちんと話しても理解されなさそうなのでこういう風に説明している。


「まあいいさ、あんたらが騒ぎを起こすのは今に始まった事でもないしね……ほら」


おかみさんは紙幣を数枚、俺につき返してきた。


「それに今日のはアリッサの接客にもちょっと問題があったみたいだし、お相子ってことにしとくよ」

「ありがとうございます」


俺は突き返された紙幣を受け取る。ちょうど色を付けた分が戻ってきた。


「酒だったね、コップはいくつ?」

「二つで」

「はいよ」


俺は小さな酒瓶とコップを二つ受け取り、テーブルに戻った。



左右に揺られながら、大衆食堂を出てホームへ向かっている。

なぜ俺が左右に揺られているかというと、トモエに乗っけてもらっているためだ。

腹に物を入れずに酒を飲むと、酔いが回るのが早くなる。酒瓶を空にする頃には俺は気分よくほろ酔いになっていた。

まあ、トモエがお酌ばかりしてほとんど俺一人で飲んだせいもある。お酌をさせるたびに機嫌が良くなるのでやらせていたらこうなった。


「人間はすぐへばるな、あんな水でフラフラになるなんて」


酒の味も知らないガキがこちらを見て笑う。

しかしほろ酔いの今、相手にしてやる気分でなかった。


「おい、トモエ、俺も乗せろ」

「あなたは歩けるでしょう?」


俺に無視されたペンテは、絡む矛先をトモエにかえたようだ。


「アヤトはよくて俺はダメなのかよ」

「当たり前でしょう、団長様は酔っていますから」


ケンタウロス種は馬のような見た目から人を乗せると思われがちだ。しかし、実際はあまり人を乗せたがらない。元々プライドが高い種族なので、「誰かに使われる」というのを良しとしないのだ。トモエもその口で滅多に人を乗せない。

しかし、そんなトモエでも、緊急を要する場合や体調の悪い者ならば乗せることもある。今こうして俺がトモエに乗っているのも、店を出る際に、酔っ払っている俺を見て、「私にお乗りください」とトモエの方から申し出てきたからだ。


「いいじゃんか、乗せろよ」

「ダメです、団長様に加えてあなたが乗ったら私が歩けなくなります」


ペンテは見た目こそ少女だが、皮の下は発達した筋肉と丈夫な内臓と堅い骨で形成されている。その実かなり重い。トモエも俺かペンテのどちらか一人だけならこうして問題なく乗せられるのだろうが、これが二人になれば厳しいのだろう。


ペンテとトモエの押し問答を揺られながら聞いていると、屋台が一つ目に入った。


「……トモエ、止まってくれ」

「はい? どうしました」

「お土産を買っていく、あいつらを待たせてるだろうからな」


俺とペンテが仕事を終えたのは夕方ごろ。それから大衆食堂に寄ったせいで、もう夜もふけてしまった。

ホームにいる二人の団員の為にもなにかお土産の一つでも買って行った方がいいだろう。

俺はトモエから降りると、屋台の前まで歩いて行った。


「店主、それをくれないか?」


俺が店頭に並ぶアップルパイを指差す。


「うん? これかい? 何個だい?」

「五個だ」

「それなら、残りのやつを全部やるよ、ほれ」


店主は売れ残っていたアップルパイを7個全て押し付けてきた。

どうやらもう店じまいをするようで、残り物を処分するつもりらしい。


「それはどうも……」

「70エルだ」


そちらが押しつけてきたのに、きっちり7個分の値段を請求してくる。

まあ、ここではこういうことが日常茶飯事だ。


「はい、60エル」

「足りねえぞ」

「じゃあ、このアップルパイは全部返す」


押し付けられたアップルパイを全て屋台の上に置く。


「邪魔したな」

「待て、わかった……65だ」


俺は返事をせずにそのままペンテ達のところまで歩く。


「……60だ」


亭主は早々と折れた。

亭主も閉店間際で残り物を処分できる最後のチャンスだと理解したらしい。

俺は白旗を上げる亭主の元まで戻った。



ホーム……と呼んでいる俺たちの本拠地は、街の中心部から離れた小さな一軒家だ。5人で住むにしても小さく、またギルドからも遠い事から引っ越しを考えており、今、その資金を貯めるために節制している。


元々は民家なので、構造は普通の一軒家と同じだ。

玄関から廊下を通り、リビングにつくなり、


「あ、やっと帰ってきたわね、遅いわ、いつまで待たせるのよ、というかトモエもなにしてたわけ? 呼びに行ったんじゃなかったの? 今日の事ちゃんと報告したわよね? それと朝に言ったと思うけど……」


ソファでくつろいでいた一人のダークエルフが、マシンガントークで俺達を迎えた。


「ジャハーヌ」

「何よ」


ジャハーヌ・ダアク。本人は認めたがらないが、口から先に生まれてきたダークエルフだ。放っておくと延々に喋り続けるので、適当なところで割って入る必要がある。


「待たせて悪かったな」

「そう、それが大事よ、まずは非礼をわびる事、アンタも礼儀ってものがわかってるわね」


腰に手を当て、偉そうに頷くジャハーヌ。

ダークエルフ特有の浅黒い肌と尖った耳。大きな丸眼鏡を鼻にかけ、豊満な胸をフリルのついたブラウスでつつみ、細い腰は黒いコルセットで締め、さらにこれでもかといわんばかりのフリルがついたミニスカートを履いている。全て本人の趣味らしい。ちなみに仕事の時はこれらに加えてつばの広い大きな黒いとんがり帽子を被る。完全に魔法使い……というか魔女っ娘だ。


「今日の仕事は上手くやったんだろ?」

「まあね、でもぶっちゃけちゃうとココのおかげだわ、あの子がいなかったから絶対にまとまってなかった、やっぱり子供には勝てないものね、同じゴブリン種っていうのもあるかもだけどあのゴブリン種の長老ったら、ココのことを実の孫より可愛いとか言い出してね……」

「ジャハーヌ、お土産があるんだ」

「あら、殊勝な心がけね、貰ってあげるわ」


トモエ達が担当した異種族の争いの仲介とはゴブリン種の集落とエルフ種の集落の猟場争いだった。下手に他の種族が出張ると面倒事が増えると判断し、同種同士で任せたのだ。


「ココの分もあるが……」

「もう寝ちゃったわ、アンタたちが遅いから」


ジャハーヌが肩をすくめた。

ココとは俺の傭兵団の最後の一人のメンバーでゴブリン種の少女だ。ゴブリン種らしく小さな少女で俺の腰くらいしかない。そして、ゴブリン種にしては珍しい善良な素直さを持っている。


「そうか、とりあえず、お前の分だ」

「はい、ありがとう……あら、アップルパイじゃない、アンタよく私の好きな物を知ってたわね」

「……まあな」

「ふふ、それなら私を待たせたことはチャラにしてあげるわ」


ジャハーヌは大きな口を開けてアップルパイを頬張った。ジャハーヌの好物がアップルパイだったなんて今の今まで知らなかったが、ここは勘違いさせたままにしておこう。


「団長様、残りのアップルパイはいかがしましょう?」

「ああ、ココの分か」


俺とトモエとペンテは道中で食べてしまった。残りの一つのアップルパイはココの分だ。


「俺が食ってやるよ」


ペンテがアップルパイに手を伸ばそうとする。


「ダメだ」


俺はその手をぴしゃりと叩いた。


「それはココの分だって言っただろ」

「あいつは寝てるんだろ」

「明日の朝あげればいい」

「別に食っちまってもいいじゃんかよ」

「お前はもう3つも食べただろうか」


道中で余分にもらった2個のアップルパイはペンテの腹のなかにおさまっている。しかしこいつはまだ食い足りないらしい。


「トモエ、それは台所に持って行ってくれ」

「わかりました」

「それとペンテ、勝手にあれを食ったら明日の飯は抜きだ」

「……ちぇっ」


トモエがリビングを出る。ペンテも唇を尖らせ、不満そうにリビングを出て行った。


「アンタも子守大変ね」


ジャハーヌが食べかけのアップルパイを片手に他人事のように言う。


「そう思うのならお前もペンテの相手をしてくれ」

「嫌よ、ていうか無理よ、あの子、アンタにしか懐いてないじゃない」


あれで「懐いている」と判断されるのだから、オーク種がいかにこの多種社会に適用できない種族であるかがうかがえるだろう。


「あ、そうだ、アンタ、朝の約束忘れてないでしょうね」

「朝の約束……?」

「ちょっとマジ? 約束したじゃない、今日は一緒に飲むって」


ジャハーヌがテーブルの上に置いてある酒を指差す。

それで思い出した。

ジャハーヌが年代物の酒を見つけてきたとかで仕事終わりに飲もうという話をしていたのだ。すっかり忘れていた。


「忘れてた」

「はあ?」

「それで飲んできてしまった」

「はああ??」


ジャハーヌが大きな口を開ける。

口を閉じていれば「クールなダークエルフ」で通る端正な顔立ちをしているのだが、口を開けばやたら喋る上にリアクションのデカいお笑い芸人のようになってしまう。これが本人にとって良い事か悪い事なのかは判断のしかねるところだ。


「とりあえずさっきのアップルパイで許してくれ」

「………………ダメ!」


しばらく考えたようだが、やっぱりダメらしい。

まあ、全面的に俺が悪いので仕方ないけど。


「明日絶対埋め合わせしなさいよ」

「わかった、明日必ずしよう、ついでにアップルパイでも買ってきてやるから」

「それでなだめてるつもり? 言っとくけどアップルパイくらいじゃ許さないからね」

「じゃあアップルパイを買ってくるのは止めよう」

「……待ちなさい、それは止めなくていいわ、むしろ私がより一層怒らないようにアップルパイを買ってきてなだめなさい」


結局アップルパイは欲しいらしい。

俺は、はいはい、と返事をした後、また明日、と言ってリビングを出た。



俺は部屋に戻る。

狭い家で部屋数も限られているが、俺だけは団長ということで個室が用意されている。他のみんなはそれぞれペンテとジャハーヌ、トモエとココの二人一組の相部屋だ。

まあ、それぞれの部屋で相方の寝相やら素行やらで苦情は出るが、ペンテとココの相部屋という想像するだけでも恐ろしい組み合わせは避けなければならないので部屋替えをするつもりは今のところない。


俺は上の服を脱いで、キシキシ鳴る年代物のベッドにもぐりこむ。

これで一日も終わりだ、と思い目をつぶろうとしたのだが、


「うん?」


布団に滑り込ませた足に何かが当たった。


布団をめくり、窓からの月明かりでベッドを照らす。

俺のベッドに子供がうずくまっていた。

月明かりに照らされ、青白く光るプラチナブロンド。この世界ではゴブリン種の女にしか生えない髪色だ。


「ココ」

「……うぅぅ……」


俺が声をかけると、ゴブリンの幼女……ココは少し唸りながら目をこする。


「何でここにいるんだ?」

「待ってタ」


ココの発音は少しぎこちない。これはココだけじゃなくてゴブリン種全体にいえることだ。

喉の形が共通言語を話すのに適していない、とか、全ての種族の中で一番最後にこの言語を覚えたのでまだ発音に慣れていない、とか、元々知能が低い種族だから、とかいろいろな説を聞いたことがあるが、どれが正しいのかは定かではない。


「俺を待っててくれたのか?」


ココがコクンと頷く。

どうやら俺の部屋で待っている間に寝てしまったらしい。

ココはまだ少し眠気を残しながらベッドを這って枕元まで来ると、そのまま枕に頭を乗せて横になった。

ゴブリン種は体格が小さい。成長期が人間種でいうところの10歳前後で終わってしまうのだ。ココはまだ年齢的にも子供だが、これ以上体格が成長することはないだろう。


「待っててくれてありがとうな、それと遅くなって悪かった」


ココは薄く笑う。

ゴブリン種の目は白目の部分が黒く、黒目の部分が白い。最初見た時は驚いたが、慣れると違和感なく接することができる。


「今日は大活躍だったらしいな、ジャハーヌから聞いた」

「一生懸命話したラ、分かってくれタ」


俺はココの頭を撫でた。髪はさらさらだが、少しほこりっぽい。


「今日は水浴びしなかったのか?」

「しなかっタ」


このホームには湯船なんてものはない。

外に井戸があるので、そこから水をぶっかけるのだ。


「昨日もしなかったな」

「しなかっタ」

「一昨日は?」

「……」


ココは誤魔化すように枕に顔をうずめる。


「ココ、水浴びは最低三日に一度だ、そう言ったよな?」

「……」


ココは枕に顔をうずめたまま返事をしない。

ゴブリン種は衛生観念が他の種族に比べて希薄だ。入浴の習慣はなく、身体を清潔に保つ事をあまりしない。傭兵団の一員としてこのホームで暮らす以上はこの辺り最低限三日に一度は水浴びなどをしてもらうと約束した。


「ココ……」

「水浴び嫌イ」

「……ココがそれでよくても、俺達が困るんだ、俺達と一緒にいたくないのか?」


ココは首を横に振った。


「それなら水浴びをしよう、明日こそ必ず誰かと一緒にな」

「……誰カ……?」


どうせココにやれ、と言ってもやらないだろうから、お目付け役をつける必要がある。


「ジャハーヌとかな」

「ジャハーヌ……」


ココの声色が難色を示している。


「ジャハーヌは嫌なのか?」

「……早口で何を言ってるカ、分からなイ……」


なるほど、確かに早口でまくしたてるジャハーヌと二人きりは辛いかもしれない。よくよく聞いてみるとほとんどどうでもいいことしか言っていないから、8割くらいは聞き流しても大丈夫なのだが、まだココにそういう判断は出来ないのだろう。


「ならトモエだな」

「トモエ……」


ココはトモエに対してもあまり良い反応を示さない。


「トモエも嫌なのか?」

「トモエは……恐イ」

「体が大きいから?」


トモエは俺たちの傭兵団の中で一番体格が大きい。

半人半馬というケンタウロス種という種族の宿命である。


「それもあるけド……雰囲気が恐イ」

「雰囲気? そんな恐い雰囲気ではないと思うが……」


あの女ケンタウロスはとても周囲を威圧するような性格だとは思えない。戦闘の時などは勇ましい事もあるが、恐らくはそんなことを言っているのではないだろうし……


「……アヤトがいない時のトモエがなんだか恐イ」

「俺がいないところでえばっているってことか?」

「……違ウ、なんだかソワソワしてル」

「ソワソワ……?」

「……上手く説明できなイ」


子供のこういう感性は侮れない。おそらくは本当にトモエはソワソワしているのだろう。だが、何が原因でソワソワしているのかがわからない。


「そうか……それなら後はペンテシレイアだが……まあこいつは論外だな」


ペンテが子供の世話など出来るわけがない。そもそもあいつが子供なわけだし。


「……残っているのは俺しかないな」

「アヤトなら別にいい」


別に俺が洗ってやってもいいのだが、そうするとまた別の問題が発生する。うちの団にはこういうのにうるさいのがいるのだ。


ドンドン


乱暴に部屋の扉がノックされる。


「ちょっといい? アヤト、起きてる? 起きてるわよね? 起きてないの?」


俺が仮に寝ててもこの声量でまくしたてられれば起きるだろう。


「どうした、ジャハーヌ」


扉越しにいるであろうダークエルフに返事をした。


「ココがいないってトモエが言ってたわ、私とペンテの部屋にも来てないし、ここにいない?」

「いるぞ」


扉が開いた。ジャハーヌがズンズンと歩いてくる。

そして、同じベッドで寝ている俺とココを見るなり、


「アンタ、やっぱり幼女趣味なの?」

「……違う、ココが俺の部屋で待ってただけだ」


ココがジャハーヌから逃げるように布団の中にもぐりこんだ。


「ココ、来なさい、アンタが男と同衾するのはまだ早いわ」

「早いんならいいだろう、まだ子供だ」

「バカね、もうこの子赤ちゃん産めるのよ」

「……別に手なんか出さないぞ、お前は俺の事を何だと思っているんだ」


確かにココは可愛いが、手を出すのなら布団の中にもぐりこんできた時点で出している。俺はココに感じている思いは父性に近いものだ。


「いい? 別にアンタが幼女趣味であってもそうでもなくてもどうでもいいの、問題はココにその気があるかどうかよ、何も知らずに孕ませられたら可哀想でしょ?」

「だから手は出さないって言ってるだろうが」

「男のその言葉は信用できないのよ、特に人間種は勢いで盛るんだから」


まるで人生経験豊富な女の意見だ。

実際、ジャハーヌは見た目こそ俺と同い年くらいに見えるが、ダークエルフの種族特性で、20歳の手前くらいで肉体の老化と成長が止まっている。

前に実年齢が何歳か聞いてみたが、『若すぎる』ので言いたくないそうだ。ただ「アンタの倍以上は生きてるわよ」とは言われた。


「さ、来なさい」


ジャハーヌが布団をめくりあげて、逃げたココを捕まえる。

ココは軽く暴れるが、所詮はゴブリンの子供、ジャハーヌにやすやすと持ち上げられ、そのまま運ばれていく。


「ジャハーヌ、離しテ……」

「ダメよ、アンタもアヤトのベッドに忍び込むのは止めなさい、赤ちゃん産まされるわよ」


だからやらねえよ。


「それならアヤトの赤ちゃん産ム……」

「止めときなさい、弱小傭兵団の団長に嫁いだっていいことないわよ、もっと経済力と包容力のある男にしときなさい、そうだわ、私の幼馴染を紹介してあげる、学園都市で教授をしていてそこそこ稼いでるわ、それに他種に対して偏見がないの、まあ何にせよアンタがもっと大人になってからの話だけど……」


ジャハーヌが相変わらずの早口で好き勝手言いながら出ていく。

ジャハーヌとココがいなくなり、俺の部屋はようやく静寂包まれた。


目を閉じる。

仕事の疲れからか、それとも微かに聞こえる風音が子守唄の代わりになったのか、俺は目をつぶってから早々と眠りに落ちた。


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