22/25
夕闇に迫る影ッ! 1
クソッ!
何でだよ!
俺は路地の角を曲がる。
――駆け足で。
カツッ、カツッ、カツッ
直ぐ後ろ、つい3秒前まで俺がいた所で足音が響いた。
俺はそのまま約10メートル程先にある細い路地に逃げるように飛び込む。
――いや、リアルに逃げてるのだが。
足音はもう直ぐそこまで迫っている。
しかし――
ビチャ!!
「キャ!」
次の瞬間、何かが飛び散る音と、女性の声が聞こえる。
「いつまでも俺が逃げてるだけだと思うなよ」
――いきなりの冒頭に、混乱している方もいると思う。
どうして今、俺は追われているのか。
そもそも事の発端は何なのか。
――それは、遡ること、2週間前の出来事だった……