梨香×夏希のダブルアタック! 6
5分後――
俺の前に広げられた人生ゲームの盤に、絶句した。
「夏希……これものすごい手作り臭がするんだけど」
「あーうん、この盤私の手作りだよ~」
「いや、ふつうの盤でいいんだが」
「せっかくだからこれでやってほしいんだが~」
「そして私も犯ってほしいんですが~」
「梨香さんちょっとだまっとれ」
いやしかし、クオリティーはすごいな。しっかり橋とか山とか作ってあるぞ。
「んじゃ、スタート~」
――後から考えれば、この時にマスの細かいところまで確認しておけば良かったのに、と思う。
「俺の番か……よし! いきなり9だ!」
9のマスに書いてある指示は……
「なになに、『結婚!』……早くないか!?」
「えー別に普通じゃん?」
しらばっくれる夏希。
「あ、兄さん、まだ文に続きがありますよ」
「本当だ……『ゲーム参加者の中から一人相手を選ぶ』――普通じゃねーよ!!」
普通は隣に異性のピンさすだけでいいんじゃないのか!?
「さあ兄さんっ!」
「どっちを選ぶ~?」
「いや車に女性ピンをさす」
「「即答!?」」
いや、片や妹、片や初対面でなぜ選ばなきゃいけないんだ。
さらにゲームは進む。
「梨香は牛歩だな~」
「なぜ3しか出ないんですか……あっ」
梨香が止まったマスには、
「『結婚! このゲームの参加者の中から一人相手を選ぶ(相手がいるなら追い出してよい)』ですって」
「まさかの寝とられ!?」
というかそんな家を引っ越すみたいなのりでいいのか!?
「よく見たらこの盤結婚マスだらけじゃねーか!!」
「いやいやよく見てよお兄さん」
「『飼っていた犬が発情して襲ってきたので一回休み』下衆過ぎんだろっっ!!」
「あ、兄さんゴールですよ」
「見事1位になったお兄さんには『私たちを好きにしていい券』を進呈~」
「さあ兄さん、何でも好きなことを命令していいんですよっ!?」
「いやしねぇよ!?」
「焦らしプレイかぁっお兄さんやるねぇ~」
「焦らしてねぇし!!」
「「ハァハァ」」
「手をワキワキさせるなっ!!」
――結局仲良しな梨香と夏希の二人だった。