買い物とツンデレ? 5
結局、あのあと映画を見たり、本屋に行ったりした。
「ふぅ~、もうこんな時間か」
「うん。健、今日はありがと」
「ん、出掛けてなさそうで可哀想な俺をしょうがなく誘ったんじゃないのか?」
「っ……そ、そうよ! 楽しくなんて、なく……楽しかったんだからね……」
「お、おお、よかったな」
外はもうすぐ夕陽が落ちる。
俺と加那はショッピングモールを出た。
「ねぇ、健……」
急に話しかけられ、ビックリして加那の方を見ると……加那は、じっ、とこちらを見ていた。
加那の頬が紅潮しているように見えるのは、夕焼けのせいだろうか。
「健は……彼女、とかいないの……?」
「……ん、いないな」
「そ、そっか……」
「どうしたんだ? 急にそんなこと……」
「ううん、何でもない……」
「……まぁ、梨香がいるから、別に女に餓えてないし」
「ホントにラブラブね」
「あいつが異常なスキンシップをとってくるだけだよ」
「……ふーん」
そうこうしてるうちに、加那の家についていた。
「お、もうついたか。じゃあまたな。楽しかったよ !」
「あ……」
「ん、どうした?」
帰ろうとした俺を加那がひき止める。
「……ううん、何でもない」
「……そっか、まぁまた学校で会えるしな」
「あのさ……また誘っても……いいかな?」
「おう! 楽しみにしてるよ!」
またな、と言って俺も家路に着く。
今日は結構疲れたけど、すごい楽しかったな。
実は加那に頼んで、梨香の好きそうなアクセサリーを一緒に選んで貰ったんだ。
朝、梨香が悲しそうな顔してたから、お詫びの印に~なんてな。
家に着き、玄関の扉を開ける。
「梨香~お土産買っ……」
ビヂヂヂヂッ!! バチ!!
突然の電流が俺を襲った。
――うすれゆく意識の中で、俺が最後に見たのは片手にスタンガンを持ち、ニヤリと笑う梨香の姿だった――