買い物とツンデレ? 3
電車の車内は、結構混んでいた。
「……まぁ、休日だから仕方ねぇか」
「うん……席に座れないわね」
「俺たちまだ若いし、大丈夫だろ」
「うん……でも、その……」
あたふたと、何かを探す加那。
「? ……どうしたんだ?」
「えっと……その……」
急に腕を捕まれた。
「つっ、つり革が届かなくてっ……!」
「……あぁ――」
「な、何よ! そんな哀れんだ目で見ないで!!」
「いや、そんなつもりは」
「どうせ『胸も身体もちっちゃいのか』なんて思ってるんでしょ!! そうですよ~私には魅力がありませんよ~だ!」
「いや、別に胸で魅力が決まる訳じゃないと思うぞ」
「……え、そうなの?」
「あぁ……世界には貧乳で幼児体型が好きなジェントルマンも……」
「そいつ絶対ロリコンでしょ!?」
「よくわかったな。まぁ逆に言えば結構魅力的であるということだ」
「……健は……」
「……?」
「健は、ど、どうなのよ! 私のこと、どう思う……?」
お、俺か? ……
「……うん、加那は結構スタイル良いから男子受けすると思うよ?」
「違っ……男子の視点じゃないの! 健自身はどう思うの?」
「俺? ……嫌いだったらこうして一緒に買い物行かんだろ……」
「んにゃ!? ……ふ、ふーん! そうなんだ!」
顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。
しかし、加那の口元がニヤけていたのは俺の気のせいだろうか――
電車に揺られながら、そんなことを考える俺だった。