買い物とツンデレ? 2
「すまん、待ったか?」
「い、いい今来たところよっ」
駅前に着くと、もうすでに加那がいた。
普段はお互い制服なので、加那が私服でいるところを見るのは新鮮だった。
「加那の私服は初めてだなぁ」
「その……似合ってるかな……」
加那は薄手のカーディガンにミニスカートという、可愛らしい服装だった。
スタイルも梨香と同じぐらい良いが、胸は梨香とは反対に控えめだ。
しかし、その控えめさが逆に男子受けしているのもまた事実だ。本人はとても気にしているらしいのだが……
「ああ、すげえ似合ってるよ」
「そ、そうかなぁ……えへへ……はっ、ほめられて嬉しい訳じゃないから!!」
「そうなのか?さっきすげぇ蕩けた顔してたけど」
「ふえぇ!? た、健のばかぁ~っ!!」
「すすすすまん、悪かったって!!」
顔を真っ赤にしてぽかぽかと殴ってくる加那。冷静じゃないのか、力の加減が出来ていない。
数分後――
「加那さん……? 何で俺たち手ぇ繋いでんの……?」
「それは……さっきのお仕置きよっ! 健と手を繋ぎたいとかじゃないからね!」
「そ、そうか……」
何故かきつく手を握られ、俺は困惑していた。
隣では加那が恥ずかしそうに、時々ニヤけながらぴったり寄り添っていた。
まてよ……これって周りから見たらカップルみたいに見えるんじゃないか?
いや、俺は大丈夫だけど、加那が多分嫌そうな顔をし――
「えへへ……へへ……えへへぇ~」
――てないな。何か超嬉しそうだ。
きっと良い天気に買い物ができるから嬉しいんだろうな。そうに違いない。
こうしてニヤけた加那を連れながら、駅のホームに入っていくのだった。