序章 "失われた手記より"
これをあなたが読むとき、きっと私はあなたのそばにはいないと思います
それでも、あなたはきっと、私のことを待っていてくれているんじゃないかな?
都合の良い、思い込みかもしれないけど・・・あなたを、信じてるから
だから、この日記を残したい・・・ううん、残してみせる
確かにね、いろんなことがあった
悲しいこと、うれしいこと・・・起きてよかったと思えることもあれば、やり直せればって・・・思うことも
でもね
たくさんの悲しいことも
たくさんの嬉しいことも
全部が私の人生を創りあげてきたものなの
だから、もし人生をやり直すチャンスが与えられたとしてもね
私は、絶対に使わない
だって、そんなことしたら、全部なくなっちゃうんだよ? 否定することになっちゃうんだよ?
今まで出会った友達も、楽しかった思い出も・・・大切だって、思えた人のことも
だから、私は望まない
このまま消されてしまうんなら、それでも構わないよ
だって、その覚悟はしてあったんだから
嘘をついてごめんね
期待だけさせて・・・本当に、ごめんなさい
さようなら、あなたに会えて、とても嬉しかったよ
より