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HYDRA CHRYSALIS  作者: Nao9999
4/5

エピソード4 捕獲部隊

エピソード4になります。


ここから物語は少しずつ大きく動き始めます。

HYDRAという存在、そして母体を巡る状況が、これまでとは違う形で広がっていきます。


まだ見えていないものも多い世界ですが、

その一端を感じてもらえたら嬉しいです。

倉庫の天井が崩れた。

赤い火球が次々に落ちる。

鉄骨が溶ける。

コンクリートが煙を上げる。

兵士が叫ぶ。

「防御ライン形成!」

アサルトライフルが一斉に火を吹く。

薬莢が床に散る。

だが敵は止まらない。

空中ユニットが次々に降下する。

青白い噴射光。

宇宙服のような装甲。

彼らは静かだった。

まるで作業をしているように。

水城の胸の奥が熱い。

羽化が始まっている。

体の奥で、何かが形を作っている。

白衣の男が叫ぶ。

「時間がない!」

AQUA-1が前に出る。

空気が揺れる。

海水ではない。

今度は空気中の水分。

それが集まる。

水球。

十。

二十。

三十。

ぽよん。

床を跳ねる。

敵兵の足元へ。

破裂。

霧が広がる。

装甲が溶ける。

敵が倒れる。

だが。

その時だった。

倉庫の奥から、低い音が響いた。

ゴォォォン……

巨大な扉が吹き飛ぶ。

中に入ってきたのは、人型だった。

だが普通の兵士ではない。

三メートル近い巨体。

黒い装甲。

背中に巨大な燃焼炉。

白衣の男の顔が青ざめる。

「捕獲部隊……」

水城が聞く。

「何だそれは」

男が答える。

「あなたを殺す部隊ではありません」

「あなたを連れて帰る部隊です」

巨人兵が腕を上げる。

そこから放たれたのは火球ではない。

赤い鎖。

エネルギーの束。

それが一直線に飛ぶ。

水城の足元へ。

床が爆発する。

兵士が飛び込む。

「母体を守れ!」

銃声が鳴る。

だが巨人兵の装甲には効かない。

AQUA-1が水球を飛ばす。

命中。

破裂。

霧。

装甲に触れる。

だが溶けない。

AQUA-1が初めて驚いた顔をした。

「効かない」

白衣の男が叫ぶ。

「耐水装甲だ!」

巨人兵が一歩進む。

床が割れる。

水城を見下ろす。

そのヘルメットの奥で、赤い光が点滅する。

機械の声が響く。

「HYDRA母体確認」

「捕獲開始」

鎖が再び飛ぶ。

その瞬間。

水城の体が光った。

羽化が限界に達した。

胸の奥が裂ける感覚。

痛みはない。

だが世界が揺れる。

光の中から、人影が現れる。

兵士が息をのむ。

新しい存在。

背の高い男だった。

黒い髪。

鋭い目。

彼の周囲の空気が揺れている。

水ではない。

炎でもない。

空気そのもの。

彼が静かに言う。

「……うるさいな」

巨人兵が振り向く。

男が手を振る。

空気が圧縮される。

見えない弾丸。

発射。

ドンッ!!

衝撃波。

巨人兵が吹き飛ぶ。

倉庫の壁に叩きつけられる。

兵士たちが凍りつく。

AQUA-1がつぶやく。

「第二世代」

男は自分の手を見る。

そして静かに言った。

「名前?」

水城が答える。

「好きに決めろ」

男は少し考える。

そして笑った。

「じゃあ」

「AER-2」

空気が再び揺れる。

倉庫の外で爆発が起きる。

敵の増援。

無数。

AER-2が空を見る。

そして楽しそうに言う。

「戦争か」

AQUA-1が答える。

「そう」

水城が静かに言う。

「始まったばかりだ」

都市の空が赤く染まり始めていた。

エピソード4を読んでいただきありがとうございます。


物語はここまでで、ひとつの区切りのような形になりました。

ですが、HYDRAと母体の物語はまだ始まったばかりです。


夢で見た断片的な映像から始まったこの作品ですが、

書いていくうちに少しずつ世界が広がってきています。


この先では、さらに大きな動きや新しい存在も登場していきます。

次のエピソードも楽しんでいただけたら嬉しいです。

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