表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くさなぎときつねの思い出ごはん。  作者: ちはやれいめい
ざしきわらしの章《しょう》
27/30

25 むかしむかしのとうふ料理(りょうり)


「これが百年以上ひゃくねんいじょうつづくおみせのみそなのね。いいかおり。あじふかいわ」


 キッチンでみそのふくろをけて、かあさんが味見あじみしている。

 とうさんはれいぞうからきぬごしどうふをしてきて、きいてくる。


「マコト。みそやのおばあちゃんは、「さかえやはみそしるれるとうふをすりつぶしていた」とっていたんだな?」

「うん。とうふ料理りょうり人気にんきのおみせだったんだって。ほかにはいってたとはってないから、とうふのみそしるでまちがいないとおもうんだけど…………でもとうふのみそしるって、わざわざとうふをつぶさないよね?」

「なるほどな」


 とうさんは()()()()にとうふをれて、ゴリゴリとつぶしはじめた。

 とうふは、だんだんとクリームみたいになめらかになる。


「これでみそしるれるなんてことはないな。なに工程こうていりていない。とうふをれるだけなら、つぶす必要ひつようなんてないんだから」

ほかにもここにれる?」


 おばあちゃんにもっとくわしくいておけばよかったな。

 あ、でもひでんレシピってやつで、おばあちゃんもらないかもしれないけど。


 ユカリちゃんがぴょこぴょこはねて、すりこぎをのぞきたそうにする。

 とうさんがそっとかかえあげて、せてあげる。


「まっしろ」

「なあ。ユカリがべたおつゆは、どんなかんじだった? これがそのままはいってたんじゃないよな」


 ユカリちゃんはくびをかしげて、うーん。とかんがえる。


「しろいかたまりが、いくつかはいってた。くさなぎは、このとうふはやわらかめのおもちみたいだって、いってた。ユカリはおもちをたべたことないから、わからない」

「モチ……ここになにかまぜて、とうふを()()()()みたいにしていたってことか。もちあたりか?」



 雪路ゆきじがシッポをふりふり、こえをあげる。


()()()()というのはなんだ」

小麦粉こむぎこみずでこねて、ゆでたものだよ。一口ひとくちおおきさになったうどんみたいなかんじかな?」

「ふむう? うまいのか」

「おいしいよ。わたしき」

「わがはい、てみたいのう」


 雪路ゆきじ小町こまちがじっとてくる。


 これぜったいあとでつくらないといけないやつ。


 かあさんがノートパソコンをたちあげてなにかけんさくした。


「ねえ、そのみそしる、このほんにのってるかもしれないわよ。豆腐百珍(とうふひゃくちん)江戸時代えどじだい出版しゅっぱんされたほんで、とうふ料理りょうりひゃくしゅるいのっているんですって。これを参考さんこうにしていたかもしれないわよ」


ひゃく……とうふだけでそんなにたくさんレシピがあるんだ。江戸時代えどじだいっていまよりも食材しょくざいすくなそうなのに」


んでみる価値かちはあるかもしれない。現代向げんだいむけにほんやくされたものが電子でんししょせきにもなってるから、ってみましょ」


 かあさんはサッとスマホをそうさして、ほんをダウンロードした。

 そのままわたしにスマホをパスしてきた。


二百年前にひゃくねんはまえのほんをかえるなんてすごいね」

「ハッハッハ。なにをいうんだマコト。枕草子まくらのそうしだって千年せんねんくらいむかしだろ」

「そりゃそうか」


 

 やくして販売はんばいしてくれた作家さっかさまにかんしゃしないといけないね。



 ※豆腐百珍(とうふひゃくちん)

 1782年初版ねんしょはん 実在じつざいするほん

 とうふ料理りょうりひゃくしゅるいしるしたほんで、庶民しょみんのあいだで大人気だいにんきになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ