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くさなぎときつねの思い出ごはん。  作者: ちはやれいめい
ねこまたの章《しょう》
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16/30

15 白《しろ》くて冷《つめ》たくて甘《あま》いものをつくってみる

 お姫《ひめ》さまがくれた、ということでたぶん明治《めいじ》から現代《げんだい》の食《た》べものはハズレだ。


 つまり、あんにんどうふ、プリン、ナタデココはちがう。


 アイスクリンなら、どうかな。

 



 検索《けんさく》してみたら、日本人《にほんじん》がアイスクリンを知《し》ったのは江戸時代《えどじだい》のおわりころ。


 徳川幕府《とくがわばくふ》の使節団(しせつだん)はアメリカに渡ってアイスクリン(アイスクリーム)を食《た》べている。


 明治二年《めいじにねん》には横浜《よこはま》でアイスクリンのせいぞうと、販売《はんばい》がはじまった。

 江戸時代《えどじだい》から明治《めいじ》はじめのお姫《ひめ》さまもアイスクリンを食《た》べれなくはない……よね?




 つまり! 正解《せいかい》は、アイスクリン! 君《きみ》だ!




 私《わたし》は自宅《じたく》キッチンで、牛乳《ぎゅうにゅう》とタマゴ、さとうを用意《ようい》してはなうたをうたう。


 図書館《としょかん》で借《か》りてきた本《ほん》に、昔《むかし》ながらのアイスクリンのレシピがのっていた。


 「今回《こんかい》は父《とう》さんと母《かあ》さんの力《ちから》をかりなくても、私《わし》だけで見《み》つけられた。すごいぞ私《わたし》!」



 雪路(ゆきじ)と小町(こまち)は私(わたし)の足(あし)もとに並(なら)んですわり、ふしぎそうに見上(みあ)げている。


「マコト。何(なに)をしておるのだ? カレーか?」

「ちがうよ。アイスクリンを作(つく)るの。小町(こまち)の食(た)べたいものはきっとこれだよ」

「あいす、くり? わがはいにはわからぬが、うまい栗(くり)か」



 小町(こまち)の目(め)が期待(きたい)でキラキラする。


「栗(くり)じゃないよ。アイスクリン」


 アイスクリンはスーパーやコンビニでも売(う)っているけれど、材料(ざいりょう)は今(いま)と昔(むかし)じゃちがうからね。

 当時(とうじ)の材料(ざいりょう)で作(つく)れば味(あじ)もきっと近(ちか)くなる。


 ボウルにタマゴを割(わ)り入(い)れて、泡立(あわだ)て器(き)でとく。


 それからうらごしして、なめらかにするのもわすれない。

 ときタマゴをナベにいれたら牛乳(ぎゅうにゅう)と合(あ)わせて、泡立(あわだ)て器(き)でまぜる。


 さとうを足してさらにまぜる。


「うまく作(つく)れたら、くさなぎの新(しん)メニューにしてもいいよねー」


 大(おお)きめのボウルには塩(しお)をふった氷(こおり)を用意(ようい)して、その上(うえ)にひとまわり小(ちい)さい金(きん)ぞくのボウルをおく。


 氷(こおり)で冷(ひ)やされて、ボウルが冷(つめ)たくなった。

 ここにさっき作(つく)ったアイスクリンのもとを入れる。


 スプーンでまぜていけばだんだん凍(こお)ってくると書(か)いてある。


 ムラにならないようにまぜていって、うまくアイスっぽくこおった!


 やるじゃん私(わたし)!



「できたよ、小町(こまち)。アイスクリン!」


 小皿(こざら)にのせてみせると、小町(こまち)はちょっとだけなめて首(くび)をヨコにふった。


「ちがう。わがはいがひめにもらったのは、これではない」


「……ちがうの?」


「ひめに仕(つか)えるものは、こんなにいろいろまぜていなかった」


 材料三(ざいりょうみっ)つしかつかってないのに?

 アイスクリンでもないぜいたくなものってなんなんだよー!?


 がっくりとへたりこむ。


 「……うぅ、やっぱり父(とう)さんたちの力(ちから)を借(か)りなきゃだめなんだなぁ」



 自信(じしん)あったのに。

 私(わたし)はまだまだみじゅくものだ。

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