植物魔法使い、何処へ行く。
一話
「オギャー!オギャー!」
生まれたばかりの俺は必死に泣き叫ぶ
「オギャー!オギャー!」
行きたくて叫び続ける
「おぉ、神の子よ、我らに恵みを与えたまへ...」
「ギャーー!オギャーーー!!」
なんでこの人は俺の事を底なし沼(仮)に沈めようとしてるの!?
馬鹿なの!?
生まれてからまだ一時間も経ってないかと思うんだけど!?
「今回の神の子はかなり元気な子だ・・・神様もお喜びになりこの地に祝福をくださるに違いない。
ありがたや、ありがたや。」
あぁ、なるほど!って納得いくかボケェ!
多分あまり作物が育たない地で将来の口減しと神の捧げ物とかいう生贄で土地を豊かにしたいってか!
赤ん坊1人にそこまでのパワーあるわけないだろ!
神様だって助けれたらとっくに助けてるだろうよ!
「うぅ・・・俺の子が・・・」
「我慢しなされカリムや、もうこの土地を豊かにするには神様への供物が必要なのじゃ,,,本音を言えばわしだって生まれたばかりの子を沼に沈めたくはない。
だが昔からの風習じゃ、この儀式をやって辛い時期を越した事もあったと聞く。」
なるほどなぁ、でもそれ偶然だと思うけどなぁ俺は、だって俺、神様に会った事あるし・・・少しだけだけど。
時を遡る事、約数時間・・・
「ほんっっっとうにすまない!」
この俺の目の前で10点満点をつけられそうな土下座をしているのは地球の神様らしい。
髪は金髪ロング、エルフみたいな少し長い耳を持ってらっしゃる
目は閉じてるのか開いてるのかわからない細目
「まさか私が下界に降りて日本食を楽しみすぎてお酒まで飲んで酔いによって介抱されてる所で一緒に居眠り運転のトラックに引かれてしまうなんて・・・」
この神様、全部説明してくれるやん。
「ま、まぁ私がしでかしてしまった事だしね」
あれ?神様私の心の中読んでます?
「うん、今君は魂だけの状態になってるから口でおしゃべりできないからね。」
なるほど、てか神様もド派手に轢かれてましたけど大丈夫なんですか?
「いや〜、流石にヤバかったよ、轢かれたせいで他の神様には怒られるし、地球に行くための依代もめちゃくちゃになってあと100年は地球に降りれないしねー」
あ、いや、神様の体のことなのです。が・・・、まぁこの調子なら大丈夫か。
「そうそう!巻き込んでしまったお詫びに別の世界に転生させてあげたいんだけどいいから?
もし嫌なら記憶を消してまたこの地球に赤ん坊から転生になるけど・・・」
別の世界?ラノベでよく見るやつですかね?
転生してすぐにチート能力使って俺つえー!ってなるやつ。
「ま、まぁ確かにラノベでよく見る異世界なファンタジーだけど・・・、さすがに君1人で世界を滅ぼしたりはできないと思うよ」
行ってみた!転生するからには何か特典を貰えますよね?俺、神様を介抱してる途中で死んだんだし。
「うっ!それを言われるとキツイものがあるね。
わかった!色々付けてあげよう!
まずは君の希望から教えてくれるかい?」
マジすか!言ってみるものだなぁ!
うーん うーん
そうだな、まずは必要経験値1/100とかはどうですか?
「必要経験値系か、うんいいよ!他にはあるかい?」
あとは植物系の魔法と土魔法、水魔法がほしいです!
「え、君は農家にでもなるつもりなのかい?
わかった、それも入れておこう。
あと必要そうなのはそうだな・・・、ストレージと多言語理解、鑑定魔法もおまけで入れちゃおう!」
やったー!ありがとうございます!
死んだけど助けようとしたかいがあったぜ!
「いや、ほんとその節はごめんね?」
いや、いいんですよ!こちとら未来のないブラック企業の社員だったんで!
むしろラッキーだったかもしれません!
「そうかい?そう言ってもらえると少し気も楽だよ、ありがとう」
あー!明日から会社に行かなくていいなんて最高だー!
「ふふっ、さて、お喋りはこれくらいにして他には何か要望はあるかい?もうそろそろ転生の時間さ!」
あ!それじゃあたまにでいいからまた神様とおしゃべりがしたいです!なんかそういうスキルって有りますかね?
「あー、そうだね、少し違うけど[信託・極]というのも付けておくよ。
これは私の像の前や君が作った台座や像の前でお祈りをしたらまたここに来れるようにするスキルさ」
ありがとうございます!俺からの要望は以上になります!
「うん、了解。
それじゃあ、君のスキルをまとめるね。
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{スキル}
火魔法Lv0
水魔法Lv3
植物魔法Lv5
土魔法Lv8
光魔法Lv0
闇魔法Lv0
鑑定魔法Lv∞
無限収納
{特性}
道具作成Lv1
剣術Lv1
魔法制御Lv5
必要経験値1/100
多言語理解
信託・極
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神様、なんか予定より多くね?
「いや、これらは元から才能があったものだろう、地球じゃ魔力がないから宝の持ち腐れだったけどね。
レベル0の魔法も練習すればあがるよ!頑張って!」
了解!ありがとう神様!
「それでは・・・こほん、[汝の来世に幸あれ]
行ってらっしゃい、◯◯くん」
あ、なんだかどんど・・ん、ね・・む・・く・・・・
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「オギャァァァァアァァ!(死にたくなーい!)」