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将来有望冒険者ケンスケっ!!  作者: 大石次郎


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オパル石炭基地の戦い

飛竜ゴーレム群を操る、方々から集められたゴーレム使いはカナヒコ・ルストボルトを中心に16名。万一に備え、テレパシー能力者1人を付けた5人ずつ4つのパーティーに別れオパル基地内の石炭ドームのからやや離れた位置の投影宝珠の備え付けられた隠し部屋で補助魔法道具の魔法陣を使えるだけ使って応戦していた。

カナヒコ・ルストボルトは思った。


(いや、無理くない? なんで俺がゴーレム使い隊のリーダーよ? 俺、3係所属だけと実質整備員だかんね? 勤続約2年で3係の現場クエストにたぶん2ヶ月くらいしか参加してないかんねっ! なんだよこの火の冥翼王とかいうモンスター! 幼体でまだ弱いとかヒロシさん言ってたけどさっ、ワケわからん強さなんですけどっ?! 速いし、火力ブッパで高精度っ! 的も小さいんだよなっ。後ろに控えてる魔工飛行船もウザい。冥王信奉者の幹部が乗ってるんだろうけど、面倒臭いなっ! このままノーダメで対空防衛線を抜かれると地上で残って応戦する皆は相当キツいっ。んだよもう~っっ)


小柄なカナヒコは滝のように冷や汗をかきながら、腹を決めた。


「クソヤバいけどっ、動きは慣れた! ゴーレムの数が減り過ぎる前に6割は陽動に専念、4割を飛行船に特攻させる! 化け物が飛行船を守ろうとしたらその隙に陽動の6割は纏めて化け物の特攻だ! 素通りさせないぞっ?!」


カナヒコが言い放ち、テレパシー能力者がそれを各人にそのまま伝えた。

程無く、飛竜ゴーレム達は陣形を整え、カナヒコの指示通りに動き始めた!

果たして、相当うんざり顔ではあったが、火の冥翼王は特攻で魔力障壁を破られて一部炎上しだしている飛行船の援護に回りだした。

残存の飛行船狙いのゴーレムは後ろから攻撃される形で為す術無く墜とされていったが、この隙を陽動用飛竜ゴーレム達は見逃ささず、火の冥翼王に凍結弾を連発しながら凍結の魔石に魔力を集中させながら特攻を開始した!


「ゲェエエーーーンンッッッ!!!!」


激昂し、炎の魔力障壁で防ごうとするが、それもやがて破られ、猛烈な凍結の特攻の連打に晒される火の冥翼王っ!

全ての特攻を凌ぎ切る頃には翼、尾羽根、嘴、全ての鉤爪を損傷し、火の魔力も3割は減退していた。

そうしている間に飛行船もさらに残存ゴーレムから特攻を受け、もはや長距離航行は不能な状態になっていた。


「よしっ! 俺達はここまでっ。足手まといにしかならないぞっ? 撤収撤収っ!!」


カナヒコ達は慌てて一番近い小型転送門へと離脱していった。


「っ!!」


火の冥翼王は飛行船の冥王信奉者から指示を受け、満身創痍のまま、オパル石炭基地に向き直った。


「せせせ、石炭っ! 石炭喰うっ!! ゲェエエンッッ!!!!」


メチャクチャに火の弾を撃ち、その城壁の魔力障壁に阻まれながら、滑空し、突き進んでゆくっ!



ザルビオ・モモイーは癒し手であると共に封印術師(ふういんじゅつし)でもあった。

レア職でオパル基地に集められたザルビオ以外の手練れの封印術師はわずか3人であった。全員投影宝珠のある隠し部屋の1つに集められ、状況の進行を見ていた。

部屋にはテレパシー能力者1名と、役割的に撤収のタイミングが遅れるので防衛魔法の得意な魔術師も1人付いている。


「はぁ~っ」


溜め息をつくザルビオ。彼女は治療マニアであった。癒し手として患者を回復させることにエクスタシーを感じる性癖である。

しかし今回の役割は治療とは無縁であった。

ザルビオの落胆をよそに、火の冥翼王は強引な体当たりでオパル基地の障壁を破った。

だが破ったそばから攻撃魔法の担当者達が凍結魔法をカウンター対策で各所に潜んだまま遠隔で発動させ、火の冥翼王を超圧縮される巨大な氷塊の中に閉じ込め、合わせて後方の飛行船に電撃魔法を纏めて浴びせ、復旧させだしていた飛行船の魔力障壁を貫いて墜落させだした。

この時点で攻撃魔法担当者達は撤収に入っている。


「ゲェエエーーーンッッッ!!!!」


大氷塊を砕いて蒸発させ、姿を表す火の冥翼王。墜落する飛行船からは飛行脱出挺がいくつか飛び出す。

ここでザルビオ達、封印担当者達と銃槍兵のオロロ・ラージフフを含む狙撃担当者達と召喚師のヤッポ・ソフィスリングを含む飛行奇襲担当者達の出番となった。


「幼体に仕掛けたかったが、これも片さんとなっ!」


「お願いっ、マンティコアっ!」


「飛ぶことを封じるっ!!」


ザルビア達は対価素材も大量に使い、火の冥翼王の飛ぶ性質を封じ込めた。

狙撃担当者達が合わせて脱出挺を狙撃系スキルの弓や術あるいは狙撃に適した攻撃魔法で撃ち抜く、1挺のみ爆散まではさせず、これを飛行強襲担当者達が各時の飛行能力で襲い制圧に掛かった。


「っ?!」


飛行能力を奪われた火の冥翼王は一般人の避難や離脱の済んだオパル基地へと落下していった。


「はい、私達も撤収っ!」


そそくさと撤収してゆくザルビオ達だった。



落下し、周囲を燃え上がらせた火の冥翼王に即座に突撃のはヒロシ・フガクとカリント・メープルトーチを中心とした近接奇襲担当者達だった。


「ゲェエエンッッ!!!」


火の冥翼王は激怒した炎を放つが、


「アイスブレッシングっ!」


近接奇襲担当者に護衛付きで同行しているユッチェ・サイレントベルが、想定を越える火力に即応して冷気の祝福を上乗せして全員に掛け、耐え、ヒロシもカリントが打ち掛かる!


「6割は消耗しているっ、畳むぞっ?!」


「行くで行くで行くでぇ~っ!!」


近接奇襲担当者はそれとなく石炭ドームの方に火の冥翼王を誘導しながら周囲を爆発的に炎上させながら交戦を続け、石炭ドームに接近すると、各自大技を撃って怯ませ離脱していった。



・・俺達のっ、出番だっ! 相手は7割強は損耗してるっぽいっ!!

炎の砲弾みたいになって障壁で既に覆われてはいる石炭ドームの方に突進してくるっ。


「上手くやんだよっ?! フライトっ!」


「命を大事にじゃぞっ?」


アマネさんとドラドッチさんが屋根から飛び出してゆくっ、アマネさんは召喚したアイスギガース2体を盾に凍結魔法を連打して火の冥翼王の足止めに掛かるっ! ドラドッチさんは乱戦の中、ひたすらちょこまか動いて中距離で牽制に徹する役回りだっ。


「では、やります」


フルッカさんはこの間、手に入れたばかりのデイダラ指姫の魔本を拡げようとしたが、


「っ?!」


いきなり、フルッカさんのウワバミのポーチから黒頭巾さんの魔本が飛び出しっ、本から放った鎖でデイダラ指姫の魔本を絡め取りウワバミのポーチに放り込んでしまった。


「おっ?!」


黒頭巾さんの魔本は独りでに開き、半球状の魔法陣を展開しだすっ!


「フルッカさんっ、どうしました?! アレを相手に黒頭巾さんではリスキー過ぎますっ」


「ダメですっ! 止まりませんっ。黒頭巾さんが強敵と戦いたがっていますっ!! どうにかフォローして下さいっ。もうっ、意識が・・ああっ」


カバーからページがほどけ、乱舞し、フルッカさんの装備も揺らぎ・・


「黒頭巾さん・・終章、さらなる狼さんを求めて・・エヘヘヘッ!!!」


黒頭巾さんに変化した、フルッカさんはバスケットから十数本の鎖鎌を噴出させて火の冥翼王へと飛び掛かっていったっ!


「おーいっ?!」


「フルッカさんっ」


「フルッカ?! 違うしっ、速いじゃん?!」


「なんじゃっ?!」


フルッカ黒頭巾さんは火の冥翼王の爆炎を物ともせず、凄まじい勢いで斬り合いを始めた!


「エヘヘヘっ! 狼さんだぁっ!!!」


「ゲェエエーーーンッッッ!!!!」


周囲の施設が瞬く間に破壊されてゆくっ。


「ケンスケっ! 援護っ! 援護だっ!」


速過ぎて捕え難いかどうにか風を放って火の冥翼王を妨害しようと試みるディンっ。


「おうっ、ええっと、ヒールっ! レジストっ! プロテクトっ! ブレッシングっ!!」


速いし遠いしっ、回復魔法や補助魔法当てるの難し過ぎだろっ?!


「仕方ないねっ、ドラドッチ! ちょっとガードして!」


「うむっ」


アマネさんは切り替え、アイスギガースの召喚を解除して、代わりに氷属性の多重魔法陣を編みだした。ドラドッチさんはそのサポートに入るっ。


「おいっ、段取りが違う! あの女、何してるっ?!」


別所に待機しているはずのネッサリアさんが屋根の上に飛び込んできた。

同時に屋根に火の冥翼王の流れ弾が飛来して煙突に偽装した障壁展開器以外が丸ごと炎上しだす!


「くっ、ここは火と煙に巻かれるっ! マスクをして移動しろっ」


俺達3人は防毒マスクをして屋根から離れた。


「エル・グレイシャっ!!!」


上位凍結魔法で火の冥翼王の左腕を破壊し、しかし火の弾丸の反撃に晒されてドラドッチさんに守られて慌てて後退してゆくアマネさんっ。


「魔本の暴走なんだ!」


「フルッカさんのミスじゃないっ」


「ええいっ、仕方ない。いや結果は善戦しているし、変わらないか・・トドメを始めるっ! スキル・水の聖杯っ!!!」


ネッサリアさんはブルージェム8個を対価に宙に聖なる杯を出現させ、その力で輝く雨雲で天を覆ったっ!

天から強力な水のエレメントの込められた浄めの雨がオパル基地周辺全域に降りだす! 水神に仕えていたのか。


「ゲェエエンッ???」


戸惑い苦しみだす火の冥翼王、そこへ鎖鎌を3つに減らしたフルッカ黒頭巾さんが突進して切り刻むっ!! 魔力の9割は減ったっ! だがっ、


「うるさいっ! お前っ!!!」


神速の拳打のカウンターでフルッカ黒頭巾さんは殴り飛ばされたっ!! 全ての鎖鎌を砕かれ、変化が解けてゆくフルッカさんっ!


「だぁっ! ヒールヒールヒールヒールヒールヒールヒールヒールヒールぅっ!!! ふぅ・・」


吹っ飛ばされたフルッカさんに遠距離ヒールを魔力切れまで連発して意識が飛び掛けたっ。ディンが風を操ってフルッカさんを少しでも遠くへと運んでゆく!

火の冥翼王はフルッカさんにはもう構わず、俺達の側にいる水の聖杯を展開しているネッサリアを睨み付けた。

ヤバっ、これは本格的にっっ、と思ったその時っ!


白夜斬り(びゃくやぎり)っっ!!!」


「ファイアドレイクハントッッ!!!」


潜んでいたボウトゥーメさんが上位の凍結剣技でっ、同じく潜んでいたゼンミン3係長が上位の凍結槍技で交錯しっ! 火の冥翼王を十字に斬り裂き氷結させて砕きっ、打ち倒したっ!!


「肝が冷えた・・」


マスクを取り水の聖杯を解除し、その場にへたり込むネッサリアさん。

遠目に、フルッカさんに息があるのもわかった。

俺とディンは取り敢えず弱々しくハイタッチしてマスクを取り、聖なる雨で鎮火した通路だった黒焦げの上に2人して倒れ込んだ。

幼体の火の冥翼王、撃破っ! 冥王信奉者の幹部らしいのもいくらか生け捕りにできた。土の冥翼王の方もなんとかなったらしい。

取り敢えず初手は、凌げたぜ・・

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