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第四章 3話 航海
商売人ハシムは、待ち合わせの日に従者数10人とロバ20頭ほどを連れて現れた。
商品となる薬や香辛料を山程引かせて船に乗り込んだ。
だが、乗り込んだは良いがロバにやる飼葉なんて無い。
モモタウロスが、ロバのメシとかどーすんだ?と尋ねたら荷を運び終えたらこの街で別の荷物を荷受けして来た道を返すんだそーだ。
しかも従者達へその品物を卸売りし帰り道で行商させるんだとか。
商品の仕入れ代を従者達に押し付けて行く先々で販売させ、そこから更にその末端売価から利益を絞り取るんだとか。
まぁまぁよくそんな阿漕な事をさせれたもんだなと感心するばかりのモモタウロスは、コイツを守ってやり仲間に引き入れてカネ集れば路銀も考えなくて良いのかもなと思った。
そして停泊していた船が動き出す。
錨を上げて帆を下ろして悠々と海原へと動き出す。
朝焼けに光る水面は、波の動きに合わせて揺らめき、船体を飛沫を交えて揺らす。
モモタウロス初めての船酔い。
後悔先に立たず。
航海は未だ始まったばかり。