第一章 洗礼
幻の桃がもつ呪いとは?
島で慎ましく暮らていた老夫婦が
数奇な運命の扉を開いてしまった
話はそんな扉の向こうへ踏み行っ
たところから動き出す。
むか〜しむかし。
BC312年当時のマケドニアから見てブリタンニアと呼ばれていた島。
その島のある所に、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんは〜山へ芝刈りに、おばあさんは〜川へ洗濯に行きました。
そして、おばあさんが川辺で洗濯をしていると、川上から30ノット程のスピードで500ポンドの立派な桃が、ドップラー効果が確認できる鳴き声とともに流れてきました。
丁度、洗濯がてら全裸になって自分の体も洗っていたおばあさんは、その桃を捕まえようとしました。
桃は、それに勘づき繭を破り中からクチバシを出して火炎を吐き暴れました。
そんな桃をもろともせずにおばあさんは、桃の背後に回り込みバックを取ってスープレックスをかましました。
そうして桃は、綺麗な放物線を描いて頭から叩き落とされました。
おばあさんは、その仕留めた桃を洗濯していたおじいさんの腰衣で羽ばたいて逃げない様に縛り上げて家に持ち帰りました。
そんな凶暴な桃を、ここ何ヶ月間か断続的に監視していて、今日この瞬間を偶然撮影していたとあるGEEK(48)男性は、後のインタビューでこう語っています。
「あのスピードでタックルしてきたのに、難なくバックを取ってスープレックス決めるなんてカールゴッチにも真似できない芸当。
いやぁ、、あっぱれ!」