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第五話 冷気系

企画。光道さんと会ってから、この言葉をよく考えてしまう。いや、元々は昇格面談からなのだが、光道さんと会わなければこんなに考えず淡々とこなしていただろう。

僕は何を創りたいんだろう。どうしたいんだろう。


深夜2時、寝つきにくくて冷蔵庫にお茶を取りに行く。カーテンの隙間から月光がこぼれ落ちている。


音か光


光道さんの声を思い出す。こういう光が好きなんだろうか?



翌朝9時、いつもの月例会議だ。なかなか寝付けなかったせいか眠い。部長は開発費、テーマ進捗、情報セキュリティ、安全衛生等の連絡事項を話す。全く頭に入ってこない。


「何か質問か連絡事項はあるかー?」


会議終わりのいつもの質問。さあ今日はいつもより15分早く終わりそうだ!


「あ、よろしいですかー??」

真っ直ぐ手を挙げる女性がいた。そう、光道さんだ。僕は嫌な予感しかしなかった。


「議論や決裁の会議でないのなら、メール又はチャット連絡で済ますというのはいかがでしょうか?!」

屈託のない笑顔のストレートな質問は場の空気を凍らせる。ただ、いつもの光道さんの柔らかなオーラが黄色に見えるので、黄色と水色で黄緑色か??とバカみたいなことを考えてると


「あのねー、光道さんはまだ入社したばっかりで分からないのかもしれないけど、こうやって顔を見て話すことで場の空気感を確認できて、より会議の効率を上げるんだよ。チャットみたいな冷たい文章では伝わらないことも多いんだ」

部長は冷たいトーンで答え、光道さんの課の課長はうんうん頷く。


「なるほど!そうなんですね!でも、本社主導の会議削減デジタル化プロジェクトにはどのように答えてるのですか?あの中の項目の一つに、情報共有の会議撲滅、が記載されていたのですが」


「あ、あれは100%そうしろというようなのではないんだよ!現場で取捨選択して、より効率を上げようという現場主体の取り組みなの!だから我々がどれが必要でどれが必要でないかを決めていくんだよ!」

部長の語尾がどんどん強くなっていく。


「そういうことなんですね!では、この情報共有会議が本当に必要かどうか『我々』で今から決めるというのはいかがでしょうか?!」

本当に強い冷気系魔法持ってるね、光道さん。

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