第三話 風波
会議室に入ると、光道さんは目を光らせて
「風波さん、何の話しますー?♪」
と言ってきた。
もともと昇格面談の情報交換や進捗共有をしたかったのだが、今の状態では情報も進捗も何もない。
「いやー、えーっと、、あ、光道さんは何のテーマにするか決めてるんですか?」
「音か光かなー!」
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え、もう決めてるの?というハテナと、音か光って何?というハテナが同時に襲ってきた。
「えーっと、スピーカーとかLEDってことですか?」
「ううん!そういうのじゃなくて、良い感じの音とか光とか、楽しい感じですね!」
さあさあ、会社に入って出会ってこなかった右脳タイプですね。どう話を進めたらいいのか。でもこういうタイプの場合は、インスピレーションやひらめきで話すはずなので、イメージに近いものを連想させるような
「風波さんはどんな企画を考えてるんですかー??」
次の質問にCPUのリソースを割いていたら、質問がきてしまった。
「僕はですね、ついさっき面談のこと聞いたばかりなのでまだこれから考えるところです」
「あ、というより普段から考えてる企画を聞きたくて♪」
キラキラした柔らかい笑顔がこちらを照らす。答えに非常に迷うが、正直に答えるしかない。
「研究開発テーマをずっと担当していたので、企画を考えたりするタイミングがなくてですね、、」
キョトンとした顔の後に笑顔で
「そうなんですね!わかりました!」
とハキハキくる。
まだ部署のルールを分かっていなさそうな彼女にアドバイスをしてあげようと僕はこう言った。
「あのですね、うちの部署では、企画、と言っても自由に企画するものよりは、商品企画や上司が考えている商品や技術に基づいたもののほうが評価が良くてですね、というよりはそうしないと途中経過の時点で修正を」
「それは正式な会社のルールなのですか??」
被せる形で、でも嫌味な感じは全くない口調で質問がくる。
「いえ、そうではないのですが、、暗黙のルールというか文化というか‥」
「なるほどですー!なら大丈夫ですね♪」
なるほど、これは課長に怒られるわけだ。。




