第二話 波風
「人事部さんから聞いたテレワーク制度を試しに使いたかったんです!昨日なら会社での実験もないし問題ないと思って」
ハキハキした声が聞こえる、おそらくこの人が‥
「あー、光道さんだな。。また怒られてるよ」
達也が呆れ笑いの顔で話す。
聞き耳をたてた感じでは、どうも昨日勝手に在宅勤務をしたらしい。この研究開発部ではテレワークはしない暗黙のルールがあるのだが、光道さんという人はそれを破ったのだろう。
「はい!ありがとうございました!」
ハキハキした声と共にニコニコ笑顔の光道さんが呆れ顔の課長と共に現れる。思ったよりとっつきやすそうなオーラで少し印象と違う感じだ。というより、、女性??
「あ、光道さん。こちら同期の風波くんで、光道さんに話があるみたいで‥」
少し遠慮そうな声で達也が光道さんに声をかける。
「そうなんですね!はじめまして。私、光道進と言います!先月こちらにキャリア入社しました!こう見えて女です、よろしくお願いします!」
圧倒される元気の良さ、だけどなんとなく柔らかい雰囲気の彼女に僕も応える、
「はじめまして、僕は風波祐介と言います。入社5年目です。よろしくお願いします。あの、今回昇格面談を受けることになったので、同じ面談を受ける光道さんと話をしたいなと思って声をかけさせてもらいました」
「あ、課長が言ってた面談ですねー!なるほどです、ぜひ話をしましょう!」
かなり前向きな反応で嬉しい。
「ありがとうございます!とても助かります。急で申し訳ないのですが、来週ご都合が良い時間ありますか?」
ハテナ、な顔をされて一言
「今からじゃダメなんですか??」
「あ、時間的には大丈夫ですけど、まだ話したい内容まとまってなくてですね、、あと打ち合わせの目的とかもまだ」
どもった声で答えた僕に、明るい笑顔でこう言った。
「じゃあ、今から目的のないまとまらない話をしましょう!」
隣の課の課長が睨むなら、僕は会議室に鼻歌とともに引き連れられていった。




