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【旧版】Crystal Asiro【クリスタルアシロ】  作者: wiz
第4章 国の仕組みと視察
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行いの末路

クリスタルとルーグは食肉加工施設を出て、次の施設に向かう。

区域の様子は変わらず荒れている個所が多い。

街灯が割れていたり道路の舗装も剥がれていたりと、何処も修復が必要そうである。


「思ったより手が回っていないな。治安維持に限界が来ているな。」

「ここの治安維持は誰もやりたがらない。当たり前だが、生前前科持ちの奴ばかりだからな。だが、手は打たないと俺達の失態だ。ルーグ、次の施設を見たら城に戻って、早急に対策を練るぞ。」

「了解。」


 喧嘩が建物から聞こえる。

 あちこちで食料を求める人がいる。


 それらを無視して、二人は駆け足で施設に向かう。

 この国で、一番非道とも言える施設に。

_________


「ヴぁあああああああああああああ!!!!」

「止めてくれッ!! 止めてくれぇぇぇぇぇえ!!!!!!」


 施設の内部は、名状しがたい悲鳴や断末魔で満ちている。

 その発生源は、機械に繋がれた大勢の人々。

 全員手足を拘束され、自害出来ないように口には『処置』がされている。


 そんな彼らを、二人はただ『当たり前の事として』見ていた。


「ここは『異常なし』だな。自害者もいない。」

「自身の起こしてきた出来事の被害者の『追体験システム』も正常に起動している。魔力搾取も問題ない。」


 二人は機械や魔法式のチェックを進めていく。

その間ずっと聞こえる悲鳴や断末魔が耳に刺さる。

クリスタルが眉を寄せて煩わしそうに言う。


「『追体験システム』は性格の修正に良いが、これだけの悲鳴やら何やらを聞くのはちょっとうるさいな。何とかしたいところだな。」

「さすがに声帯除去は手間だし、人体損傷は出来る範囲でやりたくないからな。防音・消音方法を考えて、今度実践してみようか。」


 二人は機械を弄り、設備を整え何事も無かったように去っていく。

既に非人道的ではあるものの、それでも出来る範囲で工夫して人体に被害を出したくはない。

そのための設備を考えつつ。


 ここの人間達は、ここでの生命活動を終えるまで、普通の生活は許されてはいないが。

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