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【旧版】Crystal Asiro【クリスタルアシロ】  作者: wiz
SS 『とある世界』での旅 その2
49/58

ドラゴンとの対峙

滞在している戦艦に『バーニングドラゴン』が襲い掛かって来た。

この状況下で二人はどう対処するのだろうか・・・?

 全身を震わせ咆哮する『バーニングドラゴン』。

体は丈夫な赤い鱗に覆われ、曲がった角が2本生えている。

『バーニング』と名前が付くだけあり、近くに居てもその体温の熱でこちらも燃えそうな程だ。

身の丈は今クリスタルとルーグがいる戦艦よりも、約二回りほどの大きさである。


「グギャアアアァァァアアアア!!!!!」


 その叫びは、ドラゴンであるクリスタルには意味が分かったようだ。

クリスタルがドラゴンに向かって叫ぶ。


「『食ってやる』? そもそも元居た世界へ帰ればいいだろ?」


 言葉が届かないのか、聞く気が無いのか。

『バーニングドラゴン』は突進の体勢をとろうとしている。

クリスタルはむせ返る程のガスの中、また叫ぶ。


「お前は『この世界のドラゴンではない』はずだ。ここには生命体はお前と戦艦内の住民だけだからな。だから元居た世界へ帰れ! そうでなければ___」


「「俺達がお前を始末する。」」


 ルーグが短剣を抜き、身構える。

ギラリと双剣が光る。

クリスタルは身構えはするものの、剣は抜かずにいる。

ドラゴンはその様子を見ていたが、帰る様子はなく、むしろ戦艦へ向かって飛んで来る。

クリスタルがルーグに命令する。


「アイツと戦艦との距離を取れ! 俺が何とかする!」

「了解!」


 ルーグが単身ドラゴンに向かって飛び掛かる。

ドラゴンが戦艦にぶつかる寸前でルーグが間に入り、双剣でドラゴンの突進を防ぐ。

両腕に衝撃が走るも、それでもルーグは『肉体強化魔法』でそれを耐え抜き、突進を防いだままの状態から双剣でドラゴンに手加減をしつつ斬りかかり、ドラゴンを蹴ってその反動で甲板に戻る。

ドラゴンの額に傷が入っている。

それをドラゴンは認識した途端、ドラゴンは再び咆哮(ほうこう)する。

今度は痛みによる叫びだ。


「グアアアアァァァアアアア!!!!???」


 驚いたドラゴンは怯み、突進を止める。

ドラゴンから逃げる戦艦と、止まるドラゴン。

両者に間が生じる。

 その隙に今度はクリスタルがその間に『身を投げる』。

戦艦から彼女の姿が見えなくなるとほぼ同時に、クリスタルの体が光に包まれる。

そして___



 クリスタルのが身投げをした場所から、『巨大なドラゴン』が現れる。

身の丈は『バーニングドラゴン』の10倍程、鱗は透明感のある青である。

頭頂部から生えている4本の角は真っすぐ斜め上に伸びており、翼はその体を維持させるため、体の倍ほどの大きさがある。

その全身は、まるで透明感のある美しい氷山だ。


 『巨大なドラゴン』もとい『ドラゴンの姿のクリスタル』が『バーニングドラゴン』に話しかける。

同族にしか分からない、特殊な言語で。


〈これでまともに話が通じるな。お前、まだ成人になりきっていないな? ガキはさっさと家に帰れ。凍らせられたいか?〉

〈フリーズドラゴン・・・・!? その、た、助けて下さい!!〉


 クリスタルは今にも相手を凍らせる気なのだろう、冷気を纏い始める。

辺りのガスは次第に液体に変わり、落下し始める。

『バーニングドラゴン』は慌てた様子で話す。


〈お願いです! 家に帰れないんです!! 家に帰してくれれば何もしません!!!〉

〈・・・・は?〉


 クリスタルの拍子抜けした声が響く。

_________


 ドラゴン姿から人間に擬態したクリスタルが、甲板で『バーニングドラゴン』と話し、要約する。


「つまり、お前は迷子になった上に腹が減ったから、腹ごしらえとして戦艦を狙っていた訳だな?」


 『バーニングドラゴン』は困ったような表情で頷く。

ドラゴンの腹から「ぐおおおお・・・・」と音が鳴る。

ルーグは今回の出来事を艦長に知らせるため、席を外している。


「俺としてはこの戦艦を助けたい。恩があるからな。ただ、家に帰りたい上に腹が減っているお前の気持ちも分かる。」

〈では、どうしたらいいんでしょうか・・・・?〉


 クリスタルがニヤリと笑う。


「幸い俺は『空間移動』が出来るんでな、お前を元の世界へ返すことが出来る。場所が分からないなら、その点も踏まえて調べて帰そう。まぁ、『対価』は貰うがな。」


『バーニングドラゴン』は表情を明るくし答える。


〈お願いします! 『対価』は支払います!! 家に帰りたいだけなんです・・・・!!〉

「よし、では契約成立だ。『契約書』にサインを。爪で書いてくれ。」


 小さな『契約書』に『バーニングドラゴン』はサインを何とか書き、契約をする。

『契約書』を受け取り、クリスタルはしっかりサインを確認する。

そしてクリスタルは『バーニングドラゴン』に向かい、大きな声で話す。


「ではお前をしっかり家に帰そう。場所は分かるか?」

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回のお話はいかがでしたでしょうか?


今回はドラゴンが迷子である事が判明しました。

またそのドラゴンを元の世界へ返す事になりました。


次回はドラゴンを自宅へ返すところからです。



また厚かましいですが、創作の励みになりますので、良ければブックマーク・評価をお願い致します。

感想・レビューもお待ちしております!


改めて、読んで頂きありがとうございました!

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