表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧版】Crystal Asiro【クリスタルアシロ】  作者: wiz
第3章 『神の世界』
37/58

エリトラ闘技場

四人は馬車でレフトの領域の視察へ向かう。

たどり着いた先は、邪神達が戦う闘技場であった。

 木材を使わず、石材で出来た家に店。

普通ならば即死してしまうようなガスで灯る街灯。

店には肉や魚、金で出来た装飾が並ぶ。

食品はどれも鮮度が良く、中には生き物を丸々一匹売ってる所もある。

そんな街並みを眺め、四人は馬車に乗り視察を行う。


「破壊神様、こちらの品物をどうぞ。」

「レイレード国王様、閣下様。ようこそお越しくださいました!」

「破壊神様、我が商品も見ていって下さい!」


 そう馬車の外から歓待を受けるが、誰一人ライトに声をかける者はいない。

ライトもそれは覚悟をしていたようで、気にしていない様子である。


「ここも案の定か・・・・。まぁ、多くの邪神が集まる場ではないだけマシなのかもしれないけどさ。」

「でもアタシは嫌よ、こんなの! ライトが差別サレル筋合いはないのに・・・。」

「でもレフトだって、僕の所で笑いものにされていた。君だって差別されて良いはずがないよ!」

「気持ちは分かるが、全員落ち着け。此処は大通りの真ん中。いくらなんでも馬車の中でも落ち着け。」


 クリスタルが諫めて、三人は少し興奮を冷ます。

だが、それでも聞こえる差別の声。

それを避ける様に、馬車はとある会場に向かう。

__________


 たどり着いた場所は、闘技場。

会場からは大勢の騒めきが聞こえる。

通りには屋台が並び、様々な食べ物や飲み物、そして名状しがたき何かがお土産として売られている。

それらを素通りして馬車はVIP専用の入り口にたどり着く。


「ようこそお越しくださいました、破壊神様とレイレード国王様。そしてレイレード王国閣下様と創造神様。」

「歓迎ありがとうごさいます。闘技場を拝見させて頂きます。」

「本日は楽しませて頂きます。」


 支配人が一礼をして挨拶をする。

ライトとルーグも同様に挨拶をする。

 しかしクリスタルとレフトは不満げだ。

レフトに至っては、何処からともなく殺気を感じる。


「挨拶の順番が可笑しくはないか? どうして身分の低いルーグの方がライトよりも先に挨拶されている?」

「差別案件かシラね? アタシの鎌でぶった切ラレたいのかシラ?」


 レフトはいつの間にか取り出した大鎌を、当てられた殺気で動けない支配人の首元に当てる。


「レフト!! 止めてあげて!!!」


 ライトが大鎌を持つレフトの手を取り押さえる。

レフトはそれを解こうと暴れる。


「どうシて!? 貴方侮辱サレたのよ!? 止めないでよ!!」

「僕を思うなら、猶更彼を死なせないで!! 僕がそういうの見るの嫌なの知ってるでしょう!?」

「・・・・ッ!! 分かったわよ、ライト・・・・。」


 ガンッ!!と音を立てて大鎌を床に叩きつけ、レフトは大鎌を神力で何処かへ仕舞う。

それを見て、支配人は気を失い倒れ込む。

周りのスタッフが支配人を運び出し、支配人代理が慌てて四人の前に出てくる。


「我が支配人が申し訳ございませんでした・・・・! 御慈悲を下さりありがとうございました、創造神様、破壊神様。」

「・・・・今後は発言に気を付けル様に言っておきなサい。」

「お礼はいいよ。支配人さんの事、お願いしますね。」


 ひと悶着あったものの、四人は支配人代理の案内でVIP席に案内されていった。

__________


「勝者、赤コーナー!!」


 観客の歓声を聞き、勝者が拳を挙げる。

その様子を四人は歓談しながら楽しむ。


「彼、強いね! 邪神のようだけれども、何の邪神だったんだろう?」

「確か『モノを腐食サセル邪神』よ。彼が神力を使って素手で触ったものは、全て腐食スルわ。今はソの気がないかラ腐食をシない訳よ。」

「にしても、この闘技場は面白いな。どんな手でもいいから『相手を気絶させれば勝ち』だろ? 今回はグロテスクな戦いじゃなかったから、グロいのが苦手なライトも平気な様子で見れたが。」

「まぁ、場合によってはライトは見れないだろうな。『どんな手でもいい』んだからな。」

「・・・・その場合は、僕はそっとお手洗いに逃げようかな。」


 血の様な色の紅茶を飲みつつ歓談し、四人は次の試合を見る。

 しばらく仲良く見学をしていたが、次第にレフトの動きがうずうずし始めた。

それをクリスタルが見て、問いかける。


「レフト。お前の様子からして『手合わせしたくなった』、とかか?」


 レフトが普段の笑顔ではない、口元まで裂けるかの様な邪悪な笑みを浮かべる。

その紅い左眼は、何処となく光って見える。


「そうね・・・・。クリスタル、久シぶリに手合わせシてくれないかシラ?」


 その質問に反して、『反論は認めない』と輝く眼が物語っている。

クリスタルがいつものニヤリ顔で答える。


「いいだろう。ライトでも見られる試合なら、手合わせを受け入れてもいい。」

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回のお話はいかがでしたでしょうか?


今回はライトへの更なる差別が見られたお話でした。

支配人は皮肉にも、差別していたライトのおかげで命拾いしました。

ライトへの偏見が弱まればいいですね。


次回は破壊神様レフトと、今までお話では一度も戦ったことのないクリスタルの戦闘です。

伝記に書かれるくらいのクリスタルの実力は、どのようなものでしょうか?



厚かましいですが、創作の励みになりますので、良ければ評価をお願い致します。


改めて、読んで頂きありがとうございました!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ